誰にでもできる、ホントの支援


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14日夜から始まった、熊本を中心とした九州の大地震。17日深夜現在も余震が続き、九州各地に被害を広げつつあります。

さらに17日1:46には豪雨が降る可能性もあるとのことで、17自治体24万人に避難勧告が出されました。

現地の状況は予断が許さない状況が続いています。被災者も心配でしょうが、他地域に住んでいる私達、特に2011年の東日本大震災を経験した東北、関東の人達も気が気ではないかもしれません。

少しでも被災者の力になりたい。そんな気持ちが高まる中、SNSを中心に早くも支援やボランティアに動き出している人達、NPOも登場しました。

ちょ、ちょっと待って!!!

熊本県社会福祉協議会では、現在人命救助を優先するため、ボランティアの受け入れを控えてもらえるよう強くお勧めしています。

要するに、来るな、ということです。

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ボランティア活動をお考えの方へ
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4月16日(木)1時25分頃、熊本県熊本地方を震源とする
マグニチュード7.3により熊本県内の広い範囲で震度6強を観測しました。
また熊本県阿蘇地方を震源とする震度6強の地震が発生しました。
現在も強い余震が相次いで発生しています。

熊本市や益城町では本日16日の未明に発生した震度6強の地震、それ以降の余震により家屋倒壊などの被害が拡大しています。
南阿蘇村では大規模な土砂崩れが発生し、また多くの家屋で倒壊などの被害が発生し、道路の陥没も多数発生し、阿蘇大橋にも亀裂が生じており崩落したとの情報もあります。
阿蘇郡西原村では地震により大切畑ダムの堤防から水があふれたため鳥子川流域の約300世帯に避難指示を発令しています。

今後、被災地では更なる余震により、被害拡大や倒壊家屋等による二次被害が起こる可能性が指摘されています。
また本日夜から明日にかけ九州地方では強い雨が予想されており、がけ崩れや土砂崩れが発生しやすくなる危険性があります。

現在、被災地では倒壊した家屋に取り残された住民の人命救助が行われており、緊急支援車両の道路確保が重要となっています。

このような状況から、現在被災地ではボランティア活動の受け入れや活動が非常に困難な状況にあります。
ご自身の身の安全や被災地の救命活動を最優先にお考えいただき、現時点でのボランティア活動は控えていただくことを、強くお勧めします。

余震も続く中、二次災害が発生してしまう可能性もなきにしもあらず。助けにいったつもりが、自分も被災者の仲間入りになったらシャレになりません。

ただでさえギリギリの人員で救助活動が続く中、新たな被災者になっては、なんのための人助けか分からなくなります。

また、支援物資についても、熊本県では「制限」をかけています。

平成28年熊本地震災害に伴う救援物資の受入れについて

熊本地震の災害に伴い、現在支援物資のご提供について多数の問合わせをいただいており、感謝申し上げます。
現在、同じ種類で大量の物資を必要としていることや、保管スペースの問題から、
1)ある程度まとまった量であること(例:非常食500食等)
2)熊本県内の指定する施設までトラック等で輸送いただくこと

の2点の条件を満たすご提供を優先的に、受け入れております。
なお、冷蔵品等、保管に配慮が必要なものの受入れは困難な状況です。

九州での物流寸断やそれに伴う物資不足が深刻化する中ですが、小口の救援物資送付や自走による救援物資輸送は、ただでさえ細くなっているトラフィックを妨害することになりかねません。

ボランティアも物資の支援も、全ては「善意」から生まれるものだとは思いますが、全ての善意が必ずしもプラスに働くとは限りません。

「明日やろうは、バカ野郎」という言葉がありますが、本震災におけるボランティアと救援物資については、「明日やろう」で十分です。親切が余計なお世話どころか、かえって被災地にダメージ与えてしまう可能性があることを、まずは冷静になってとらえてほしいです。

 

■善意につけこむ不正NPO法人にも注意

また、このような災害時には不審なNPO法人がうごめく土壌であることも忘れないでください。
すでにSNSでは胡散臭い動きをする団体が登場し、実態とそぐわない支援の要請や募金の呼びかけなどをはじめており、一部で問題となりつつあります。

NPO法人による不正行為といえば、2012年に発覚した「大雪りばぁねっと。」不明朗会計問題も記憶に新しいところです。

大雪りばぁねっと。(Wikipedia)

岩手県山田町から、2011年3月11日に発生した東日本大震災で避難した被災者の雇用創出事業を委託されたが、後に不明朗な会計が明らかになり、旭川市、岩手県、山田町を巻き込んで問題となっている。報道によって、「旭川NPO不明朗会計問題」、「大雪りばぁねっと。問題」などと呼ばれている。

「大雪りばぁねっと。」は被災地(山田町)の雇用創出を委託されたNPOでしたが、「復興支援」「遺体捜索」「防犯パトロール」などの名目で揚陸可能なエアボートや高級トレーラー、潜水用具などの過剰な装備を購入。山田町からの委託金約8億円を一年もたたずに使い切り、従業員への給料が支払えず全員を解雇。翌年破産手続きを開始して逃げ切ろうとした事件です。

なお、NPO法人は「非営利団体」と訳されますが、実際には利益を出すことも可能です。当然ですが、事業を進める上で必要な経費、従業員への給料などの原資は、活動を通して確保しなければなりません。会社などの営利団体とは違い、利益の再分配を行わない団体がNPO法人といいます。そのため、非営利といいながらも企業のマーケティングのために立ち上げられたものや、実際に公益活動を行わない悪徳NPOもあります。先にあげた「大雪りばぁねっと。」はその一例です。

当然、悪徳NPOはごく一部です。現在の東北の被災地で活動を継続しているNPO団体などは、善意のボランティアで活動しているところがほとんどでしょう。

しかし、デマと同様に、全ての善意が本当の善意とは限らないということです。そしてデマ同様、このような詐欺師はSNSを活用して人々の善意に訴えかけます。そして善意を踏みにじります。

反射的に支援を決める前に、呼びかけ人の実績や所属している団体の過去(例えば東北地方での活動等)を吟味した上で、支援する団体を決めたいところです。

さもないと、被災地のためにと送ったお金が、詐欺師の懐に入ることになります。

事態が収拾した後、政府や自治体、日本赤十字社などが基金を立ち上げます。それに伴い、実績のあるNPO法人がボランティアとして被災地に入りはじめます。
寄付はそれからでも遅くはありません。地震の被害による凄惨な映像がテレビで飛び交う中、助けたいという気持ちがはやるのは当然のこととは思いますが、まずは気持ちを落ち着けて、今の自分たちができる本当の支援とはなにか、考えたいところです。

 

■誰でもすぐにできる「消費」という支援

東日本大震災では、地震による甚大な被害と、その後の自粛ムードにより、日本経済が沈静化してしまいました。
特に生活と直接の関係性をもたない娯楽系ビジネスは、震災とその影響による消費の冷え込みの直撃を受けてしまいました。

特に東日本大震災は、2009年のリーマンショックとそれに伴う世界恐慌のあおりを受け、日本でも景気低迷、失業率上昇という経済の病に苦しんでいた最中での出来事でした。厳しい経済状況の中、震災による自粛ムードは、多くの会社にトドメを刺す結果にもなりました。地震と津波は被災地を襲いましたが、震災後の景気低迷は日本中を襲ったのです。

その教訓を生かすには、震災後の景気低迷を避けるべく、積極的に消費活動を行うしかありません。

被災地の人々がつらい生活を送る中、暢気に贅沢するなんて…と思うでしょうが、遊びや買い物を自粛しても、被災地の状況は良くならないばかりか、企業活動を鈍らせてまた不況に苦しむ事態を生み出すだけです。
なにより、買い控えによる景気低迷は、いずれ復興する被災地の経済回復の妨げになり、いつまでも暗い影を残し続ける結果となります。そのような状況を打開するためにも、無駄遣いをするべきです。

なかなか踏ん切りがつかなかったあれこれを「日本経済のためだから」「震災復興のためだから」と大義名分をつけて買えるチャンスです。ちょっとお高いお肉を買ってみたり、GWに旅行を計画したり、思い切ってソシャゲの課金したりと、ささやかな楽しみにお金をつぎこむのもいいでしょう。被災地の特産品、被災地企業の商品を買うとなお効果的ですが、震災で沈もうとする日本経済を買い支えるのが目的なので、被災地のものに限る必要もありません、

大災害の後だからこそ、贅沢してください。楽しんで下さい。そして日本を明るくしてください。それがやがて、被災地のためになるのですから。私も思いきって、欲しかったゲームを買います!

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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