エロゲーは男性が女性を虐げる願望をカタチにしたもの? だからどうした?


058

日本の児童ポルノ大国であるかのように決めつけ、国連の委員に「日本では女子学生の30%が援助交際をしている」と吹き込む人達が現れたりと、日本が世界に誇るHENTAI文化は身内(つまり日本人)の不理解によって世界的に迫害される状況に追い込まれようとしています。

あらゆるものがデジタル化されていく中、フェミニズムやジェンダー問題もインターネット、特にSNSの力を借りて変容しつつあります。同時に、インターネットやSNSを通じて、それまでマニアのものであった性的コンテンツも普遍的なものへと様変わりしています。

となれば、当然両者の邂逅は然るべきとこと。性的まなざしがどうとか、男根のメタファーなどと決めつけと不理解と狭い正義だけがやりとりされ、言葉が激しく消費されていく中で、なんら結論がでない不毛な議論が続いています。

日本の性的文化や風俗は、フェミニズムと密接な関係があります。フェミニズムが女性の性の解放をうたっている以上、これは当然のことです。また、このような産業に携わっている女性が、ある日性風習に疑問を持ちフェミニスト化することもあります。
日本の男性優位の性文化を女性にも解放することを使命とする彼女たちは、例えば日本の男性像へのアンチテーゼとして韓流ドラマで描かれる韓国の理想的男性像を持ち上げたり、女性本位と称するラブグッズを開発販売したりと、(常人にはよく理解できない方法で)日本男性の性欲を粉砕し、女性が楽しむ性行為の普及に邁進しています。

このような経緯から、彼女たちは単純に男性の性欲を嫌悪している場合も多いのですが、中でも日本人男性の性欲に対する嫌悪感が強いようで、韓国や欧米の性文化は肯定しながら、日本独自の性文化は異常で汚らしくて唾棄すべきものと決めつけている言説が見受けられます。

そのような中でなぜ「エロゲー」なる性的コンテンツが、彼女たちにつるし上げられたのでしょう?

 

■バッシングの原因は日本人男性ヘイト

ネットの発達とSNS…特にTwitterの普及により、それまで交わることのなかったクラスタが邂逅する出来事が増加しました。

それ以前には2chがありましたが、参加の敷居が高く、00年代後期には本家よりまとめサイトを見る人が増えたという有様であり、かつ各スレがテーマごとに立つこともあり、不意に意見を異にする人達が接触する「事故」は起きませんでした。あえてアンチテーゼを持ち込もうという猛者が現れない限り、荒れたり激しい議論が起きることは(少なくとも今のTwitter環境よりは)少なかったでしょう。

どのような意図があれ、フォロイーがRTすれば発言を見なければTwitterにおいては、「癪に障る」ツイートを目にする機会が増えた言えます。

グローバル化を美化する言説もしくは書籍では、異文化に触れることで視野が広がる等々の意見がありますが、この言葉は正確ではありません。自分が許容できる異文化との接触は視野を広げますが、許容できない文化との接触は憎むべき対象が増えるだけです。
Twitterでの様々な議論が、マルチカルチャー性善説を打ち砕く場面はほとんどのTwitterユーザーが目の当たりにしていることと思いますが、フェミニストvs二次元アダルトコンテンツ勢の戦いはまさにそのものです。

前段で書きましたが、日本のフェミニズムは日本の性文化のあらゆる場面と密接に関係しています。にも関わらず、オタク的なものは全方位で否定し、攻撃し、貶めないと気が済まないというのは不思議な話です。
また、法曹に目を向ければ性的な被害に遭う女性を救済するという名目で活動している方々もいます。活動そのものは大いにやっていただきたいところなのですが、彼女たちもまた女性の救済と称し二次元コンテンツを目の敵にします。
例えば、冒頭でも述べたある弁護士はアキハバラと児童ポルノを関連づけて問題化し、国際機関に報告したと「手柄」を発表したことで物議をかもしだしました。

いわく、アキバにあふれているメイドや制服、アイドルというキーワードは男性の劣悪な児童性向を催すものだそうです。
また彼女たちは、実際に児童ポルノコンテンツが販売されている現場を押さえていると発言し、アキバの現状を知る人達に大量の疑問符をわかせました。

しかし、この発言はアキバを知るマイノリティ向けの発言ではありません。大多数のアキバを知らない人達、またアキバなんて知るわけがない海外の人々に向けられたメッセージです。相手は実情のだから、都合の良い話だけを吹き込めます。嘘はつかないまでも、事実の中で自分たちのアクティビティに「最適」な話だけを選んで伝えればいいだけです。

このような発言が続けば、アキバに集う人たちは児童ポルノ目当てであるかのような印象を持つでしょうし、少なからず性犯罪に手を染める可能性が高いと思うでしょう。

実際にエロスを売りとし、指摘されているような過激な性表現もある二次元コンテンツを片手に持ちつつ、「俺達は性犯罪なんかしない!」「児童ポルノってなんだよ!絵だよ!」と叫んでも虚空に吸い込まれていくだけです。
一般の人達にとっては実際、二次元アダルトコンテンツがいかがわしいものでしょうし、その認識は今後数百年かかっても変わりません。理解する必要がないからです。

日本のオタク文化は、官民一体で「クールジャパン」なるスローガンで輸出されようとするほどの盛り上がりを見せ、消費層も広がりました。
しかし、二次元コンテンツ市場は思ったほど大きくもありません。アダルト系となれば、さらに規模が縮まります。同好の趣味者に囲まれていれば世界の全てが二次元コンテンツを愛しているような錯覚を受けますが、一歩外に出れば、大半の人はガンプラすら買った事がないという現実に直面します。
そんなマイノリティコンテンツをわざわざ陽ノ下に引きずり出し「私はこんないかがわしいものを見つけました」と大声で叫んだあげく、理解されづらいものであることを良いことに、ありったけの犯罪性や侮蔑を添加しする。
騒ぎたい人達の都合で勝手に犯罪者予備軍にされ、いわれのない侮蔑を受けるアキバとオタクは、災害に見舞われたのと一緒です。災害と言っても完全に人災ではありますが。

批判の下地には「女性の性が男性に搾取されている」という彼女たちの被害妄想があるのは明確です。
彼女たちの多くは、性に対する選択権は女性が持つべきだと信じてやみません。一部の男性が二次元という、女性のパーミッションを必要としない世界は、彼女たちの考える性秩序から見れば許容できるものではありません。

そもそも、日本のフェミニズムは日本人男性、男性像に対する底の見えないヘイトが源流です。例えば海外に移住している女性論客が、現地の男性と比較し日本人男性を貶める発言を繰り返す様子は、Twitterなどでも頻繁に見かける光景です。
彼女たちの中で韓流ドラマが実際以上に評価されているのは、日本人男性に対する当てつけである面が強いのです。
なぜそこまでヘイトが高まったのか、その理由は各人それぞれでしょうからあえて追求しませんが、そのようなヘイトの向かう先に、「二次元の絵に欲情するバカな日本人男性」がいれば、それは盛大にぶっ叩くに決まっています。

 

■エロゲーは男性の歪んだ性欲がカタチとなったもの

先日、エロゲーは男性の現実の女性に対する復讐心や凌辱願望を見たし、支配したいという願望の表れであるという発言を目にしました。

エロゲーをプレイする男は何かしらリアルの女性に対する恨みを持っていると意訳できる内容ですが、恐ろしいくらいに決めつけているのでビックリです。発言者の側に、女性に恨みを持っているエロゲーユーザーが近くにいるのでしょうか?

実際、何らかの復讐心を持ってエロゲーをプレイしている人もいるでしょうし、嗜虐性が強い故に凌辱系・調教系のエロゲーが好きな人もいるでしょう。しかし、それらの欲望を現実に持ち出さず、ゲーム内と想像の中で完結させ消化しているのなら、なんら問題はないのではないでしょうか?

そのような変態性欲は、確かに変態ではありますが、価値観の一つであります。
また、本人もそのような変態性欲を持てあましてしまうことを悩んでいるかもしれません。
これが一昔前なら、より激しい批判に晒されていたはずですが、今は多様性が認められる時代です。SMすらカルチャーとして認められる時代にある中、創作物が変態的だからといって叩かれなければならない理由はありません。
むしろ、そのようなコンテンツのおかげで秘められた願望を消化し、表向き常識的な人間として生活ができているとしたら、それは良いことではないでしょうか?

エロゲーは男性の歪んだ性欲がカタチになったもの? だからどうした? と言う事です。

エロゲーや二次元コンテンツが性犯罪を抑制しているという大げさな事は言いませんが、個々人の秘められた性癖が発散できているなら価値はあります。
文化的に成熟した社会は、「欲」の消費に楽しみを求めるようになります。
例えば、完全栄養食のまずい食料よりは美味しい料理の方が幸福度はあがります。睡眠も、地べたに雑魚寝よりはホテルで使われているようなベッドのほうが幸福感を得られるでしょう。

性欲も同じです。戦争がない平和な社会だからこそ、生き残ること意外に脳みそが働き、様々なイマジネーションを生み出します。となれば、例えばエロゲーのような生きるのになんら必要のないものが隆興することは、平和な証拠だと言えます。

むしろ、それらの欲求が消化ができない事の方が問題です。

性欲や嗜虐心を消化できない事が、セクハラやパワハラを引き起こす原因にもなります。ある人は有りあまる性欲を部下にぶつけるでしょうし、ある人は凶暴性が突き抜けて部下を衆目下で罵倒するようなマネをするかもしれません。こっそりエロゲーを楽しむことと、誰かに欲求をぶつけてしまうことの、どちらが「まし」か。考えるまでもありません。

そもそも二次元コンテンツへのヘイトは、前章でも書いた通り日本人男性に対するヘイトの転化です。
エロゲーは男性の女性に対する復讐心とは言いますが、同様に彼女たちも男性に対する復讐を二次元コンテンツにぶつけていると言えるのです。近親憎悪でしょうか?

 

■現実と妄想を切り離せないのは批判者の方

エロゲーをはじめとする二次元コンテンツを批判するコンテクトとして見受けられるのは「現実と妄想を区別できなくなるユーザーが現れる」というものですが、大人になれば区別をつける程度の分別はほとんどの人に備わりますし、そもそもR18なので子供は買えません。

ゲーム脳なども含まれる「現実とゲームの区別がつかない」という批判は、同じく不理解から生じるものだと考えられます。
かつては映画やドラマも同様の批判をされ、常識や倫理への挑戦を拒まれてきました。存在がメジャーになればなるほど触れる人が増え、バッシングは強力化していきます。

コンテンツ批判は、一部のユーザーの意見、特に著名人や何らかの地位がある人の批判からはじまり、触れてもいない人達がそれに載ることで拡大化します。これは作品内容に関するものも倫理面のものもそれほど相違がありません。
ただし、作品批評は「実際に見た人」が行っているのに対し、倫理問題の場合、批判の発端となった人もろくにコンテンツに触っていない事も多くあります。結局は不理解のたまものだということですね。
概念的にコンテンツをとらえ、プレイもせずに問題を作り、詳細を知らずに批判を行うのはまるで独り相撲のようです。当然、同意する人も、実際にコンテンツに触れたことがない、という批判の前提条件すらない状態で平然と罵倒を繰り返します。それに矛盾や疑問を持たないのは、批判者の「常識」が世間的に平準なものであると自分たちが信じているからです。常識という説明不要の前提があるとするならば、確かにコンテンツに触れてなかろうが批判ができます。犯罪が文学や法曹の世界以外では問答無用で悪とされるのと同じ理屈です。

しかし、です。

批判者の理屈を並べてみると、実は批判者自身が「現実と妄想を区別できない」ことを「常識」としているのが分かります。

どういうことかと言えば、区別できないのは、実は批判者の方だ、ということです。

実際にゲームやエロゲーを遊んでいるユーザーは、当然のようにこの現実と妄想を区別しています。実際、ゲームとリアルを混同して犯罪行為に及んだという事例は、ゼロではありませんが問題視されるほど多いわけではありません。仮に混同したとしても、やくざ映画を見て肩で風切って歩き出す程度のレベルです。見逃しても問題ない程度の感化といえるでしょう。

大多数の人間がゲームを息抜きとして現実社会で理性を保つ中で、「影響される可能性はゼロではない」という理屈だけで激しく批判をするのは、インディアンを根絶やしにすべく女子供まで皆殺しをするのと同様の事で、多様性が認められる先進国の「価値観」から言えば時代遅れも甚だしい行為だと言えます。

単に、そのコンテンツが認められない、気持ちが悪いというなら問題はありません。「嫌い」と言う事が権利は誰にでもあります。不愉快だから見せないでくれ、と言うのも正当な要求ですし、もちろんイヤなものならプレイする必要もありません。どんどん嫌ってください。
しかし、それとユーザーを犯罪者のように言うこと、思い込みから見当違いのレッテルを貼ること、知らない人達に悪評を広めることはまた別の事ですし、よく知りもしないモノを印象だけで悪いものと決めつけるのは、エロゲーや二次元コンテンツを批判するフェミニスト達が長年戦ってきた女性に対する迷信や思い込みが生まれた経緯と何ら変わるものではありません。

文化の発達は寛容と共にあります。

そのことを重々承知いただいた上で、より建設的な理解が進むことを願っています。


これを書いている本日(3/1)、エロゲーの老舗であり一時代を築いた「エルフ」のホームページが閉鎖されました。

エロゲー事情をご存じない方は勘違いされているかもしれませんが、エロゲーで大きく儲けることができる時代はとっくに終わっています。エロい絵を出せば儲かるんでしょ、という単純な市場ではないのです。結局はマイノリティですし、マイノリティだからこそ許されるものがあり、制作者もユーザーもそれを楽しんでいるだけのささやかな世界です。

それが今クールジャパンと呼ばれるものを揺籃してきたのも事実です。思い込みだけで批判せずに、静かに見守っていただきたいと思うのです。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

コメントをどうぞ

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。