ウィンキーソフト倒産と楽天アプリ市場


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初期のスーパーロボット大戦シリーズを制作していたウィンキーソフトが倒産してしまいました。

昨年11/20に破産申告をしていましたが、資金繰りの目処が立たず2/18に倒産との発表がありました。

ウィンキーソフトと言うと個人的には「あかんべぇドラゴン」「ルーイン」の名前を思い出します。まあ、どっちも持っていたわけでなく、ログインの広告で見ただけなんですけど(子供だからそんなにゲームを買えなかったのです…)。スパロボで名前を見た時に、いつの間にかこんなゲーム作るようになっていたんだなと感じたことを覚えています。
設立は1984年とあるので、実に31年もの長い歴史を持つゲームメーカーです。団長が子供の頃からあったので、長いのは当たり前なのですが、31年も続いたメーカーが消えるというのは、なんとも寂しいですね。

スーパーロボット大戦も「F完結編」以降は開発会社が変わり、後に魔装機神シリーズで復帰するまでその開発に関与しなかったそうです。OG等魔装機神のキャラが登場する作品にはクレジットがありましたが、今後はどうなるのでしょう? 一連のOGなどの扱いを見ると、知財関係はバンプレスト(バンダイナムコ)が得ているような気もしますが、ウィンキーソフト側でも同一の世界観を使ったコンテンツなどを作っていましたし、魔装機神シリーズで復帰しましたし、今後の動向を注目という感じですかね。
もしウィンキーソフトが権利を持っているようなら、競売にかけられると思いますが、それならバンダイナムコが買うでしょうしね。

私はスーパーロボット大戦シリーズの最高傑作は「F」「F完結編」だと思っています。戦闘は今見れば非常に地味ですが、理不尽ともいえる高難易度ゆえ精神コマンドの「必要性」を高め、SPそのものが一番重要なリソースとしての役割を果たしていました。部隊編成を真剣に考えないといけないステージも多く、キャラゲーにしては歯ごたえのある戦術ゲームでした。
現在のスーパーロボットシリーズはカジュアルに遊べるようになり、精神コマンドはむしろ「爽快感」を与えるための要素となっています。
それはそれで遊びやすく良いのですが、シュミレーションゲームとしてのリトライ性はむしろ低く、ストーリー分岐や図鑑埋めをする作業としてもゲームそのものが簡単で真剣に考え抜く必要もなく戦術性に乏しいため、むしろ戦闘ステージを遊ぶのが面倒になるという逆転現象が起きています。
SRポイント条件が、かろうじてぬるくなりがちなプレイに気合いを入れてくれますが、取得できてもクリアできる条件と、勝利しなければ先に進めない緊張感は段違いですし、2周目以降は同マップも多いためSRポイントにこだわらず雑にプレイしがちです。

要するに、ゲームとしてあまり面白くないんですよね(個人的感想です)。戦闘アニメーションは格段にかっこよくなりましたがスキップしがちですし、勝利が確定した戦闘をやらされるたびに「F」「F完結編」の高難易度を懐かしく感じていました。


 

さて、ウィンキーソフト最後となるゲーム「ヴァンパイアカフェ」が、楽天アプリ市場で配信されていたという事が実は非常に気になっています。

ラブキラ☆シューティングアクション『バンパイアカフェ』楽天アプリ市場にて配信開始!(4gamer)

楽天アプリ市場は公式のGoogle playと違い、売上げの75%を開発者に戻すというGoogle playよりも高率な配分がウリとなっていますが(Google playは70%)。また、Google playでは禁止しているR18アプリの配信を行うなど、Google playよりも審査基準が低く、デベロッパーの自由度が保証されていることも特徴の一つとなっています。

一方で端末の設定から「提供元不明のアプリのインストールを許可する」のチェックを入れる必要があります。

「提供元不明のアプリ」のチェックについて知りたい(楽天アプリ市場ヘルプ)

そのため、ある程度アプリや端末、セキュリティの知識がないと、使用が不安になるというのが楽天アプリ市場の欠点です。

※「提供元不明のアプリ」とは、Google Play™以外から提供されるアプリ全てを指しています。

なので、うちのアプリも安全ですと言いたいのだと思いますが、なんとなく騙されてそうな気分になるのが不思議です。言い回しの問題でしょうか? 書かなきゃいいのにと思える文章です。

セキュリティ的にどうかという問題がオープン当初から持ち上がっていましたが、実際アプリの不正審査もどこまで進めているか分かりません。楽天アプリ市場内にデベロッパー向けのヘルプがなく(準備中らしいです)実態がつかめませんが、オープン時にトレンドマイクロ社に丸投げ提携して進めるとあったので、それなりに信用はできるはずですが、そもそもの楽天自身の信用度の問題もあり、ユーザーの心理的な壁を取り払うに至っていません。

 

その後、App storeとGoogle playでも配信開始したようですが、プレスリリースを出すこともなくひっそりと配信され、、11月の破産申告と共にサービスが終了となってしまったようです。
なぜ最初に配信したのが楽天アプリ市場だったのでしょう? 同タイミングで登録した結果、最初に配信OKとなったのが楽天アプリ市場だったからでしょうか? 今なら競合が少ないと踏んだのでしょうか?

単に、App storeとGoogle playで配信を決まった時にはプレスリリースを出せるような状況ではなかっただけかもしれません。とはいえ、せめて楽天アプリ市場で売上げがあがっていたら、もう少し頑張れたかもしれませね。
今冬のコミケ(89)に楽天アプリ市場も出展していましたが、お客さんもあまりいないようでしたので(かわいそうなのでチラシもらいましたが)、実際のアプリ市場もそれほど集客できていないのかもしれません。

楽天アプリ市場もそうですが、楽天はコンテンツ事業において、特にR18作品に力を入れているような気がします。楽天ブックスもこれまで他社に請け負わせていたR18ビデオの販売を自社で扱うようになりましたし、楽天ショウタイムという動画サービスでもR18動画を販売しており、そこそこ売上が良いように聞いています。
先行するサービスに追いつくためにはエロしかないと楽天側は思っているのかもしれませんが、野球球団を保有する一部上場企業として大丈夫なのかという疑問は常に残りますね。
ホリエモンのライブドアと近鉄バッファローズの買収を競った時、R18コンテンツを取り扱っているかどうかも問題にされたと思いますが、時代は変わりましたね。

話が大幅に反れました。

ただ、そう考えるとちょっとえっちなヴァンパイアカフェと楽天アプリ市場との親和性は悪くないはずですし、その前にブラウザゲームでコケてる事も考えると、楽天アプリ市場が悪いとも言い切れないのですが、決算などでも誇らしげに売上報告がなかった以上、かなり苦戦してそうだなぁと思った次第です。


 

ゲームの歴史は生物の歴史に似ています。ハードウェアの革新と共にソフトウェアメーカーも適応せねばならず、ついていけないメーカーは旧来のハードウェアにしがみつくか、滅びるしかないからです。大手メーカーが消滅した後、新たなメーカーがニッチを埋めるのも生物のそれと似ています。

そのような大絶滅を耐えててきたゲームメーカーが消滅するのは、ゲーム環境の進化と市場の過酷さを物語る出来事です。

ウィンキーソフトが立ち上がった1984年は、マイコンブームの中にあってゲームの需要が伸び始め、ファミコンの成功によるゲームバブル前夜とも言える時期です。
それから実経済のバブル崩壊や90年代後半にかけて凄まじい早さで進化していくゲーム環境、そしてゲーム機すらいらなくなった現在までを俯瞰してみると、当時ゲームを手にしたばかりの子供の自分では想像もつかない「未来」に今いることに驚きを禁じえません。

その頃にあったT&Eソフト、クリスタルソフト、ハミングバードなど当時のパソコンゲームメーカーが次々と消え去り、家庭用ゲーム機に鞍替えし一時代を築いたハドソンですら消え去ったこの30年。また一つのメーカーが去っていったわけですが、ソーシャルゲームも飽和の時期に入り、倫理的な問題をはらみ危険な状態になりつつあるなか、次の「大絶滅」も近いかもしれないと感じさせるニュースでした。

まあ、仮にゲーム文化が消滅し、ソシャゲがこの世から一掃されたとしても、私はずっとレトロゲーをやっているつもりです(笑)。
「F」「F完結編」はゲームアーカイブスで配信されていますし、これを機会に購入してみます。

※画像はPROJECT EGGより


団長

「てらどらいぶ」管理人。 ゲーム開発のディレクター、動画配信サイト管理人のプロデューサーなどを歴任。 心のゲームは「ウィザードリィ」と「ザナドゥ」。ドラクエとFFならドラクエ派。

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