【グラブル】ハレゼナ問題に見る運営の雑さ


granblue193

大人気声優「上坂すみれ」を投入、満を持して実装されたキャラクター「ハレゼナ」。

「毎ターン攻撃力UP」という破格の性能を誇り、キャラクターボイスの上坂すみれの人気もあってガチャを回しまくるユーザーが大量発生。しかし、実装時でも「強すぎるのではないか?」という疑問の声があがっていました。

その、悪い予感は的中してしまいました。やはり「強すぎた(運営いわく、設定のミス)」ことにより、ガチャ実装直後に修正メンテナンスに入るという事態となりました。

先年末から続くグラブル運営の雑さ加減はいまだもって解決していないようです。いい加減、組織の体制や何かを大きく変えるべきとは思うのですが、運営側からは特に改善したようなアナウンスもなく、決まりきった儀式のように詫び石を配り続けるだけです。消費者庁ににらまれつつあるのに、こんなことで大丈夫なのでしょうか??

さて、この問題は、背反する2つの大きな問題を孕んでいると言えます。本問題に限った話ではないのですが、今回のガチャ後のメンテナンスの対応は、ここ最近のグラブル運営のスタンスをはかるのに、分かりやすいサンプルになったかのように思います。

 

■返金ではなくゲーム内通貨による「返品

アンチラ問題でも「不安を抱かせた」という理由で宝晶石を全ユーザーに配ったほか、該当ガチャを回したユーザーには使用した石数、使用した現金分に相当する、いわゆる詫び石を配りました。ガチャチケの場合は、使用分のチケットの返却です。

弊サイトを含む各所で再三指摘されていることですが、詫び石はどこまで言っても詫び石、すなわちゲーム内通貨、もしくはガチャを使うためのトークンにすぎません。広告等で大規模に募集をかけ、売りあげた不良商品…つまりガチャの排出率やキャラクター設定に間違いがあった件に対する補償としては疑問が生じます。

実際のお店でも不良品を掴まされた場合は、正常な商品と交換となります。しかし、商品そのものに問題があった場合などは、基本は現金を返す「返品」という措置がとられます。

アンチラ問題では実際の排出率とは違った(と思われる)ガチャが問題となり、ベアトリクスはガチャの商品説明と実際の性能が違うことがアナウンスされて祭りとなり、ハレゼナでは運営の設定ミスによって当初の性能から弱体するという事態となっています。排出率や性能といった違いはありますが、共通しているのはガチャの説明に間違いがあったということです。

ソシャゲのガチャは、個別の商品(ガチャや当たりのキャラクター)それぞれに性能表示をした上で販売しているわけですから、販売時の説明と異なる場合は詐欺云々言う前に欠陥商品ということになります。本来返金処理されるべきですが、これらに対してグラブル運営は現金ではなく宝晶石での補填で済ましています。

当然ですが、ゲーム内通貨(宝晶石)は運営が制限なく発行できるものであり、実際には金銭的な価値を持ちません。売価は1円=宝晶石1個となっていますが、お詫びでバンバン発行しているのを見ても分かる通り、実際の価値はあやふやです。

よって、使用した金額分の宝晶石と言っても、実際には等価ではありません。また宝晶石の発行に際し、運営は金銭的な負担を被ることはありません。宝晶石を発行することによって商品販売の機会損失は受けるでしょうが、ガチャを返金しない限り売上は入ったままなので、実は痛くも痒くもありません。

つまり、実際には不良商品を売りつけて返金していない、という事になります。

定額制のオンラインゲームや、商品の効果に運の要素が絡まないパワーアップアイテム等の販売のみなら、今回のような下方修正も許されるでしょうが、それぞれのアイテムごとに販売している場合は、その商品目当てに課金しているのだから、勝手に性能さげたらダメですよ。

 

■石配布による上位課金者への「優遇」

先の指摘とは逆の話になります。

課金補填の詫び石配布の際、ガチャを回したユーザーの「ガチャ実績」も修正されません。
目当ての商品が出なくても、また目当ての商品が表示された性能と違っていたとしても、ガチャをまわして商品を得たことに変わりはありません。そうして得られたアイテムは、詫び石補填を受けた後もユーザーの手元に残されたり、または強化素材として使用されるなど、アイテムの現状に関わらずユーザーのものとなったままです。

下方修正があったとはいえ、運良くハレゼナをゲットした人は、それまでかけた金額分、再度ガチャが回せる事になりますし、出なかった人も同額のガチャを再度回せるわけです。ガチャ機会という面に絞れば、同額で2倍のガチャを回せるのですから「得」をしたと言えます。例えば任意のキャラが貰える300回(9万円)まで回したユーザーは、再度300回ガチャを回せるわけですから、次回のガチャイベント時にもう一度任意のキャラが貰えてしまいます。

これは極端な例ですが、「こんな事ならガチャまわしておけばよかった」と思う「回していなかった」ユーザーも現れるでしょうし、貯めていたガチャチケを使っておけば良かったと思う人もいるかもしれません。

さらに問題なのは、高額課金をしている人ほど補填額が大きい=ガチャの機会が膨大に増えるということです。
回数的には単に二倍になっているだけなのですが、10回が20回になるのと300回が600回になるのでは大違いです。投入額が単純に倍になるなら、こんなおいしい「賭け」はないわけですから。参加できなかった人の不満も分かります。

しかし、ガチャを回した方としてはウソの性能表示を信用してガチャを回してしまったという事情もあるわけで、ついでに現金ではなく宝晶石での補填という、結局ゲームでしか使えない、しかも使用範囲が限定された仮想通貨での返品という方法なので得しているとは思いがたい部分もあるでしょう。

ベストな解決方法はガチャ結果を無効にし、全額返金することでしょうが、ユーザーデーターのロールバックや良いアイテムが出たガチャ結果が無効化されることによるユーザー感情の悪化を考えると、やれるわけがありません。それが返金できない理由とされるとかなり疑問を感じますが。

もっとも、そもそも詫び石で補填しないといけない事態にならなければ、このような事態にはならなかったわけです。それが今年に入って3ヶ月目で2回も起きていることこそ異常です。

 

■グラブル運営はますます「詫び石」頼りになっている

もともと詫び石は、このようなガチャに対する補填で使われるような「お詫び」の手段ではありませんでした。サーバー側の問題や機器故障等でアクセスがしづらい等、ユーザーにプレイ機会の損失を与えた場合に、ささやかに配られるものでした。

このようなアクセス障害以外でのガチャそのものの問題、商品の瑕疵については返金措置がされていました。

しかし立て続けにグラブルはガチャがらみで問題を起こし、詫び石による補填という事態を引き起こしました。

今回の件で、これまでもほのかに見えていた「詫び石を出せば許される」という運営の態度が一層強まったように感じます。それは同時に、運営側の真剣さを疑うものであり、今後ますますこの姿勢が強まるのではないかという懸念が生じます。

結果的に、アンチラの件は、運営にあまり薬になっていなかったようです。グラブルユーザーどころかソシャゲ業界、果ては一般の新聞やテレビにまで取り上げられるような大問題となったにも関わらず、「同額の詫び石で許される」というダメな経験則を与えただけで、慎重な運営やキャラクターバランスの確認、各種デバッグといった運営側の細やかで慎重な姿勢を促す事はできなかったようです。

このまま詫び石を出すことが癖になってしまったら、最悪モラルハザードに発展する事態になりかねないわけですが、そのあたりを運営はどこまで認識しているのか。どんな問題でも詫び石で乗り切れると思われたら、ユーザー側もたまったものではありません。

まるで悪評を覆すように朝日新聞には登場キャラクターと各界著名人からの寄せ書きを配した派手な一面広告を出稿し、糾弾などどこ吹く風で、相変わらずTVCMもバンバン流しています。ファミ通をはじめとしたゲーム雑誌も好意的な記事を掲載しています。実際に人気もあり、売れているソシャゲだからこそでしょうが、それならなおさら、ガチャ同額詫び石を頻出するような雑な運営はしないでほしいところです。

派手なCMを打つ前に、やるべきことがあるのではないでしょうか? そう思わずにはいられません。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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