【ニュースの小ネタ】PCデポだけではない!? モノは言いようの「プレミアム」


260

PCデポが大炎上しています。

きっかけはTwitterで、サービス解約したら多額の解約料を請求されたとレシートの画像がアップされたり、5TBとうたった格安HDDが実は1TB+4TBクラウドストレージだったり、シニアの家族が使っているPCのサポートに不要な「サービス」を勧めている実態が浮かび上がりました。

スマホやタブレットの普及でPCが20年前のように生活必需品の地位を失い、周辺機器や消耗品の需要も減っていきました。これら物販をメイン事業としていたPCデポも需要低下の波には抗えずに苦戦を続けてきました。

しかしここ数年は、パソコンやスマホを使いこなせないシニア向けのサポートやメンテナンス、それらをいつでも受けられる会員制プレミアムサービスで売上げを伸ばしていたようです。

PCデポ、「サービス特化」でつかんだ最高益(東洋経済)

PCデポはここ数年ほとんど利用したことがないですし、プレミアムサポートの内容もよく分からないので詳しい言及は避けます。

ただネットの情報をみると、一見安そうに見えるパーツ代金にサブスクリプションサービスをつけたり、実は月賦払いなんだけどサポート料という名目になっていたり、高額な修理代を請求しながら、年間サポートに入ると無料というカンジで会員を獲得しているようです。

今回のPCデポの問題、「ボッタクリ」との批判が目立ちますが、むしろ価格設定よりも「ユーザーがよく分からないまま望まないオプションをつけられていた」「安いと思って買ったらサブスクリプションサービスだった」とユーザー側を錯誤させる価格設定「方法」が問題のように思います。

要するに、何を買ったのか、何にお金を払わされているのか、よく見たら追加料金が必要になるなど、支払い周辺が不明確で非常に不気味なのです。

前述の記事にもあったように、PCデポはこれらサポートやサービスで売上げ、上場まで果たした経緯があります。実際、一度商品を売りつけた後、そのユーザーが課金を続けてくれる上に店舗に紐づいてくれるのだから、こんなに美味しい話はありません。さらに、実際に店舗を運営する固定費は大きく変わらず、むしろ年会費という固定収益が入ってくるのでビジネスとしては理想的です。東洋経済の記事にある通り、年会費が稼げれば利益率の低いパソコンなんて他所で買われても困らないのです。

頭のいいビジネスを考えました。

しかし、ユーザーからすればなにかと年会費を取ろうとする不可解さ、高額の解約料を要求してくる胡散臭さ、さらに情報弱者のシニアを狙い撃ちにしていたというモラル的にどうかと思う状況も含め、燃えに燃えてしまったというのが今回の事件でしょう。

年会費ビジネスは同社のハードポイントでしょうが、逆に頼みにしすぎていたのかもしれません。

 

ここ数年、この手の「プレミアムサービス」が流行ってますが、プレミアムとは名ばかりの不要なオプションを押しつけるものが多く、モノは言いようという言葉が身にしみる状況となっています。

例えば有名なセキュリティーソフト、仮にVとしておきます。

有効期限が近づくと更新のお知らせが表示されますが、案内に従ってそのまま更新申込をしてしまうと、デフォルトで選択されているプレミアムサービス付きの三年版で更新されてしまいます。前年一年版を使っていても、デフォルトはプレミアムサービス付きの三年版です。同じグレードのサービスを継続するものだと思ったら高い契約結ばされるトラップが仕掛けられているのです。

そんなおっちょこちょいいないだろう、と思いがちですが、それがいるのです。私のことなんですけどね。

このプレミアムサポートは、PCデポと同じく初心者やパソコンがよく分からない人向けのサポートです。
しかし契約更新ということは、これまで一年ないし三年パソコンを使っている人であり、そこそこ使っていれば初心者のままである割合は少ないはずです。パソコンの事が相談できる身内や友人が近くにいない場合なら心強いでしょうが、マイナーケースな事は間違いありません。

で、このプレミアムサポート、もちろん有料です。

1日5円ほどでいつでも相談ができることをウリにしているのですが、三年で5,500円と決して安い金額ではありません。もちろん、一度申し込んだら途中解約も返金もしてもらえません。

ちゃんと案内を見れば一年版で更新することも可能ですし、安い買い物ではないのでしっかり画面を見るべきです。しかし、何も考えずに更新してしまった方が悪いと言い切れるでしょうか? 少なくともフィッシング詐欺やマルウェアからパソコンを守ると言っている会社がやっていいことではないように思います。

なお、この話は四年前の話なので今はどうなっているか分かりません。もしかしたら修正されたかもしれませんが、この一件でVを使うのをやめたので、確認のしようがありません。

他にも有料サービスを申し込むとプレミアムサービスにデフォルトで加入させられるYahoo!とか、割引などのユーザーメリットがあったとしても、追加料金をとるオプションにデフォルトで加入させようとするビジネスはいくらでもあります。PCデポの話なんて、氷山の一角に過ぎないのではないでしょうか。

 

もともとプレミアムサービスは、不景気すぎて単価上昇が見込めなくなった時代、付加価値を高めて客単価を上げるという考えから編み出されました。トッピングで客単価を上げられる飲食店と同じ理屈で、ベースになるものはユーザーを関心をひくためにあえて安く設定し、オプションをつけてもらうことで一回の購入額をあげようという考えです。

ユーザーエクスペリエンスを高め、ユーザーに満足、納得してもらった上でオプションに申し込んでもらうというのがプレミアムサービスの大前提だったはずですが、いつの間にかプレミアムサービス加入が「前提」のビジネスだらけになってしまいました。

プレミアムなどと称しながら、納得しないまま加入させられるユーザーが後を絶たないのは、すでにモノは言いようの範疇を越えて詐欺の一種にしか思えないのですが、いいんですかね、こんなことで。

 

PCデポは今回の炎上に際しすぐさま対策を発表してきました。

PCデポのサービスに批判 会社が対応策発表(NHKニュース)

あくまで想像ですが、PCデポがやたらめったらサポート加入を勧めてくるのも、店舗の目標が商圏の実態と乖離しているとか、いろいろな理由があると思います。せっかくのドル箱なんだし、サービスの改正だけではなく、体制や経営も見直した方がいいのではないでしょうか。

また、この記事でも「ほかのサービスでもトラブルの相談」とあります

国民生活センターは、「契約の際は月々の利用料金と契約期間、そして途中で解約する場合がいくらかかるのかについて、必ず確認してほしい」と話しています。

その通りなのですが、その前に胡散臭いこの手のオプションサービスにルールを作るかけるべきじゃないんですかね。

これを機会に盛大にぶっ叩かれることを期待します。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

コメントをどうぞ

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。