【ポンこれ】楽天のデトラクター(批判者)対応の、その驚きの中身!


先日行われた「楽天新春カンファレンス2016」で、こんな発表があったそうです。

楽天 三木谷社長が講演、「品質向上にこだわる」

(前略)

017三木谷社長は、2016年の楽天市場のテーマについて「クオリティー」とした。「クオリティーを上げることに対して、病的なまでのこだわりが必要。『一人くらいいいじゃないか』ということではなく、一人でも不満を持つ客がいれば対応するべきだ」と説明した。

取り組みの一環として、レビューで低い評価をしたユーザーに対し、投稿から2分以内に同社のカスタマーサービスが電話をかけて、不満点や苦情などを聞き取るサービスを始める。同社のECコンサルタントも即座に苦情への対応を行う。ユーザーに対してはお詫びとして、「楽天スーパーポイント」を500から2000ポイントプレゼントする。

三木谷社長は「顧客満足度の向上は、どんなプロモーションよりも売り上げ増が図れるのではないか。100分の1、100分の2のデトラクター(批判者)を放置すると、少数派でもマイナスの声の方が大きくなってしまう。4万店舗の集合体である楽天市場のクオリティーを上げるには、1店舗ごとの意識が必要だ」とした。あまりにも悪い評価が付いた店舗についてはいったん閉店させたり、悪質な場合は退店させたりすることで、モールのクオリティーをキープするという。

(後略。出展:通販新聞 2/4の記事より)

「細かいことで騒いでいるのは少数派ですよ」とkobo発売時に強気の発言をしていた三木谷社長のお言葉とは思えないですが、あれから3年半、きっと反省したのでしょう。

ユーザーエクスペリエンスの改善は良いことですが、しかし低評価レビュアーに即座に電話というのは、フォローアップというより嫌がらせのようなものです。怒りにまかせて★1つけてしまうと、2分以内に電話が鳴るというシチュエーションは、まるでSFに出てくる監視国家のようです。さすが世界一のインターネット企業を目指す楽天、ミライを先取りSFの世界観を完全再現です。

そういえばkobo発売時も★1レビューを根こそぎ消していたということがありましたが(忘れてませんよ)、それをユーザーに心理的圧迫をかけて抑止するようになったのだから、3年半の修行の成果が見てとれます。
このレビュー操作の件も含め、楽天は以前よりユーザーの同行を思い通りにしたいという意思が見てとれたわけですが、今回はずいぶんと露骨な手を打ってきました。うっかり★1をつけると電話がくるので、「梱包メチャクチャだし、色も写真と違うし、うっすら傷もついてる」という激おこ案件でも「けど電話くると面倒だから★2にしておくか」となりかねません。
ユーザーに歩み寄っているように見えて豪快にシャッターアウトしている手腕はさすがと言いようがありませんが、レビューに懲罰的書き込みができなくなるため、デトラクター(批判者)は不満をSNSに投げるようになるので、かえって火に油注ぐ結果になりかねません。あえてSNS時代である今、このやり方をやる意味はあるのでしょうか?つかなにデトラクターって。日本語で言いなよ日本語で。

ネットの反応も当然のごとく最悪であり、同ニュースをとりあげたまとめサイトなどでは「気持ち悪い」という意見であふれかえっていました。悪評をリカバリーするため、楽天はさっそくヒアリングの電話をするべきです。

ただ、自身でも病的と言ってるので、気持ち悪い事をやっている自覚はあるんでしょうね。自覚があってやめないのはなおさら病的です。こんな手段をとらないといけないほど、楽天ショッピングモールは大変なのかと邪推してしまいますね。

ネットユーザーは口を揃えて楽天はキモいといいますが、ポンコツ上司コレクター的には、むしろ「電話させられる社員たち」の方に目が行ってしまいます。

上記のような(めんどくさい)状況にも関わらず★1をつけてくるお客様ですから、その怒りの程は想像に難しくありません。むしろ電話でクレーム入れてやろうと思って悪評価つけてるような人も多いでしょう。そんな中、2分以内という怒りもさめやらぬ間に電話をするわけですから、かけるほうだって気楽ではいられません。
どんな体制でやるかは分かりませんが、高ストレス環境なのは間違いありません。胃潰瘍待ったなしです。

こんなバカげた施策を考えた人間の脳構造を疑いたくなる話ですが、世の習いとして、めんどくさい仕事を考えた人間自身が現場で実作業をやることはありません。
例えば社長がすごいストレスたまるユーザーサポート方法を考えたとしても、実行するのはその下です。ある程度大きな会社となると、管理職に投げられて中間管理職を経由し平社員か非正規雇用が対応というカタチになるでしょう。「やれ」「やれ」「やれ」が積み重なってめちゃくちゃ重い重責を背負わされる現場は大変です。日本人の社畜化も止まらないわけです。

押しつけられた下っ端は、会社から期待される成果と、達成できなかった場合の懲罰という責任を背負い、ソシャゲのガチャ並みに低確率で排出されるインセンティブだけを励みに仕事をするわけですが、貰える前に体を壊したり精神病んだりしちゃうので元も子もありません。
だいたい出世している人は、高ストレス環境を学閥や社内政治で軽やかに回避して偉くなっているので、現場の苦労なんてそれほどり経験しない人も多いでしょう。

そんなイージープレイで出世してしまった人が、「どこもやってないから」という理由でポンコツプロジェクトをはじめてしまう事が多々あるわけですが、なぜ他の会社がやっていないのか、一度立ち止まって冷静に考えていただきたいものです。

また、この手の誰もがイヤがる仕事は、何らかの事情で社内で低評価を受けてる社員が担当させられることも少なくありません。遠回しな退社勧告ですね。具体的な例をあげればセガのパソナルームやソニーのキャリア開発室みたいなものです。「守りたいものがあるんだー!」と叫んでもみても、それがポンコツ上司やブラック企業じゃ格好もつきません。大企業に勤めるのもラクじゃありませんね。

ところで今回のクレーム対応の発表の中で、こっそり評価の悪い店舗には退店してもらうと言ってますが、なんでも他人のせいなのかなと気になりますね。大丈夫なのかな、楽天…。

(文/赤蟹)



赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

コメントをどうぞ

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。