【ドラマ感想】大企業の犯罪隠蔽に挑むドラマ「空飛ぶタイヤ」【Amazonプライムビデオ】


041

「倍返しだ!」の半沢直樹や下町ロケットで近年企業ドラマ旋風を巻き起こしている池井戸潤。
その池井戸潤が実在する事故を下敷きとして描いた社会派小説が「空飛ぶタイヤ」です。
2009年にWOWOWでドラマ化され、最近Amazonプライムビデオで配信開始。プライム会員なら無料で見られるようになりました。良い時代になりました。

横浜で発生した交通事故により母子が死亡。走行中のトレーラーからタイヤが脱落、スピードが乗ったタイヤは母子を巻き込み両者を死に至らしめます。
トレーラーの製造元、ホープ自動車は事故の原因を整備不良と断定。警察もホープ自動車の報告を受け、トレーラーの所有者、赤松運送へ家宅捜索を行います。

しかし、赤松運送の社長(仲村トオル)は整備、定期点検をしっかりと行っており、自社の整備不良が原因でないと主張。しかし世間の風は冷たく、取引先からは事故を理由に仕事を切られ、子供はいじめに遭い、さらにホープ自動車と同じホープグループのメインバンク、ホープ銀行からはコンプライアンスを理由に融資を断られるという状況に追い込まれます。

赤松社長の苦情を受けたホープ自動車カスタマー戦略部の沢田(田辺誠一)は、クレーム内容をわざわざ聞きに来た品質保証部課長、室井(相島一之)の行動を不審に思い、内部調査を開始。ほどなくリコール隠しの事実を掴みます。これを沢田は自分の地位向上と会社変革のキーとして利用することを考えつきます。

しかし、大企業ホープ自動車およびホープグループの壁は厚く、誤解による社会的制裁が赤松運送を追い詰めていきます。融資を断られるどころか、ホープ銀行による貸し剥がしを受け、資金的な猶予もなく経営破綻ギリギリの状態が続きますが、専務の宮さん(大杉漣)ほか社員達や、事件を追うジャーナリストの榎本(水野真紀)、同様に部品脱落事故で「整備不良」と言われたトレーラーオーナー各社の人々に支えられ、巨大コングロマリットと戦い続けます。
やがて、ハブ(車輪を固定する部品)に欠陥があった事実を掴んだ赤松は、ホープ自動車への反撃に転じることになります。

その裏では、ホープ自動車の再建に向けた資金提供の話が進みます。ホープ銀行の本店銀行員、井崎(萩原聖人)は、ホープ自動車常務の狩野(國村隼)の姪(ミムラ)との結婚を控えていることから、「チャンスをあたえる」としてホープ自動車への融資担当・調査役となります。しかし、先年粉飾決済が発覚したばかりで、社会的信用を失い売上げを大きく落としていました。
ホープ自動車の経営が苦しい中で、強引に融資をとりまとめようとする上司の巻田(西岡徳馬)の態度や、狩野たちが提示する事業再建計画の現実性に疑問を持った井崎は、やがて大学の同級生であった榎本から「リコール隠し」の存在を仄めかされるようになります。

資金ショートというタイムリミットと、社会的信用の失墜で家族を巻き込んだ苦境に陥る中、必死にリコール隠しの証拠を集め続けようとする赤松。
「会社を変える」という意図の元、リコール隠しの真実を追っていく沢田。
同じく融資調査からリコール隠しの真実にたどり着き、恋人と職務の間で揺れつづける井崎。
三人の男たちは道は違えど、ホープ自動車の諸悪の元凶ともいえる「リコール隠し」に迫っていきます。しかし、彼らを掌の上で弄ぶ狩野と巻田。この二人は大企業のはらむ内外の悪性の象徴といえます。


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

コメントをどうぞ

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。