【ニュースの小ネタ】「民泊」とリオ五輪と東京五輪


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世間がリオオリンピックでわき上がっている中ですが、スポーツ全般がよく分からないのでイマイチビッグウェーブに乗れない蟹です。こんばんは。

先日、マンションの管理組合から、規約改正についての住民決議のお願いがやってきました。

東京オリンピックを前に規制緩和が予定されている民泊や、以前より問題になっている違法シェアハウス、いわゆる脱法ハウスでの利用禁止を規約を盛り込むことへの賛否を問うものでした。

脱法ハウスは貧困ビジネスの一種として、以前大きな問題にになっていました。賃料を払い忘れるとその日のうちに荷物まとめて部屋から放り出されるとか鬼畜の所業としか思えない管理者への批判も高まりました。

しかし、脱法ハウスをはじめとした貧困ビジネスの跳梁跋扈については、そもそも論として貧困問題を一向に解決できない行政にも問題があるわけで、特に中流階級の瓦解を自己責任と称し神の見えざる手に任せた結果長期的なデフレを招いた本邦行政の計画性のなさというか、神の手に任せたわりには法整備が常に後手に回って規制が係らないうちに手がけた悪党が丸儲けというどうしようもない状況がここ十数年続いてきたわけです。

その一方で金持ちになった中国人が、大挙して日本、特に東京に押し寄せてくる現象が続いてます。お金を使わなくなった日本人に変わり、観光地や大都市で爆買いしまくる中国人の財布を目当てに、耳慣れない「インバウンド消費」という言葉まで盛んに使われるようになりました。

観光や買い物目当てに外国人がどんどん来てくれる状況は実に好ましいことです。なによりお金を使うことを前提に来てくれるので、貧乏になって渋ちんになった日本人を相手にするより稼ぎやすいという利点もあります。様々なビジネスがこのインバウンド目当てにアジャストし、インバウンドビジネスのセミナーはどこも活況、もはやインバウンドなしに都市圏の経済は成り立たないのでないかとすら思えるほど、どこにいってもインバウンド、インバウンドです。

都内の宿泊施設の稼働率も80%を越えつづけ、どこも常にほぼ満室という状況。大変好況で結構なのですが、こんな状況で、4年後にオリンピックを控えるという面白い状況になってきました。

現状でも宿泊施設が満室なのに、多くの外国人が訪れるオリンピックを開いて泊まらせる部屋があるのでしょうか?

そんな問題に日本政府が打開の希望を託したのが民泊です。

要するに旅館業として登録していない民家やマンション、アパートを一時的に宿泊施設としての利用を許可するというもので、世界ではAirbnbがインターネット仲介で急成長し、国内でも規制緩和されれば急拡大する市場として期待されています。まあ、楽天とサイバーエージェントあたりがAirbnbのガワだけマネした保障も近隣トラブル対応もガバガバなサービスをはじめるのは間違いないでしょう。

で、この民泊。シェアハウス同様にマンション内の誰かがはじめると住民以外の人が出入りを繰り返すようになるため、当然ながらセキュリティが低下することになります。二重オートロックのマンションを買った意味なんてなくなります。宿泊マナーの問題や共有部での問題も増えてきます。賃貸マンションならそれでも良いでしょうが、高度なセキュリティや住民の高いモラルを期待して分譲マンションを購入した人は完全に涙目です。民泊可能なマンションであるために資産価値が下がる可能性さえあります。

マンション民泊最大の問題は、部屋を貸している人(業者)以外の誰のメリットにもならないということです。むしろデメリットが多すぎて終の住処のつもりでマンションを買った人にとっては大迷惑です。なにより問題が起きた場合の責任が曖昧となるため、トラブルが起きた場合に泣き寝入りとなる事さえあるようです。

そういうわけで、私のマンションはシェアハウスと民泊での利用を禁止する規約を盛り込むという話になりました。このような動き、おそらく他の分譲マンションでもでてくるのではないでしょうか。

専門家の見方では、上京後にヤングが住むワンルームだらけの投資マンションでは民泊が増える一方、分譲マンションでは開放が進まない傾向になるのではないかとされています。また自治体ごとに民泊の許可不許可、規制を決められるため、世田谷区では住環境維持のために民泊に関する規制緩和は行わないよう決定しました。

一方で投資側は民泊活用は活発で、Airbnbのようなインターネットサービス自らが民泊用として一棟まるごと借り受ける等の動きがでているよです。

しかし既存の宿泊業との兼ね合いもあり、調整はまだまだこれからのようです。例えば民泊の場合、年間営業日数の制限があるのですが、楽天が中心になって作る経済団体、新経済連盟は年間営業日数の制限に「投資回収ができず、空き家の活用が不可能になる。違法民泊もかえって増える」という理由で断固反対しています。

新経連、日数上限は「断固反対」 民泊新制度に意見表明(住宅新報web)

違法操業が増えるから日数制限を設けるなという言いぐさが大変輩くさいですが、厚生労働省の方は年間営業日数制限を受けたくなければ宿泊業として登録しろという至極真っ当な見解を述べてます。

前述しましたが、サービス側が民泊専用の部屋なり建物を調達して年中貸し出してるのなら、箱が住居なだけのホテルみたいなものですからね。専業でやるなら「民」泊じゃないじゃんという話です。
後追いの側として既存団体を保護する規制をなんとしてもひっぺがしたい三木谷氏の言いたい事は分からなくもないですが、保護されてきた業界側にもこれまで国が決めたルールに従って経営してきた経緯があるわけで、なんの払いもなしにいきなり乗り込んできて既存団体を保護するなと大騒ぎする50歳児の言葉なんていちいち聞いてられないわけです。それなりの土産を持参してからあれこれ言ったほうが言いように思いますけどね。大人として。

それにしても、東京オリンピックに関する事案、どれもこれも適当すぎて頭が痛くなります。

BRICSの一員として勇躍したブラジルが初のオリンピック開催でしっかりホストを務めた後で、敗戦国とはいえ列強の一国であった我が日本がどっちらかったままオリンピックを開催したら世界に旭日も沈んだかと思われかねません。芝生張りが間に合わず緑のペンキを塗った中国を笑えなくなりますよ。

貧困ビジネスにせよ今回の民泊にせよ、結局のところ国が民衆にいろいろな負担をぶん投げた結果ではないかと思います。そもそも中国人が爆買いできるようになったのは日本人の仕事を食いまくったからであって、インバウンド消費に期待する前に日本人の可処分所得をなんとかしてほしいと思わざるを得ません。

中国人だっていつまでも日本に来てくれるわけではないでしょうし、中国が日本と同じクオリティのものを作れるようになれば、来る必要だってなくなるんです。そういう先の事を考えて民泊にせよオリンピックにせよ考えていただきたいものです。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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