ソシャゲの課金はゲームセンターのインカムがごとし


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画像は三国志パズル大戦HPより

飛ぶ鳥を落とす勢いで残存者利益を貪ろうとするサイゲームス。そのサイゲームスが運営する三國志パズル大戦が、6/20にサービス終了を告知しました。

サービス終了のお知らせ(三国志パズル大戦)

「三国志パズル大戦」運営事務局です。
いつも「三国志パズル大戦」をご利用いただき、ありがとうございます。

2013/8/26(火)より、約3年に渡りサービスを提供してまいりました「三国志パズル大戦」ですが、このたび、2016/9/20(火)19:00にサービスの提供を終了することになりました。

サービス開始以来、これまで多くの皆様にご愛顧いただきましたことを、心から感謝いたします。

三国志パズル大戦は、パズルフィールドに現れる自軍の兵士の色を揃えて消すことで、立ちはだかる敵将(敵軍)を倒せるというゲームです。いわゆるズーキーパーライクゲーム、ぶっちゃけて言えばパズドラです。

なお、「今後の方針」のページは、2016年も半分が過ぎようとしているのに、去年の12月以来更新されていませんでした。

今後の方針(三国志パズル大戦)

ゲーム時代のアップデートも、2015年の5月を最後に止まっていたようです。

アップデート情報(三国志パズル大戦)

ここまでくるとよく半年持たせたなという感じではあります。

■半年で40タイトルも終了するソーシャルゲーム

三国志パズル大戦を含め、今年に入ってからサービス終了を発表したゲームは、実に約40~50本に及びます。半年の間にこれだけ消えていくのだから恐ろしい話です。

「でもサービス終了するなんて、聞いたこともないような泡沫メーカーの美少女競泳メドレーバトルのようなゲームでしょ?」と思いがちです。
しかし、実際に終了したゲームを見てみると、そうとも言えなくなります。

 

1:大手メーカーリリースのゲーム
ソシャゲの大手メーカー、もしくはプラットフォーム、コンシューマーゲームメーカーとして名の知られる会社が運営したゲームも、数多く撤退を表明しています。ゲームのマーケティング等に一日の長があると思われれる大手でも、ソシャゲ市場で激しく苦戦している様が見てとれます。

千年勇者~時渡りのトモシビト~(スクウェア・エニックス 2014年9月~2016年8月)
「1日5分のファンタジー」とカジュアルさを前面に押し出したものの、それではユーザーロイヤリティが稼げなかった模様。がっつり遊ぶソシャゲに疲れた人向けだったのでしょうが、がっつり遊んでもらえないと売上げにならないというパラドックスを身をもって証明してしまったようです。

天空のクリスタリア(サイバーエージェント 2012年6月~2016年9月)
グループSNEが絡んでいるのかな、と思いましたが、あちらは「クリスタニア」でした。リリース当時はそんなネタもちらほら聞かれましたが。4年も続いたのでそこそこ人気はあった模様。

ザクセスヘブン(バンダイナムコ/セガゲームス 2015年8月~2016年4月)
本格アニメRPGという事で、戦闘中にフルアニメのカットインが挿入されたりで、ともかくアニメをウリにしていたようです。でもFFの召喚獣を見れば分かる通り、ユーザーはバトルアニメは一度見れば十分なんですよね。この手のアニメをウリにするゲームは、まずはPC-FXのバトルヒートを見習っていただきたいものです。

プリンセスコネクト!(サイバーエージェント/サイゲームス 2015年2月~2016年3月)
シンデレラガールズやGF(仮)で美少女ソーシャルゲームの覇者となっていたCAとサイゲームスが満を持してリリースしたプリンセスコネクト!でしたが、実質1年でサービス終了。

こんなに凝りまくったCM作ってバンバン流しまくってたのに…。
まあ、このあたりのプロモーションのお金のかけ方と、撤退までの判断の速さはさすがサイバーエージェントと言ったカンジです。そのリソースを少しでもゲームの安定運営とクオリティアップに振り分けていただきたかったものですが。
あと、これだけ動かせるなら縁ゆかりちゃんの動きももうちょっとナチュラルにしてほしいところです。

2:大作ゲームのスピンオフ
すでにコンシューマーゲームなどで人気のあるタイトルの名前と世界観を使ったソーシャルゲームです。シリーズのファンへのリーチできると甘く踏んだのか、多くの作品が短期間で轟沈の憂き目にあっています。

ファミスタ ドリームマッチ(バンダイナムコ 2014年10月~2016年6月)
ナムコのオリジナルキャラも登場ということでもろもろ肩入れしたゲームでしたが、残念ながらサービス終了。フォトリアルな野球ゲームが主流となった今、ファミスタはかえって中途半端だった?PS4なのにドット絵で勝負した燃えろプロ野球のような開き直りが必要だったかもしれません。すいません適当に言いました。

・KINGDOM HEARTS χ [chi](スクウェア・エニックス 2013年3月~2016年6月)
ディズニーとの版権ガッチリなキングダムハーツ。こちらも今年に入ってサービス終了。ただ3年弱に渡って運営されてきたので、コンテンツの人気が落ちたというよりもゲームの陳腐化が原因かもしれません。

・FINAL FANTASY ARTNIKS DIVE(スクウェア・エニックス 2014年11月~2016年3月)
JRPG界の大物、FFのソーシャルゲームもサービス終了に。もっともFFソシャゲはRecordKeeperやメビウスFFなど、他にもたくさん出ているので、そのうちの一つが終了したという程度の話かもしれません。逆に言えばFFというIPを酷使しすぎているのではないかという疑惑もあったり。

サクラ大戦~百花繚乱夢物語~(さくらソフト/レッド・エンタテインメント 2014年8月~2016年3月)
先日グラブルとのコラボで盛り上がったサクラ大戦。90年代では人気の絶対圏を持つ最強のギャルゲーでしたが、あの熱狂から十数年。今では当時をしのぶオッサンたちが喜ぶ程度のコンテンツに落ち着きました。グラブルとのコラボ、どれくらいの反響だったのでしょうね?

・聖剣伝説 RISE of MANA(スクウェア・エニックス 2014年3月~2016年3月)
もろもろ曰く付きのシリーズとなってしまった聖剣伝説。そのソーシャルゲーム版も2年ほどであえなく轟沈。Android版リリース後も対応機種に限りがあるなど、システム面での不備が目立ち、RISE OF MANAという名前にハンして立ち上げに大失敗してしまいました。スマホでもコンシューマーゲーム並みのアクションRPGを実現すると意気込んで開発されたそうですが、コンソールが違うのにムチャしすぎました。

真・三國無双ブラスト(コーエーテクモ 2014年8月~2016年3月)
こちらも聖剣伝説同様、コンシューマーゲームのようなプレイアビリティを実現しようと作られた意欲作のようですが、この方面を突き詰めてもディアブロみたいなゲームにしかならないと思うんですよね。ディアブロは名作ですが、ハックアンドスラッシュという名前の通り、戦うことで強力な武器を手に入れてキャラクターが強くなるから周回のしがいがあるわけです。しかしソシャゲ課金ガチャで強化されるので、周回ゲームとは正直相性悪いんじゃないかと思います。いくら周回しようが一回のガチャで強さが変わるわけですしね。

 

3.版権もの
既存のユーザーが付いている分、ビジネス的にも簡単そうに見えますが、有名作品はそれだけユーザーロイヤリティが深く、ヘタに低クオリティなゲームを出すと簡単に爆死します。恐いですね。

・ソードアート・オンライン プログレス・リンク∞(バンダイナムコ 2015年2月~2016年7月)
アニメにもなった人気ラノベのソーシャルゲーム。コンテンツの人気も落ち着いてきたためか、1年ちょっとでサービス終了となった模様。

・進撃の巨人 -自由への咆哮-(DeNA 2014年2月~2016年7月)
進撃の巨人のソーシャルゲームは、この前に「反撃の翼」というものもあり、こちらは二ヶ月で会員15万を越えるヒットとなったようですが、あえなくサービス終了。続いてリリースされたのが「自由への咆哮」。こちらは拠点防衛型のタクティクスゲームとなったようですが、こちらもサービス終了。ディフェンス系のゲームは今でも人気ですが、人気コンテンツと人気ジャンルを組み合わせても成功するとは限らないという非情な現実を見せてくれます。

VALKYRIE DRIVE -SIREN-(セイレーン)(マーベラス 2015年11月~2016年7月)
爆乳を基軸にメディアミックスを展開するVALKYRIE DRIVEのソーシャルゲーム。おっぱいだけではどうにもならなかったようで、9ヶ月でのサービス終了となってしまいました。個人的には海腹川背ポータブル(通称:なんとかポータブル)のせいでマーベラスのゲームは一切買いたくないので、おっぱい揺れようが服が破れようが平常心でございます。

SDガンダム ストライカーズ(バンダイナムコ 2015年4月~2016年7月)
日本最強のIPの一つであるガンダムですが、それゆえに様々なゲームが作られては爆死している気配があります。このSDガンダムもあちらこちらでバナーを見かけましたが、苦戦していたようですね。公式ページのMOVIEが全てCOMING SOONになっていたことも気になります。

・とある魔術と科学の謎解目録(パズデックス)(KADOKAWA 2014年3月~2016年6月)
パズドラっぽい「とある」ゲームです。進撃の巨人と同じく、人気シリーズと人気のゲームタイプを組み合わせてもそうそう成功するわけではないということですね。
そもそも先行しているオリジナルのゲームでバンバンコラボやっているというのに、二番煎じが特定のコンテンツ縛りして勝てるはずがありませんよね。

・ゴジラ怪獣コレクション(HEROZ 2015年4月~2016年4月)
7月に「シン・ゴジラ」が公開されるというのに、そこまでもたなかったという悲劇のソシャゲ。もうちょっと頑張ればよかった気がしますが、ゲーム的に盛り上がらなかったのでしょうね。
HEROZとは聞き慣れない会社ですが、将棋ソフトのPonanza(Bonanzaではありません)で知られるAI開発の会社です。主にAI関連の業務を行っていますが、本作をはじめソーシャルゲームの運営なども行っているようです。
ちなみに個人的には最高のゴジラゲームは「ゴジラ爆闘裂伝」だと思ってます。FC版のゴジラも捨てがたいのですが…。

・爆走兄弟レッツ&ゴー!! ミニ四駆ワールドランナー(ブシロード 2015年6月~2016年3月)
今、ミニ四駆が再度盛り上がってきているという話を聞きますが、ソーシャルゲームは残念ながら一年経たずに轟沈です。
ミニ四駆の面白いところは来るレースまでにマシンを仕上げる、その強さをパーツやセッティングでとことん突き詰めるというチューニングです。ラジコンではないので、出走したらあとは自分のチューニングセンスを信じて見守ることしかできません。
そのためチューニングパートをいかに充実させるかがこの手のゲームのキモとなるはずですが、本作にはパーツの積み込みくらいしかチューニング要素がありません。しかもレースパートをランゲームにしてしまったため、ミニ四駆なのは消滅都市なのかわからないゲームとなってしまいました。

・仮面ライダーブレイクジョーカー(バンダイナムコ 2013年7月~2016年3月)
仮面ライダーのソーシャルゲーム。運営開始が2013年ということで、いわゆるポチポチゲーです。
新しいライダーの放送が始まると、新ライダーのカードもリリースするなど積極的に更新を続けてきており、新旧ライダーファン大喜びのゲームだったようですが、さすがにゲーム事態の陳腐化は避けられずにサービス終了となったようです。
端末の進化と、新しいUIの開発速度が凄まじいことになっているので、ガラケー時代のポチポチゲーではとても太刀打ちできません。かといってゲームのシステムを全面的に改修できませんし、難しいところですよね。

 

4.話題となったゲーム
番外編です。
SKYLOCK -神々と運命の五つ子-(gloop 2014年10月~2016年4月)
絵柄が某大作RPGのキャラクターデザインを担当する人気漫画家にそっくりということでネット界隈をザワつかせたSKYLOCKですが、2年半ほどの運営で終了とあいなりました。
おそらくパクリとかそういう気持ちではなく、その大作RPGのようなものを作りたいと思ってあえてこのような絵柄にしたのだと好意的に見てあげたいところですが、かえって人気ゲームの絵柄だけ真似ても売れるわけではないという市場の非情な回答を突きつけられた格好になってしまいました。

■カジュアルに立ち上げられ、カジュアルに消えていくソシャゲ

こう見て行くと、実は二年以上続いているソーシャルゲームは思いの他少ないように思われます。ソーシャルゲームのリリース数は2013年に爆発的に増加。以降、緩やかな増加傾向にあるようですが、タイトル(競合)が増えた分だけ各ゲームのシェアも小さくなったため、短期でサービス終了に追い込まれるゲームも増えてきました。
結果として有名作品のスピンオフや版権もののゲームすら一年も持たずに終了するようになっているのだから、今のソーシャルゲーム市場がどれだけ過酷かよく分かります。

一年前後でサービスが終了するサービスは、たいていスタートダッシュに失敗しています。
開発から立ち上げまでの初期投資のバランスが悪かったり、開発費のわりに要望が大きすぎて開発現場がアレになっていたり、開発が遅れた結果商機を失ってしまったり、開発に予想外の資金を食われて広告に回すお金がなくなったり、いろいろです。

なお、ソーシャルゲームを含むオンラインゲームの市場は成長を続けており、16年末には1兆円を超える見込みと言われています。一方で大きなヒットを掴むのは難しく、結局既存の人気作や、広告に大きな費用をかけられる大手サービスに売上げが集中しているようです。
一方でプリンセスコネクトのように、ネイティブアプリ優勢な中でブラウザゲームを立ち上げようとすると、サイゲームほどの広告予算投入ができる会社のタイトルでも成功が難しいという状況になっています。

税金対策だったり、社内で遊んでいる人材に仕事させるためだったりと、ネガティブな理由でもない限りは、どのゲームも永続的な運営ができるようにと祈られて作られているはずです。
ソーシャルゲームはコンティニュアスなサービスでもあるので、ユーザーがついてしまったらそう簡単にやめるとは言えません。まあ、実際には赤字に陥っているゲームはDAUもたいしたことがないので被害はそう大きくはないかもしれませんが、それでも楽しみにしてくれているユーザーに「終了します」とはなかなか言いづらいもの。当然ですが、終了せざるを得ない責任は理由は運営者にあるので、この気まずさは本当にメンタルが汚れてしまうほどつらいものです。

が、そういった現場とは裏腹に、経営陣は平然と「赤字だしやめよ?」と、まるで自分たちには責任がないかのように言ってくるのです。たまりませんよね。

こうして現場運営者のプライドとメンタルをゴリッと削り取ってサービスは終了します。それなりに遊んでいたユーザーには寂寥感と損したという気持ちと共に。

 

■ソーシャルゲームの課金は、ゲーセンのインカムのようなもの

ソーシャルゲームはコンティニュアスなサービスですが、ガチャやゲーム内アイテムを購入しなければ基本無料で遊べます。課金するとキャラが増えたりゲーム内のフューチャーがアンロックされりしますが、課金自体は揮発的といえます。

これ、アーケードゲームのインカムに似ているなと、最近思うようになりました。

もちろんソーシャルゲームとアーケードゲームではビジネスモデルもなにもかも違うのですが、お金を使う方のマインドしては、実はそんなに変わりがないように思うのです。ソーシャルゲームが終了すると「これまでつぎ込んだお金が無駄になる」と言われますけど、他のゲームもお金が無駄になることは多々ある話であり(例:クソゲー掴まされた)、ソーシャルゲームに限った話ではありません。
ソーシャルゲームの課金周りで問題になるのは、お金を使わせるという行為とはまた別のところにあり、そもそもビジネスとして運営している以上収益を考えないほうが無茶な話です。

こういう事を突き詰めていくと、「ゲームにお金を使う」という行為とは何だろうと哲学的な話にもなっていきますが、「体験に課金している」という話で一元化されていくだろうと思います。これはゲームに限った話でなく、小説やアニメなどのあらゆるコンテンツビジネスも「体験」として考えられていくようになっています。これはデジタルデーターによる取引が進み、現物が存在しない「情報」として取引されるようになっていることにも関係します。情報そのものにも当然価値はありますが、その情報でユーザーがどのような体験を得たか、というほうが重要視されはじめているのです。

こう考えると、ソーシャルゲームがガチャで排出されているアイテムではなく、ガチャを行うという体験に課金させているという理屈も通ります(通ってしまうとも言います)。

少し話が広がっていきそうなのでまとめますが、要するに一年から二年くらいで消えていくソーシャルゲームが増えていくこんな世の中で、長期運営を望むのはナンセンスであり、「この女の子(のイラスト)が欲しいから」という程度の軽い気持ちで課金する程度でいたほうがいいという事です。
もっとも、こういう状態になると「損した気分になりたくない」という日本人らしいMOTTAINAI精神が発動し、ますますメジャーなタイトルへの課金がはかどるようになってしまうでしょうけど…。

数年前までフロンティアであったソシャゲ界隈も、すっかり熱的死して既得権益の世界になってしまいました。パズドラ、モンストに続くブレイクスルーはまだ生まれないようですし、これからどうなるのでしょうね。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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