【ポンこれ】改善提案を打ち返してくるバッティング上司!


グラブル問題が次々とメディアに取り上げられ、企業の遵法精神、ビジネス倫理が問われる中、その問題の大きさがあまり分かっていない管理職の方々が見受けられます。
「単なるミスでしょ」「わざわざ指摘するほどの問題ではない」と、事態がよく分からずに言ってしまうと所属している会社のビジネススタンスが疑われかねません。特にネットビジネス、ソシャゲ界隈の人間が言ってしまうと同じ穴の狢と思われますので注意したほうが良いと存じます。

実際に、単なるミスかもしれませんし、わざわざ指摘するほどの問題でないかもしれません。となれば、そのような「指摘するまでもない」「単なるミス」を看過してしまい、火に油を注ぐ結果になった事こそ問題です。
ヒューマンエラーはどこでも起きる事です。だからこそ再発しないように、特に問題が大きくある中では収拾のために何重もの対策を講じることが先決となるはずです。でないと、今回みたいに弁明するたびにツッコミを受けたり燎原の火の如く燃えさかることになってしまうわけで。

「炎上」という現象があるからこそ、ネガティブ因子のコントロールには細心の注意をはらうべきなのですが、「ネットマーケティング」やら「SNSマーケティング」やら「インフルエンサーマーケティング」というポジティブな情報を流す手法はもてはやすのに、ネガティブイメージをコントロールする術はあまり重視されていませんよね。炎上もそれらのマーケティングと同じ経路で広がっていくのに。

おそらく、ほとんどの会社は炎上なんて他人事なんでしょうね。

さて、トヨタ生産方式を出すまでもなく、業務改善というのは現代経営の中では重要な位置をしめるファクターとなっています。
業務改善という大げさな言葉を使わなくとも、仕事をしていれば改善案や多発するヒューマンエラーの対策などを思いつくはずです。このような小さな改善やフィックスを行うことで大きな問題に発展するのを防ぐことができるわけですが、ポンコツ上司の下ではうまくもいかないようです。

そんな状況下で働く、都内のIT企業におつとめのKさんの話です。


 

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「うちの部署は、部長と、部長の太鼓持ちをやっている課長の二人が、喫煙室で仕事の内容を決めてしまうことが多いんです。タバコを吸いながら決めた事を、メールで送ってくるような」

喫煙ポンコツ上司にありがちな話ですね。

「二人とも「休憩中も仕事の話で休むヒマないよー」と言ってるのですが、1時間ごとに10分以上のタバコ休憩取ってるので、そもそも仕事してないじゃんという」

どうしようもないですね。

「ある日、サービスでクリティカルな問題が発生して。調べてみると、その業務自体がヒューマンエラーの出やすいオペレーションになっていました。お客さんにお詫びして「再発防止に努めます」とアナウンスしましたが、このままだとまた数ヶ月後に再発するなと。チェック方法が担当者自身が再確認する以外に手がないような状態でして。個人に緊張感持って仕事しろだけでは、再発待ったなしだったのです」

人手不足な部署なんですね。

「実際、人がいないことが問題だったのですが…。ただ、そのオペレーションについては副担当を置くなどせず、簡単にシステム側で対応できる事が分かったんです。そこで上司に報告してシステム部に修正をお願いできないか相談しました」

どうでしたか?

「打ち返されました」

え?

「オレは忙しいから、システム部に直接行ってきてと」

1時間ごとに10分タバコ吸ってるのに?

「1時間ごとに10分タバコ吸ってるのに、です。部署をまたぐ仕事は勝手に依頼するわけにはいかないので部長にお伺いたてたわけですが、まあ自分で勝手にやれと」

勝手にやったのですか?

「勝手にやりました。それが「許可」だと思ったので。システム部の方で対応してくれることになったので、とりあえずメンバーにメールを送ってシステムの修正が入るということを通知しました。そしたら、他のメンバーからも次々と改善案が出まして」

意識高い職場ではないですか。

「いやぁ、基本的にシステム設計がダメすぎて…というか、業績が良かった頃に作られたシステムで、人数がいることを前提に作られた人力仕様だったので…。業績不振で派遣社員のリストラをしたら、人が足りずに運用が大変になってしまったのです」

そんなポンコツ上司の部署なら、業績不振になるのは仕方ないですね。

「ですね。他のメンバーの改善案も同様に、今の人数で安全にオペレーションできる仕組みへの変更がメインでした。メンバーからあがってきた改善案をまとめ、上司に送ったんですよ。検討してくださいと」

どうなりました?

「呼び出されました」

は?

「会議室に行ったら、部長と課長がいて。改善案見たよ。いいんじゃない。後は任せた、的な」

良かったじゃないですか。

「うーん、こういうのは分掌でなく、丸投げですよね。ピッチングというよりバッティングって感じですけど」

ちょっとウマいこと言ったと思ってますね?

「そもそも、こういう改善案が出たのは、課長のせいでもあるので」

どういうことですか?

「課長は他人のミスを見つけるのが好きで、一つ見つけると鬼の首取ったようにミスの指摘してくるような性根の腐ったの人間なんですよ。仕事に対する意識が低いとか言われて。まぁ、嫌われてましたね。ポンコツでしたし」

でも、部下のミスを叱るのは上司の仕事ではないですか?

「改善案が出たのは、文句を言われるのがイヤというより、課長のミスが多すぎるからという理由もありまして。課長は部下のミスを見つけてネチネチ言ってましたけど、ボクたちは課長のミスを見つけたら黙って修正していたので。それで自分は完璧に仕事していると勘違いしていたようで」

ポンコツですね。真実知ったら恥死しますね、私なら。

「そうですね。その時も「最近ちょっとみんなミス多いしね」と得意げに言ってました。うっかり吹き出しそうになりました」

我慢できてなによりです。

「部長は完全に現場に無関心でしたね。業績が下り坂だったので、どちらかというとポスト守る方に必死でしたね」

改善でミスが減り効率が上がれば、業績も回復するのでは…?

「現場の改善だけで劇的に回復するわけもないので…。どちらかというと次のポストを探していたという感じでしたね。なのでボクらの仕事がどうなろうが、多分関心がなかったんでしょう。言われたから改善させてやる、的な感じでした」

なんですかそれ。

「よく分かりません。お前らが改善したいって言ったのだから、お前らでやれよってカンジでした。メンバーからハブられ気味だったので面白くなかったのかもしれませんね。原因は自分たちにあるのに」

1時間ごとに10分タバコ休憩ですしね。

「そもそも、お客さんに迷惑がかかるかもしれないところで、その態度はサービス運営の管理職にはありえないですよね。次のポスト見つけたとしても、やっぱり同じようなインシデント起こすと思いますよ。ああいう「意識」だと」


ミスに対してあまり責めすぎるのも問題ですが、対策を講じないのはもっと問題です。

このあたりのバランスを取るのは難しいところでしょうが、ミスの再発防止策を講じるのはそこまで難しい話ではありません。
ただ、対策を立てたものの、やり方が、面倒なのか守られなくなるという現象もたびたび起きます。根本的な問題の解決が作業する人間の気持ちのありようなどという、不安要素を多分に含むものを担保にしてしまうと、どこかでミスを誘発します。なので、システムや物理的な方法で改善できるのなら、いつまでも人的オペレーションに頼らず改善を行ったほうが、結果的にはインシデントを遠ざけることができるはずです。

しかし、ポンコツな上司ほど対処療法に頼りがちになり、最終的には「単なるミスでしょ?」「たいした問題じゃない」と、事態を軽視したがるようになります。大きな問題と認めると、その改善のために仕事が増えてしまうからです。
インシデントが起きた場合に、ちゃんと責任を取ってくれるならいいのですが、こういう上司に限ってまた部下に責任をなすりつけるんですよね。困ったものです。

今回のポンコツ上司とは違いますが、「素直にミスを認めろ」と強要しすぎるダメ上司というのもたくさん存在します。そんなパワハラ上司の話については、また別項にて。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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