【ポンこれ】業務中の排便禁止!若狭町給食センターの衝撃


185

業務時間に排便してはいけないという衛生管理を行おうとした若狭町給食センター。報じられるやいなやネット内で話題となっていましたが、このたび「我慢できなくなったら管理者に申告の上トイレに行ってよい」ということになったようです。

若狭町給食センター 排便禁止「なるべく」に 運用変更(毎日新聞)

 集団食中毒の発生を受けて福井県若狭町が、町給食センター調理員に勤務時間中の排便を禁止するよう「衛生管理マニュアル」を改定した問題で、町はマニュアルを再改定する方針を決めた。排便回避を努力目標とし、我慢できなかった場合は消毒強化と報告を求める運用にするという。

我慢前提なのかというところに相変わらず狂気を感じますが、これで改定というのだから、元のルールはどうだったのでしょう?

若狭町給食センター 勤務時間中の排便禁止…食中毒受け(毎日新聞)

 福井県若狭町で先月下旬、ノロウイルスによる集団食中毒があり、食事を調理した同町給食センターが、調理員の勤務時間中の排便を今後禁止するよう「衛生管理マニュアル」を改定したことが分かった。再発防止に向けた衛生面での改善の一環だが、過剰ともいえる労働現場への規制に、専門家からは疑問の声が上がっている。

(中略)

 センターの担当者は「緊急事態であり、規定を厳しくした。排便を我慢できない場合は、早退などの対応をとる」とし、「調理員が早退した場合に備え、予備調理員3人を確保した」と説明している。

 感染症に詳しいある男性医師は「聞いたことがない対策だ。手洗いの励行やトイレの消毒などが現実的だ」と指摘。文部科学省学校健康教育課も「調理員の生理現象への制約は、学校給食衛生管理基準になく、国として同様の対策は取ったことがない」としている。

 脇田滋・龍谷大教授(労働法)は「公共目的での緊急対策と理解したいが、働く人の権利にも配慮は必要だ」と話している。

食品加工工場や労働集約の現場など、多くの人間に多大な影響を与えかねない職場での感染症対策というのは非常に難しいものです。マスクの着用や手洗い励行、アルコール殺菌等、衛生管理を徹底したとしても、なにかの拍子に今回のようなノロウィルス感染のような多大な事故を起こしかねません。
特にノロウィルスは死にも直結する重大な問題に発展するので、万全には万全を期するべきではあります。その万全策として若狭町の給食センターでは、対策として業務中大便をしないようにという過激な方法が採用されたようです。確かに感染源である大便をしなければ感染の可能性は減るでしょうが、上記記事で書かれているように、こんな対策聞いたことがありません。

ポンコツ上司コレクターの私としては、仕事中の大便禁止という変態じみた方策の内容より、むしろどんなプロセスで、「仕事中は大便しないように徹底する」というバカなルールが決まってしまったのか…という方に興味があります。

このようなルール決定の過程でありがちなのは、「具体的な対策を求められているのに、具体的な対策が思いつかない」という状況が続いた時、誰かが思いつきで言った過激な方法に、他に案のない大勢が乗っかってしまうというダメな流れが生まれがちです。

議場にはアイディアに反対の人もいるでしょうが、「だったら代替案を出せ」と言われても困るので、納得いかなくても同意せざるを得なくなります。
ミーティングを含む議論において、代替案をやたらと要求してくる人がいます。確かに具体的な対案がなければ議論は反対のための反対に終始し進まなくなってしまいますが、代替案がなくてもダメなものはダメなのもまた道理です。少なくとも道義的に正しくない、理解されない、意味のない事にはアイディアや代替案がなかったとしても止めるだけの思考的バランスはどんな時にもで必要なはずです。
しかし、グッドなアイディアが出ないプレッシャーで判断力を失うと、反論できない後ろめたさもあって、ダメだと思ってもも反対ができなくなってしまいます。

そのような思考停止状態が続いた結果、どう考えてもアウトなアイディアでも「いいね!」となるのです。出口の見えない解決策を求められて、何かにすがりたい気持ちになってしまうのでしょう。

そして、相手を言いくるめようとする人は、その思考停止と同調圧力を「上手に」利用します。

何も生まない解決策は、解決策とは言えません。今回の若狭町給食センターの決定は、対処療法にすらなりませんでした。この騒動を見て私達は、組織内での集団思考停止と、抑止力の欠落というものを他山の石にしなければなりません。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

コメントをどうぞ

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。