【アーケードアーカイブス】いろいろなグラディウス「ツー」


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4/22、アーケードアーカイブスにて、PS4版の「グラディウスⅡ GOFERの野望」が配信開始となりました。ハムスターにおかえれましては、この調子でXEXEXの移植もがんばっていただきたいところです。

さて、世間にグラディウス「ツー」なるゲームは、大別して二種類あります。

一つはMSX専用で発売された「グラディウス2(以下2)」。MSXという非力なマシンのゲームでありながら、前作グラディウスを遥かに上回るイマジネーションが炸裂したステージ構成と、コナミの独自の音源チップ「SCC」を搭載した初のタイトルであり、その異次元の音色に度肝を抜かれました。破壊した敵戦艦(ビッグコアみたいなボス)を倒した後内部に突入し、武装を手に入れるというフィーチャーもプレイ時間に制限のない家庭用ならでは。さらにはMSXはカードリッジを二つ挿せるという機能を生かして同社ゲームの隠し要素を出すという仕掛けもありました。

特に後発のMSX版沙羅曼蛇は、グラディウス2を同時挿ししないと「真のエンディング」が見られないという鬼畜仕様。これには我が尊敬する山下章先生も、「チャレンジ!パソコンAVG&RPG Ⅳ」の中で「『グラ2』のカートリッジをスロット2に入れないと真のエンディングが見れないというのは、ちょっと行き過ぎでは……?」と苦言を呈しておられます。

まったくその通りであります!

そしてもう一つの「ツー」が、このたびゲームアーカイブスで配信開始されたアーケード版のグラディウス続編、「グラディウスⅡ GOFERの野望(以下Ⅱ)」です。

 

■「Ⅱ」と「2」をめぐり喧嘩するキッズたち

グラディウスⅡはアーケード版におけるグラディウスの続編という位置づけで発表されました。
実は発売はMSX版のグラディウス2の方が先であり、その面白さに宿題忘れて遊びまくっていた当時のMSXキッズたちは「これがゲーセンで遊べるのか!?」とワクワクしたわけですが…。
人工太陽から出てくる炎のドラゴンにフェニックス、まんまエイリアンにギーガーステージ、そしてクリスタルステージ…と、僕らの知っている「グラディウスツー」とは全く違うゲームが出てきました。

なんでグラディウス「ツー」が二つあるのかさっぱり分からないゲームキッズたちは、最終的に「どっちが本当のグラディウス「ツー」なのか」という(ありがちな)論争に発展。

当然ながらMSXを持っている子は「俺達のグラディウス2が本家だ」と言いだし、ゲーセン通いのキッズは(といっても、うちの街にはグラディウス2が置いてあるゲームセンターはありませんでしたが)「アーケード版が本当のⅡ」と言い出すので、沸点の低い子供が殴り合いになるのも時間の問題でした。というか、ホントに同級生がリアルファイトに及んでました。

コナミも罪なことをしたものです。

「GOFERの野望」とつけたからⅡは2じゃなくてそれぞれ別の「ツー」だと言ったところで、MSXキッズ達はそんな大人の事情なんて分かるわけもありません。むしろそのサブタイトルに歴史シミュレーション勢が反応したのは言うまでもありませんが、ともかくおかしなネーミングのせいで各所で混乱が起きたのは間違いないでしょう。

 

■「ツー」論争の決着

Ⅱはその後ファミコンに移植され、大きく知名度を獲得。これにより、「ツー=Ⅱ」とほぼ決定しました。先に発売されたはずの2は「知ってる人は知っている」「名前だけは聞いたことがある」存在へと格下げとなってしまいました。

アーケード、そしてファミコンでの成功を受け、多くのハードに移植されたⅡに対し、2は6年後の93年のX6800版ネメシス’90改まで移植作はなし。その後もレトロゲームを詰め込んだゲームアーカイブ系ソフトに収録されたり、配信専用で発売される程度で、単体パッケージの移植作はついにありませんでした。コナミの現状を見ると、これからもないでしょう。

2の存在はパラレルということになり、ジェイムス=バートン(とその子孫)とヴェノムをめぐる戦いという2のストーリーはMSX版で独自の展開をすることになります。山下章先生がお叱りになった「沙羅曼蛇」や、その続編の「ゴーファーの野望 エピソードⅡ」(…って、ここでもゴーファーの野望が!?)も、このストーリーラインをなぞっています。
なお、MSX版のゴーファーの野望には「グラディウスⅡ」はつきません。だって「2」がありますから。一応アーケード版の移植作ですが、ハード性能の制約もあってゲームはほぼ別モノです。

 

■蘇る2の軌跡

こうして「2」から始まるMSX版の歴史は、MSXの衰退とコナミの撤退によって系統が途絶えたわけですが、グラディウスVではラスボスが「ベノム」を名乗るという奇跡(珍事)が発生しました。ここでまさかのストーリー収束です。
もっとも、グラディウスVも家庭用専用として開発されたものなので、「家庭用」というくくりで言うなら、MSX版の系統であると言えなくもありません。

「お前達は私の怨念と戦い続けなければならない」との最後の言葉に、その怨念ってMSX版の路線がなかったことにされたことですかと思ったのも懐かしい話です。ベノム曰く永遠に戦い続けなければならないそうですが、当のコナミがあんな状態なので、その捨て台詞も虚空に響いて空しいだけになってしまいました。

Wii版新作「リバース」では「2」の前日譚としてヴェノム博士がまだグラディウス側の人間、つまりバクテリアンに願える前の姿が拝めるのですが、メタフィクション連発のエンディング(周回デモ)で人気急上昇。まさかのオトメディウスX出演が決定し、ヴェノム旋風が(一部のグラディウスファンの間で)巻き起こりました。吉崎観音がリデザインしたヴェノムのゲーマーアイコンが発売されたりと、公式の悪ノリもいいカンジになっていました。

MSX版の血流はMSXとともに途絶えてしまったはずですが、その思い出はしっかりファンの中に根付いており、またコナミの中にも「2」の流れを消すまいとしていた人達が多くいたのがわかります。

かつてはMSXもシューティングゲーマー御用達のハードとして人気だった時代もあったんですよ。グラディウスシリーズをはじめとしたコナミ、脳みそこねこねなコンパイルのザナック、そしてT&E SOFTのレイドック等々。なつかしいなぁ。

 

■グラディウスの頂点を極めた「ツー」

で、今回配信されたⅡの方ですが、今更団長がこの名作について語ることなんて何もないほどの名作です。
アーケード版もおもしろいのですが、家庭用に移植された各「GOFERの野望」も各ハードに合った個性的なアレンジがほどこされ、どれも名作といっていいかと思います。

グラディウスⅡはホントに多くの機種に移植された作品であり、同じⅡでありながら亜種をたくさん生み出した作品であるとも言えます。
こう考えると、正統後編の座におさまったはずの「Ⅱ」にもいろいろあって、それこそ、どれがホントの「ツー」なのかよく分からなくなります。

しかし、Ⅲが不人気でスーパーファミコンのみの移植で終わり、Ⅳの頃には空気になってしまった事を考えると、正統続編であったはずのⅡの血統は絶えてしまい、反対にパラレルストーリーとされた2の血脈がV、リバースで吹き返えしたかのように見えます。

熾烈な「ツー」争いでは一歩譲ったものの、子孫だけみれば、実は「ツー」争いの勝者は2であったと言えるのではないでしょいうか?

コナミの公式見解としてはいろいろあるとは思いますが、ユーザーとしてはそれぞれが好きな「ツー」を「ツー」だと思っていればいいのです。もちろん、全てのツーをグラディウス愛で「全肯定」するのもアリです。

それにしても、GOFERの野望って何だったのでしょう??  「我らはバクテリアン帝国のほんの一部だ」と叫んで爆発してしまいました。野望という意味では、ヴェノム様の方がよほどもっておられるような気がしないでもないです。

グラディウスシリーズは謎が多いですね。言ったでしょ? 謎が当然グラディウスってね。

(文/団長)


団長

「てらどらいぶ」管理人。 ゲーム開発のディレクター、動画配信サイト管理人のプロデューサーなどを歴任。 心のゲームは「ウィザードリィ」と「ザナドゥ」。ドラクエとFFならドラクエ派。

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