【連載・Xbox360】さようなら、私の愛したXbo360


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4/20。マイクロソフトがXbox360の生産中止を発表しました。
日本国内ではXbox Oneへの更新もいまだ遅々として進まず、初代Xboxからずっとマイノリティハードとして歩み続けたわけですが、国外ではそこそこ売れていたようで、特に本場であるアメリカでは人気のあるハードでした。

Xbox360用のソフトの供給も減り、Xbox Oneへの移行を進めたいマイクロソフトの意向もあるのでしょうが、Xbox360を二台持っている、そこそこXbox360大好きだった私にとっては、ちょっとショックです。

今回はそんなサヨナラ宣言したXbox360の歴史を、個人的に振り返ってみようかと思います。

 

■偏見で語るXbox360の歴史

「あのデッドオアアライブの新作が遊べる!」と、Xboxユーザーを熱狂させて始まったXbox360の歴史は、ある意味そのスタート時からマニアックな展開を予想させるに十分な出だしだったように思います。そもそも前代のXbox自体が日本ではマイナーなハードであり、前世代で勇退していったSEGAハードのニッチを埋めるような存在になりつつありました。

しかし、キャラクターデザインに鳥山明、プロデューサーはFFシリーズの坂口博信という豪華布陣の「ブルードラゴン」がヒット。テレビアニメ化され、ここにきてようやくメジャーハードへの道を歩み始めたわけですが、ブルードラゴン以外のゲームはやっぱりマニアックなものばかりだったので、結局ゲーマー御用達というSEGAハードが担っていた部分に落ち着いてしまいました。

そんな状況を覆したのが、ゲームセンターでカルト的人気を誇っていたTHE IDOL MASTER(以下アイマス)のHD移植です。

可愛い女の子たちがぬるぬる動くだけでも素晴らしいのですが、当時はCGM黎明期で、特にニコニコ動画の存在が急激に大きくなりつつある時代でした。同時期に大流行した涼宮ハルヒの憂鬱の大ヒットを受け、踊ってみたりダンスのMADが多く作られるような中、Xbox360版アイマスはそれらの素材として重宝されるようになりました。

しかし、新たな客層を切り開いて大ヒットした任天堂の「Touch Generation」の前になすすべがなく、同じく出だしはお葬式状態だったPS3が強力なコンテンツを揃えて盛り返す中、765プロのアイドルたちが踊って歌うだけではどうにもならず、WiiとPS3が壮絶な一騎打ちを繰り広げる中、その脇道を通り抜けているかのように見えました。

「遊べるゲームがない」ように思われるXbox360ですが、実際は洋モノをはじめ、ほとんどの大作ゲームはPS3と同時発売だったのです(海外市場の関係もあってなのですが)。
しかし、PS3でも遊べるゲームならPS3があれば十分という無情な理屈により、乗り換えが起きるわけでもなく、ハード末期にはキラーコンテンツのないゲームハードの悲哀をカンジさせる状況が長く続いていました。

しかし、そんなXbox360も、唯一他のハードに負けないジャンルがありました。
シューティングゲームです。

 

■トリガーハッピーなXbox360

かつてはゲームの王者であり、全国の小学生が16連射に熱狂していた「ゲームキング」であったシューティングでしたが、この頃にはゲームセンターに入ってもシューティングの筐体が1台置いてあるかどうか、ヘタするとプリクラの方が多いといった状況にまで成り下がっていました。

一方で家庭用はというと、年に数本、思い出したようにアーケードの移植作が数年遅れで投入されたり、膨大な同時表示ポリゴン数で美麗な映像性能がウリのうちのハードに見合ったクオリティのゲームを出してほしいと言われたり、ジャンルはおろかユーザーまで置き去りにされているような状況でした。

名作シューティングの宝庫だったドリームキャストが終わりを迎え、居場所を失ったシューティングゲームメーカーが選んだのは、Xbox360でした。

開発環境の問題や、ソニー陣営の方は「PS3クオリティ」の問題や、Wiiはコントローラーのインターフェイスや客層の問題もあり、比較的参入が容易なXbox陣営に固まるようになったのだろうと思います。確かに2Dのシューティングは、当時のゲーム機のハードウェア性能から見れば「今風」ではなく、ハード性能を見せびらかす役に立たない存在だったかもしれません。しかし、ゲーム機としての強みも欲しかったマイクロソフトとしては、心強い参入だったように思います。

アイマス以降のXbox360はシューティングゲーム用ハードとしての色合いを強く帯び始めるようになります。なにしろXbox360じゃないと、シューティングが遊べないのです。次第、お家でも弾を撃ちたくて仕方ないトリガーハッピーどもはXbox360を買わざるを得ません。武器を持っているヤツが相手なら覇王翔吼拳を使わざるを得ないのと同じ理屈です。

Xbox360を手に入れ、出るシューティング、出るシューティング買いあさる家ゲーシューターの存在に心強くし、多くのシューティングメーカーがXbox360に参入、まるで、ドリームキャストの末期のように、名作シューティングであふれかえるようになりました。

もっとも、ドリームキャストの頃と違い、まだまだ他ジャンルのゲームも多く発売されている時期だったので、当時のような悲壮感というか、進化の行き詰まりのようなカンジは薄く、コントローラー設計の良さもあって、PS3とXbox360で同じゲームが出ていた場合、積極的にXbox360版を買うユーザーも多かったと思います(私がその一人です)。

それでも販売台数的には苦しみ、結局ニッチのまま終わってしまったというのは、「日本というめんどくさい市場にしっかりアジャストできなかった」マイクロソフトの戦略のつたなさと「そんなめんどうな事をしてまで市場を取りにいくほどではなくなった」日本のゲーム市場の縮退ぶりゆえでしょう。

結局、その宿痾は次代のXbox Oneにまで禍根を残すことになるのですが、その話はまた後述で。

 

■今から遊んでもおもしろい!赤蟹オススメタイトル

そんなXbox360シューティングの中で、私がオススメしたいゲームをあげてみます。

 

・エスカトス/ギンガフォース(Qute)

eschatos

Xbox360で遊べるシューティングゲームで一番面白いのなに? と聞かれたら、真っ先に名前が出るのがエスカトスです。
パッケージビジュアルを見れば分かる通り、80年代ごろの家庭用シューティングゲームのような、トラディショナルなシューティングゲームです。撃つこと、避けることこそゲームの本質であると看破した上で、あえて流行の弾幕系ではなく、敵の配置で難易度を調整するスタイルで仕上げたところも高ポイントです。

シンプルであるがゆえ、シューティングの面白いところをしっかりと抽出しており、爽快なプレイ感もあいまって遊びはじめると止まらなくなるスルメゲーです。シューティングだし、ちょっとした合間に遊ぼうと思うのはやめたほうがいいと思います。面白すぎて、うっかり長時間遊び続けてしまうからです。

現在のシューティングゲームにはめずらしく緊急回避のボムはなく、武装も固定で、オリジナルモードではパワーアップもありません。そういう意味でファミコンやPCエンジン時代のシューティングゲームらしいと言えますが、そのようなレトロシューティングを土台にしながら、21世紀までに蓄積されたシューティングゲームのメソッドを取り入れ、丁寧にアレンジされたゲームと言えます。

スーパースィープの安井洋介氏の音楽も素晴らしく、特に「Point of no return」は私のお気に入りの曲です。DL版はFM音源とアレンジ版が選択できますが、あえてFM音源で遊ぶことで、よりレトロチックなプレイ感が得られます。
若干グラフィックは古くさく、旧世代機のようなシンプルさですが、ゲームとしての完成度は高く、グラフィックにお金をかけない分ゲーム性に命をかけているようすがうかがえます。

現在はSteamにてWindows版も配信されているので、Xbox360がなくても遊べます。

Gingaforce

なお同じくQuteのギンガフォースも素晴らしいのですが、同じメーカーのものを二つ取り上げるのはちょっとなぁと思って、エスカトスを推薦しました。
ギンガフォースも絵柄を見ての通り、コロコロコミックを読んで高橋名人に憧れ世代を狙っています(古くさいビジュアルにしているのは「わざと」です)。

こちらはエスカトスとゲーム性は変わり、やりこみによってどんどんプレイの幅が広がる家庭用ならではのシューティングゲームとなっています。
BGMは引き続き安井洋介氏が担当。

エスカトスとギンガフォースは二作セットになった廉価版も発売されています。どちらもやったことがないなら、こちらがオススメです。

 

 

・怒首領蜂大復活/最大往生

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言わずとしれた怒首領蜂シリーズ。首領蜂→怒首領蜂→怒首領蜂大往生→怒首領蜂大復活怒首領蜂最大往生とシリーズは進んでいたわけですが、特に大復活と最大往生は据え置き機では今のところXbox360でしか遊べません(大復活はスマホアプリとしてリリースされています)。

大往生がひたすら弾を撃たれて避けるゲームだとすると、大復活はカウンターレーザー、ハイパーカウンターモードによって攻撃を無効化しつつ活路を「作る」ゲームと言えます。大往生のショットとレーザーの関係は攻撃したい相手によって切り替える仕組みでしたが、大復活の場合、レーザーは攻撃を前方に収束させると同時に、敵のレーザーを防ぐための武器となっています。このシステムにより能動的に防御を行うことができるようになりました。

そのため前作大往生とはかなりプレイ感覚が変わりました。大往生から受け継がれたハイパーモードもハイパーカウンターモードとなり、斑鳩のような弾種の切り替えで敵の通常弾、レーザーを無効化できるようになりました。
ハイパーカウンターモード中もゲージはたまるので、連続して発動させることも可能です。ただし、連続して使うと通常弾の相殺効果は弱くなっていき、最終的には攻撃が激しくなったまま弾も消せないようになってしまいます。
しかし、怒首領蜂伝統の「速い弾幕」が苦手でもハイパーカウンターモードを維持できれば、そこそこゲームを進めることが可能となり、前作よりは初心者でも取っつきやすい難易度になっています(見た目は)。

最大往生はその名前のとおり(?)、ゲームシステムは大往生に近いシステムに戻っています。大復活で導入された派手なハイパーモードと、ハイパーモードを多用するスタイルがミックスされたゲームにリニューアルされています。
Xbox版では平野綾がキャラクターボイスをつとめる「桜夜」とオペ子がひたすらおしゃべりする新モード「NEW XBOX 360 MODE」も追加。こちらは家庭用に難易度も調整されて、シューティング初心者や復帰組でも遊べる内容になっています。…が、台詞音量のバランスが悪いところもあり、最大のウリである桜夜のボイスが聞き取れないところも多々あったりするのですが…。
とりあえず平野綾の「死 ぬ が よ い」が聞けるだけでも価値があると思います。

なお、ジャストタイムで本日(4/29)、秋葉原で開催されたケイブ祭りにて、怒首領蜂大復活のSteam配信が発表されました。配信予定は秋だそうです。楽しみですね!

なお、Xbox360には怒首領蜂大往生も出ているのですが、これについてはあまり触れたくないのでパス。
でも、怒首領蜂大往生があんなデキだったおかげでCAVEの参入が決まり、怒濤のようにシューティングゲームがなだれこんできたので、Xbox360史的には重要な作品ではあるのですけどね…。

おかげで、今でも5bp.は苦手です。アーケードスティックまで買って楽しみにしていたのに…(怒)。
(この事についてはまた後で書きます)


いろいろな思い出やゲーム体験をくれたXbox360。アイドルマスターに惹かれて購入し、最大往生をやりまくった2013年までの5年間、私の「メインゲームハード」として頑張ってくれました。
アンダーディフィートの項でも書きましたが、コントローラーの関係でPS3よりも遊びやすかったため、同時発売タイトルは基本的にXbox360版を買うほどでした。WiiやPS4も買いましたが、Xbox360以降のゲーム機の中では一番使った据え置きゲーム機だと断言できます。

そんな愛しまくったXbox360ですが、Xbox Oneの発表後、急速に新作が減ってしまい、ソフトを買う理由もなくなってしまいました。そもそもソシャゲやブラウザゲームに時間をとられ、据え置き機で遊ぶ機会そのものが減ってしまったし。

今回の記事を書くため、久しぶりにXbox360を起動しました。Xbox360久々起動あるあるで、アップデートに苦労しました。
結局エスカトスはオリジナルモードをクリアするまで遊んでしまい、最大往生もNEW XBOX MODEも1.5もついつい遊んでしまいました。ホントはアンダーディフィートHDについても書きたかったのですが…ディスクが行方不明なので遊べず。仕方ないのでダウンロード販売で購入したぐわんげを遊んでいました。ぐわんげおもしろいですよね。
ぐわんげやアンダーディフィートHDについては、またあとで書かせてもらいます。それまでにディスクが見つかればいいのですが(笑)。

日本ではあまり売れませんでしたが、ゲーマーの心にはちゃんと何かを残しただろうと思います。生産終了になっても手元に残っているXbox360がなくなるわけではないですし、またXbox Oneも後方互換に対応をはじめたので、仮に故障してXbox Oneに買い換えたとしても、ソフト資産がまったく無駄になることもありません。生産終了を受けてAmazonではさっそくプレミアがついていますが、焦って買うこともないかと思います。

Xbox360のシューティング、やっぱりおもしろいです。これからも撃って避けてボムりまくる所存であります。Xbox360が壊れるその日まで。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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