【AV出演強要問題】HRNが知財協に要望書出したって話。


この問題にはあまり口を挟まないことにしているので、ちょっと気になることだけメモ書き程度に書きます。
8/4に人権団体ヒューマンライツ・ナウ(以下HRN)がAV著作権団体である特定非営利法人知的財産振興協会(以下IPPA)に要請書を提出しました(内容についてはこれまでのHRNの主張と変わらないので、特に触れません)。
約一ヶ月前に元AV女優の川奈まり子女史が立ち上げた「表現者ネットワーク(AVAN)」ではダメとあからさまに言ってるような内容。それをあえてAVANを支援する立場にあるIPPAに送りつけるという、きな臭さを通り越してすでに交戦状態に入っているのではないかと心配せざるを得ない事になっています。なんでこう、人権主義団体の人って好戦的なんでしょうね。彼らの教義はラブアンドピースじゃないのでしょうか。
で、私が気になったのはこの部分。
3     女優が出演拒絶した場合、違約金を請求せず、メーカーが損失を負担する。違約金に関しては保険制度等を活用する。
9 撮影に対し、メーカーの負担により演技者に対する保険をかけ、負傷、罹患、PTSD等の症状に対して、補償をする。
出演までのプロセスを明確にして、女優に完全な同意を得る必要性と怠った場合のデメリットを盛り込んだのはいいのですが、なんというかこういう現場レベルの話なのかなぁという気がしてなりません。これではメーカーの負担が高まるばかりで、良好な業界形成のためにはならないと感じます。
 
今回の問題を根本から考えれば、AVの価値が90年代後半から急激に崩れたことが背景になるのではないかと。
まず90年代後半から某社がはじめた低価格量産路線によりセルビデオが値崩れし、デジタルコンテンツの浸透で収益の主力だったレンタルビデオが下火となったという販売面の問題。それに関連して各社のリリースペースのアップと女優自体の市場価値の短命化などが進み、結果として数多くの女の子を投入しないといけなくなったという経緯があります。出演強制もこの延長上にある問題であると考えてよいでしょう。
ここまでは業界内の市場の問題なので、どこの業界にもあるデフレの一風景に過ぎないのですが、AV業界の場合さらに日本の国内法が適用されない海外サーバーとの競争、さらに違法アップロードや海賊版の横行等で適正な市場価格で取引されなくなったという事情があります。
 そんな海外サーバーの違法アップロードや海賊版取り締まりに行政や司法はなにやってくれたの?といえば、法的根拠が薄いことを理由にのろのろと取り締まってただけにすぎません。
実際、アダルトコンテンツの価値下落については私も実経験があり、ビジネス的に本当に苦しい思いをしてきました。こちらの商品を向こうで無料で配っているのだから、もとより商売にならないわけです。
経済の問題が根本的な原因にも関わらず、メーカーやプロダクションを締め付けたり、負担を強いても根本的な解決に向かうわけがありません。現場でのオペレーションレベル、例えばスカウトに関するところなどは同意できる部分も多いのですが、「こういうことじゃないんだよね」と首をひねらざるを得ないというのが率直な感想です。
なによりメーカーの負担が大きくなってもAVが高く売れるわけではないですし、問題を起こす起こさないに関わらず経済負担が増大するというのは、かえって法でコントロールできる良質なメーカーの体力を落としてしまうだけではないでしょうか。
また、この要請書でアンダーラインまで引いて「第三者機関」と強調しています。業界の影響を受けない人達に任せろという主張は至極もっともではありますが、なぜまずAVANと協調するところからはじめられないのか、大きな疑問を感じます。
AVAN設立の話ですら寝耳に水だったメーカーも多いというのに、いつになったらまとまるのかとうんざりしている関係者も多そうです。
要請を受けてどうレスポンスするかはIPPAや業界次第だと言えますが、このままだと具体的な解決を見る前に問題が単なる思想闘争の具にされそうな雲行きもあったり、その間にデキる女優さんたちは日本を脱出してしまいそうだなぁと漠然と思ったりもしています。
そうして残された荒野に残るのは、果たしてなんでしょうね。
とくにオチもなく終わります。
(文/団長)

団長

「てらどらいぶ」管理人。 ゲーム開発のディレクター、動画配信サイト管理人のプロデューサーなどを歴任。 心のゲームは「ウィザードリィ」と「ザナドゥ」。ドラクエとFFならドラクエ派。

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