新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団の第五回コンサートに行ってきた!(コーエーテクモ&聖剣伝説Ⅱ・Ⅲ特集)


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去る6/26(日)、ゲームミュージックを管弦楽で表現するインディーズオーケストラ「新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団(NJBP)」その第五回コンサートが、東京都北区のランドマークタワー「北とぴあ」で開催されました。
インディーズオーケストラですが、奏者は実際にゲームミュージックの現場で演奏を担当するプロの方々です。そんなプロ奏者がゲーム機の内蔵音源で鳴っていた名曲を管弦楽アレンジして演奏しちゃおうというのがこの新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団です。

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テクモ好きな友人が予約チケットを買ったものの、急に北海道の特急のチケットが取れたという鉄くさい理由で行けなくなったため、譲ってもらって聴きにいくこととなりました。前回の古代祐三特集に引き続き二回目の観覧です。

今回は前半はコーエーテクモのテクモの方特集、後半は聖剣伝説Ⅱ・Ⅲをはじめ、セガのシャイニングシリーズのBGMを担当された菊田裕二氏を迎えての聖剣伝説特集。実は聖剣伝説、一度もプレイしたことがなかったので、テクモは気になりつつ、知ってる曲が少なそうということで今回はパスするつもりだったのですよね。

開場時間ピッタリに北とぴあのつつじホールに到着。前回はコンサートセオリーに従ってホール中央に座っていましたが、スマホの倍率では撮影タイム時にいい写真が撮れなかったため、今回は思い切ってステージの真下に陣取りました。

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▲前回の写真。いろいろとヒドイけどこれが限界…

まず前半のテクモ特集。曲目は以下の通り。

  1. スーパースターフォース(FC版)の後半の空戦曲「DOG FIGHT」
  2. ソロモンの鍵(FC版)のステージ曲
  3. マイティボンジャック
  4. アルゴスの戦士(業務用)のタイトル~OP(叙事詩が表示されるアレ)~メインテーマ
  5. 忍者龍剣伝(業務用)のステージ1のボス「スモウレスラー」のテーマ
  6. そして名作スターフォースのメインテーマ~ラリオス~エクステンド~ボーナス~ターゲット(ステージ最後のギリシア文字のテーマ)~パーサー~クレオパトラ破壊時のファンファーレとなっています。

マイティボンジャック以外は馴染みのある曲。ソロモンの鍵、アルゴスの戦士、そしてスターフォースに至ってはpS4の「アーケードアーカイブス」でもちゃんと購入済みです。

今回はテクモの事情に通じるコーエーテクモの役員の方から各ゲームへのコメントのコーナーがあり、これがとても興味深かったです。

スーパースターフォースは、当時のテクモがいろいろなジャンルをかけあわせるのがマイブームだったということで、シューティングとダンジョン探索を組み合わせた結果、(ハドソンの)スターフォースのようなゲームを期待していたファミっ子たちから大変不評だったとのこと。初のシューティングRPGを自称した頭脳戦艦ガルよりは全然マシだと思いますし、時空を越えて歴史を改編するすることにより浮遊大陸とゴーディスの謎に迫る展開は歴史好きとしてもハマれたのですが、全ての謎がノーヒントすぎてあまりにも難しいこと、なにより1ゲームが長いのにセーブやパスワードなどによるプレイの継続ができない点が問題だったのかと。
地下のマップ、大学ノートにめっちゃ書いてましたからね。
最初は明るくハイだったBGMがステージが進むにつれて曲が緊迫感あふれる、不安をかき立てられるような曲に変わっていくのですよね。今回演奏されたDOG FIHGTも後半のBGMので、かっこよさと緊迫感を併せもった曲。管弦楽にしたことにより、より重厚な重みのある生まれ変わっていました。このオーケストラアレンジでもう一度スーパースターフォース遊びたい…。

ソロモンの鍵の業務用基盤は、当時の営業日誌から、900枚を用意して最終的に700枚弱が売れたそうです。また、業務用とFC版の同時発売を行った史上初のゲームであり、業務用とFC版のプレイ感覚の差異が少ないゲームだったとのこと。確かにFC版の感覚でそのまま業務用遊べましたしね。FC版はがんばって全面クリアしましたよ。

アルゴスの戦士もスーパースターフォース同様、当時流行しつつあったRPGの要素をつけてFCに移植。BGMも完全に別モノとなりました。おそらく世間でアルゴスの戦士のBGMというと哀愁漂うFC版の方が有名な気がしなくもないですが、あえて業務用のシンプルなBGMをチョイスしたというのが渋いですね。
なお、FC版の副題「はちゃめちゃ大進撃」は、創業社長に「もっとはちゃめちゃにしたまえ!」との命によって命名されたようです。当時流行しましたからね、はちゃめちゃって言葉。テレビでも子供向け雑誌でもどこでもはちゃめちゃという言葉があふれていたので、テクモの事を笑ってはいけません。はちゃめちゃなわりに、初期の主人公はザコを一撃で倒せない弱さのため、サブタイトルに反してはちゃめちゃできないのもこのゲームの特徴でした。

スターフォースは言わずと知れたSTGの傑作。去年10月には団生でも、わざわざリアルアーケードプロまで買って100万点チャレンジをやっていましたが、またいつか再挑戦したいですね。ちなみに今回演奏されたゲームのうちに、もっとも売れたのがスターフォース、その次が忍者龍剣伝だそうです。
忍者龍剣伝というとキャプテン翼で実装されたビジュアルパートを多用した「テクモシアター」第二弾としてファミっ子大作戦でも大々的に紹介され、近年ではその難易度で「ゲームセンターCX」の有野課長の前に立ちはだかったFC版が有名です。しかし、海外では「NINJA GAIDEN」というタイトルでアーケード基板もめちゃくちゃ売れたそうです。
FC版のシリアスな展開とは相反し、アーケード版は海外で勘違いされた日本のイメージを逆手にとった世界観のアクションゲームでしたが、ゲームセンターのない町に育った団長はあまり印象が残っていないんですよね…。

スターフォースの演奏では、ラリオスのボーナスファンファーレ(1秒間に8発打ち込む、高橋名人を有名にしたアレ)を当楽団代表の市原雄亮氏が鉄琴で再現していました。会場大爆笑でした。


そして後半の菊田裕樹氏を招いての聖剣伝説特集。

聖剣伝説は一切やったことがないので、懐かしさや当時の思い出というものがなく、ただただいい曲だと思って聞いていました。

それより、菊田さんが語る当時のスクウェアの制作体制の話の方が興味深かったです。

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▲菊田さんとNJBP代表の市原雄亮さん

当時はゲーム作りが揺籃期から成熟期に向かう途中。ゲーム制作現場には若い力で溢れ、毎日のようにゲームを遊びながら、自分たちのゲームをそれこそ寝食を共にして作っていたとか。食事しながら「こんなゲーム面白くない?」という漠然とした話をしながら作りたいゲームのカタチを決め、実際にプロジェクトがはじまると会社に寝泊まりしながら本当の意味で一日中ゲームに関わって生活していたそうです。

会社に寝泊まりなど今ではブラック企業だと言われそうですが、ゲーム作り(曲作り)の合間にメンバーとゲームを遊んだりレクリエーション込みなので、本当に朝から深夜までゲーム漬けだったとのこと。おそらく今のゲーム開発現場も似たようなところがあると思いますが、当時はまだまだバブルの残滓が残り、衰退していく他の産業を尻目に16ビットの庇護の元でゲーム文化も繁栄を極めていた時期でした。どんなに苦労してゲームを作っても報われる時代だったんですね。
「家に帰っても誰もいないけど、会社には仲間がいたから会社の方が楽しかった」という菊田さんの言葉は、当時の古き良きゲーム開発現場の全てを言い表した言葉とも言えるでしょう。楽しんでゲームを作っていたからユーザーも楽しめるゲームがたくさん開発されたということでしょうね。
ユーザーに楽しんでほしいと願われて市場に放たれるゲームには、開発者側も楽しんだ形跡や、こうやって遊んで欲しいという明確な主張が込められています。開発者が何をさせたいのか理解できないゲームは遊ぶことさえ苦痛ですからね。どのゲームがどうとは言いませんが…。

そんな菊田さんの話がひたすら羨ましかった団長でした。

今回も素敵な演奏会でした。次回講演は10/9(日)、10/16(日)。ゲストはスクウェア・エニックスの時田貴司さん。新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団のHPでチケットが買えますので、興味がある方はご覧になってください。
また、人気スマホゲーム「消滅都市」のオフィシャルコンサートを新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団が担当することになったそうで、こちちらも12/28~12/30にライブがあります。消滅都市の名曲が管弦楽によってどう生まれ変わるのでしょう。今から楽しみですね!

(文/団長)


団長

「てらどらいぶ」管理人。 ゲーム開発のディレクター、動画配信サイト管理人のプロデューサーなどを歴任。 心のゲームは「ウィザードリィ」と「ザナドゥ」。ドラクエとFFならドラクエ派。

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