【閲覧注意】まるでポルノ小説。ホンモノの変態監禁はオタク以外の手で行われる。


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埼玉少女誘拐監禁事件の捜査が進み、容疑者の動機や監禁状態におかれた少女の2年間の生活が明らかになりつつあります。

同居していた部屋も少女が逃げられないよう、また内部の状況が見られないような「配慮」がされていたこと、物理的な監禁状態に加え、少女に様々な脅しをかけて精神的にも鍵をかけ続けていたようです。

また、容疑者には元々少女を監禁したいという願望があり、他の少女を狙ってストーキングしていた、ずっと拘束したいと思っていたなど、容疑者本人に元より監禁を犯す資質が十分あったことも取り調べによって明らかになっています。

一方で、初報が「容疑者はアニメオタク」と印象づけしようとする露骨な姿勢が問題となり、ネットを中心にマスコミと報道姿勢にバッシングが巻き起こりました。

結果、犯人はアニオタであるという内容のニュースは激減して今日に至ります。バッシングされたから報道姿勢を変えるってなんにせよジャーナリズムの衰退を印象づけるような話です。
偏見をまき散らすよりはずっとマシですが、ならば最初からデリケートな報道を心がけてほしかったものです。
初報なのでどうしても内容がピーキーになってしまうのは仕方ない面もありますが、発見地よりも「秋葉原」という地名にフォーカスするなど、すこしやり過ぎな部分が感じられました。

オタクという人種が犯罪者のプロパティとして適しているのは、マイノリティであり、理解されがたく、地位が低く見られがちだからです。またオタクは病的な変態であり、性的異常者だから犯罪を起こしてもおかしくはないという偏見がはびこっています。

実際、変態的な二次元エロコンテンツを好むオタクもいるので、いわれがない話ではありません。
しかし、変態なのは二次元コンテンツを愛好しているからではありません。むしろエロマンガ、美少女ゲームが生まれる前からサディズム、マゾヒズム、スカトロなどの変態性欲はテキストコンテンツとして存在し、その第一人者である団鬼六は、晩年には文化人として一定の地位を得ました。

異常性欲は育成環境下での体験を通して生じることがほとんどなので、二次元の変態的コンテンツを見ることで変態性欲に目覚めるのはありうることです。しかし、当然二次元の影響以外で発現することも少なくはありません。

団鬼六を始めとするポルノ小説や二次元コンテンツが原因で変態性欲に目覚めたとしても、だいたい二次元コンテンツ、もしくは妄想の中で消化され、現実には社会性が願望を阻み、害のない生活をしている人達がほとんどです。それ以外で変態性欲に目覚めた人も、今はセクシービデオという便利なツールがあります。社会的地位の逸失や刑事罰を考えると、願望を実行に移すことはリスクに対して性欲を満たす以外の利点がなく、社会性の欠落でもなければ本当にやろうと普通は考えません。

しかし、オタクはその社会性が欠乏していると思われているので、現実と妄想の区別がつかず犯罪を起こすに違いないと思われてしまいがちです。そういう人がいるのは事実ですがあくまで部分集合にすぎず、また変態的な監禁事件を起こすのはオタクだけではありません。「犯罪者」はあくまで犯罪者であり、オタクか非オタかは関係ないはずです。

以下にあげる事件は、どれも変質的監禁事件ではありませんが、内容に極めて変質的なものを含むみます。これらの事件の犯罪者は、もちろんオタクではありません。

オタクでなくても、オタクでもやらない変態監禁をやるという話です。
内容が過激なので、18歳未満のよい子はテラフォーマーズ「最強生物決戦」展の記事を読みましょう。

 

■北九州監禁殺人事件

犯人により家族が監禁支配され、家族同士が殺しあわされるハメに陥ったという凶悪な事件です。また、同一の犯人による他の殺人事件も、同事件に密接に関係があるため、この事件のうちに含まれる場合があります。

この事件は犯人X(以下X)による虐待と拷問、マインドコントロールが大きな特徴で、暴力と暴言によって心身共に破壊された人達が、Xの奴隷のようになり、人間以下の生活をさせられたというところにあります。

詳細はWikipediaを参考にしてください。記事ではこの事件の「変態性」についてフォーカスするので、事件の内容についてはオミットします。

まずこのXは、元より嗜虐性の強い性格であり、妻や部下など、自分よりも低い立場の人間を暴力と暴言で支配し、言いなりにすることを好みました。その時に頻繁に使われたのが、コンセントに直結したコードにワニグチクリップつけたものを使い、拷問対象に接続して電流を流す「通電」です。

犯人X「以下X」は内縁関係にあった女性Yと共に監禁状態にあった少女Aの父Bの弱みを握って強請り、金を巻き上げた後はマンション内で虐待。BをYとAに殺させました。その際Bに対してXは食事と排泄の自由を奪い、さらに本人が恥として隠していたかつらを奪い、おむつをつけさせて生活させていたようです。
娘の前で、娘以下どころか人間以下の生活を強いられ、Xの機嫌を損ねると通電を受けるという目にあわされていました。通電時にできたかさぶたを本人に食わせ、また、大便をもらした場合は床に落ちた自分の大便を娘の前で食べさせるなど、ものすごいド変態な調教系美少女ゲームにしか出てこない虐待をしていたそうです。

Bが死亡するとYとAに死体を処理させ、XとYは、Yの実家に転がり込みます。ここで、Yの実両親、妹とその夫、そして妹夫婦の子供二人がXの支配下に置かれることになります。

Bの時同様、食事と排泄の自由を奪った上、家族内にヒエラルキーを形成するため、下のヒエラルキーになると衣服も奪われ、Xの楽しみのために通電を受けるという事が頻繁に起きたようです。

Xは性行為が好きで、女性を暴力的に支配することを好んだようです。Xはイケメンで話術が巧みであり、女性を堕とすのが得意だったようです。しかし、どの女性もいわゆるDVの果てに逃亡、もしくは殺害され、
Yの母とは事件前に強姦同様にラブホテルで犯され、Yの妹、つまりXの義妹はXの子供を妊娠してしまいました。なお、XはYの義妹との性行為を義妹の夫の前で行うことを好み、夫は性器に通電されながらXに犯される自分の妻を見てないといけなかったようです。圧倒的変態力ですね。セクシービデオでしか見た事ないよそんなの。

Xは男性器だけでなく女性器に対する通電も頻繁に行い、さらにヒエラルキー下になった女性については、パンティ一枚と乳首にガムテープという姿で生活させることを好んだそうです。どんなエロゲーだよ。
Xに抱かれることによってヒエラルキーが上がるような仕組みだったため、女性達はXとの性行為をせがむようになり、Yの父やYの義弟は男性としての立場を失っていきます。

他にもいろいろあるのですが、これ以上はちょっと書けないので、知りたい方は下記の本をお読み下さい。
今回の記事も、本書を参考にしています。

 

■尼崎事件

「サザエさんを参考にすると分かりやすい」で話題になった、複雑な家系と多くの被害者を出した、記憶も新しい事件です。
この事件発生時、北九州監禁事件が想起された人も多く、その過度な虐待や残虐な方法が話題となりました。

こちらについても事件の「変態性」についてフォーカスするので、事件の内容についてはオミットします。詳細はWikipedia他、他の情報サイトを参考にしてください。

こちらは通電ではなく、主犯Kの取り巻き、「金髪デブ軍団」と呼ばれた男達による物理的な暴力と、家に居座り「家族会議」と称するマインドコントロールと生活制限で支配を強めていきました。

Kも北九州監禁事件のX同様、被害者の食事と排泄を制限。生理欲求の制限は人間を支配する基本です。また、子供に親を殴らせるなどさせて家庭のヒエラルキーを破壊し、家族を離散させるやり方も似ています。

そして、変態性も似ています。ただし、Kの場合はXのような性的サディストではなく、自分を頂点としたヒエラルキー形成のために「人間の尊厳を奪う」ために虐待を行っています。ただ、サディストでなかったとしても、Kの虐待には劣等感とそれを解消するために自分よりも優れているものに対して「強烈な破壊衝動」を持つという特徴があります。

乗っ取った家庭の両親を裸で生活させる、妻を裸にさせて庭やポーチ、場合によっては公園などで晒し者にするという事をやったそうです。また虐待を受けて傷だらけになった妻をわざと外に連れ出し「ゾンビみたいだ」と辱めたりしていたそうです。
この妻は近所でも上品な奥様として評判だったそうですが、だからこそ徹底的に辱めてやろうと考えたのでしょう。猿ぐつわを噛ませて卑猥な格好にさせたり、飢餓状態においてわざと逃亡させ、近所の人に食料をせがみに行かせたりさせたようです。

また、全裸の夫に同じく全裸の妻を背負わせ、近隣に借金をさせにいくなど、変態的虐待は止まりません。

また、同じ事をこの家の娘二人にも行いました。裸で商店街をランニングさせたり、同じく裸で金策させたり。特に容姿が整い、イギリスへの留学経験のある姉は冷遇され、代わりにいまいちな妹の方は可愛がられたようです。

なお、この姉妹は「家族」として連れ回され、尼崎市内のマンションではベランダに置かれた犬小屋に全裸でつながれての生活が強要され、そのまま衰弱死したようです。金髪デブ軍団の一人が法定で証言したところ、洗濯ばさみをつかって虐待する、食事や排泄の制限はもちろん、大便をギリギリまで我慢させて笑いものにするなどしていたようです。トイレさえつかわせず、全裸(もしくは薄着)におむつという姿で犬小屋につながれ、
さらに死亡時の写真では、殴打やたばこの押しつけ、原型を止めないほど顔を破壊されて生き残った父親が慟哭したというニュースもありました。

次に餌食となった家も同様で、被害者の妻とその姉が変質的な虐待を受けたと裁判で証言されていました(二人とも生存しているため詳細は書きません)。

これ強制された変態行為はカメラで静止画や動画に撮影され、それがまた脅しのタネになっていたそうです。そんなの、フランス書院文庫の本でしか読んだことありませんが、リアルやってしまう人がいるのが恐ろしい話です。

詳細はこちらのルポタージュをご参考に。

 

■これらの事件は変態目的の事件ではない

さて、凄惨な変態行為が目立つ両事件ですが、どちらも変態行為が目的の監禁ではありません。明確に「金銭」という目的があり、獲物となった家族から金銭をせしめるために奴隷化し、その過程で様々な変態行為を強制していきました。

元々その性癖がない人に変態行為を強いるのは大きな屈辱感を与え、同時に人格を破壊します。特に子供の前で親に「浅ましい行為」をさせることで、子供の親への敬愛や信頼を破壊することができることを、両者はよく知っていたようです。そのため、親を攻撃するのに子供を使うのは、常套手段でした。家庭秩序を破壊するのは子の親に対する暴力だと熟知していたのです。
つまり、北九州監禁事件のXも尼崎事件のKも、「支配の道具」として変態行為を用いたわけです。

それに比べればオタクの妄想なんて可愛いものです。どんなに変態行為に興奮しようが、相手は架空の女性ですし、人格も人権も侵害しません。誰も死にません。

言うまでもありませんが、XもKもオタクではありません。
Xは若年から筋入りのサディストで、女性を虐待するに躊躇しない性格でした。その嗜虐性が事件をより凄惨なものにしていったのは間違いありません。
Kのコンプレックスの強さも同様でしょう。自分よりも美しい、恵まれた女性を壊したくてしかたない願望が、特に髙松の一家の妻、長女、そして次の家族の妻への虐待につながりました。
彼らのサディズムやコンプレックスは、当然コンテンツを源泉としません。育成環境によって形成されたものです。マスコミは二次元コンテンツの影響をやたらとバッシングしますが、本当に変態サイコの増加を防ぎたいなら、XやKの育成環境を徹底的に調査し、なぜ彼がこのような性格になったのかを調べるべきではないでしょうか?

先にあげたルポタージュはこのあたりによく迫っています。しかし、読むだけで胸くそ悪くなるこのルポタージュを「わざわざ」手にする人間は、犯罪心理に興味がある人や事件の真相を知りたいという、能動的な動機を持つ人達です。つまり、犯罪を冷静に分析する能力がある人達であって、大衆ではありません。

しかし、マスコミはあまりこれらの事件について積極的にとりあげません。

 

■それでもラベリングがやめられないマスコミ

この二つの事件がマスコミによって取り上げられないのは、内容が凄惨すぎるためではありません。理由は三つほど考えられます。

一つは事件が複雑すぎて説明が難しいこと。
単なる殺人事件なら「金銭目的に殺害した」「乱暴目的で進入したが、女性が暴れたため殺害」と、比較的簡単な文章で動機と結果が説明ができます。しかし上記二つについては、目的は「金銭」という一言で説明できますが、結果が「殺害」の一言で説明しきれません。
マスコミには、「紙面」「放送時間」という制限があり、その中で読者、視聴者に伝えきれる内容でないと取り扱いが難しくなります。
また、マスコミは公共機関ではなく私企業です。リソースに対して金銭的な効果が必要なわけで、そうなると簡単にまとめられない複雑な問題はとりあげづらくなります。

二つ目は、家族内での人殺しとなったこと。
これは事件が悲惨な内容になったためではなく、家族内での問題であるので、内容を聞いて心が痛むまでも、マスコミが望む「社会悪」になりきれないためです。

当然主犯格のXとKには激しい憎悪が生まれますが、加害者であり被害者である「家族」たちには、どういう感情を持っていいのか分からなくなります。

なので、「犯人は悪い奴だ!」と大声で叫ぶことでニュースバリューを作る日本のマスコミには扱いきれないのです。

三つ目は犯人が類型化しづらいこと。
マスコミはなるべく、犯人像を分かりやすい悪者にしたいのです。なぜなら二つ目の理由と同じく、世論が盛り上がらないとニュースバリューが作れないからです。

そのため、犯罪者がどこにでもいるおばさんでは困るし、ただの零細企業の社長でも困るのです。もっと分かりやすく「犯罪」と密接したプロパティがほしいのです。なにもなければ、も「あんな事をするような人(子)ではなかった」と意外性をウリにする。
なお、これがオタクなどネガティブイメージのある人種になると、「子供の頃から動物を虐待していた」「いつかこのような事件を起こすと思っていた」に変わります。

容疑者に対し、マスコミは「いかにも」というラベルが欲しいのです。

犯罪者のラベリングは、犯罪と犯罪者を説明しやすく、読者に食いつかせるために行っているものです。
大企業の社長や社員、公務員、政治家、資産家など庶民のルサンチマンを向けやすい人々、オタクや風俗関係といった、あまり社会的な理解を得づらい職業などが、そのラベリングの「餌食」となります。

このようなラベリングは世論を動かしやすくなるというメリットもあります。世論が盛り上がればニュースバリューも生まれ、マスコミの利益になります。
同時に、ニュースバリューを生みづらい、ラベリングがしずらい事件は、その事件が重大であってもあまりマスコミは積極的に取り上げません。お金にならないからです。

上記記事内でご紹介した二冊のルポタージュも、マスコミ(出版者)主導ではなく、ノンフィクションライターが取材したものです。

センセーショナルな事件ではありましたが、日本のマスコミのレベルでは、扱いきれなかった(マネタイズできなかった)というのが事実です。ジャーナリズムさえアウトソーシングして、日本のマスコミはどこに行くつもりでしょうね?

 

■ただし、過度のオタク擁護も問題

朝霞女子誘拐監禁事件の報道に話を戻しましょう。

今回の事件報道で、日本のマスコミはラベリングしやすい「政治家」「大企業」「オタク」を殴りつけるようなビジネスしかできなくなったという姿をまざまざと見せてくれました。

同時に、ネット内の批判を浴びると、易々と「オタク」要素を排除した報道に切り替えました。

これはこれで問題です。報道姿勢に信念が感じられません。

当然ですが、容疑者が本当にオタクであったなら、「容疑者はオタク」と書いても問題はありません。部屋にアニメキャラのタペストリーがかかり、棚にフィギュアが多数飾られ、犯行動機も美少女ゲームに影響されたというのなら、それは「オタクによる犯罪」と書くべきです。ネットのオタクたちも同調して批判するに決まっています。自分たちの名誉がかかっているのだから、ビジネスで書き散らしているマスコミとは真剣度が違います。

今回の問題が叩かれた理由は、初動の次点で「犯人はオタク」という類型化を行ったことです。
根拠もなくアニメ好き、秋葉原というワードにフォーカスした報道を展開したから炎上したのであって、オタクを扱ったから炎上したわけではありません。

逆にマスコミが「オタクの事件を扱うと炎上するからノータッチ」となるのは問題です。現在でも差別問題等々で扱いが大変デリケートになってしまったものがたくさんありますが、オタクをその仲間に入れてはいけません。

悪い事は悪いと書く姿勢は大切です。それこそがジャーナリズムです。
その基本さえできず、ラベルを貼ったサンドバッグを叩き叩かせているだけに過ぎないから批判されるのです。

元マスコミ志望だった団長としては、そのあたりもう一度考え直して、公正な報道ができるようになってほしいと願っています。

(文/団長)


団長

「てらどらいぶ」管理人。 ゲーム開発のディレクター、動画配信サイト管理人のプロデューサーなどを歴任。 心のゲームは「ウィザードリィ」と「ザナドゥ」。ドラクエとFFならドラクエ派。

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