【ポンこれ】バブル脳が引き起こす時代錯誤な期待


269

hobbyでRakutenをWatchしてるRedcrabです。Good evening。

楽天が本日、昨年オープンしたばかりの楽天アプリ市場を12/12に終了することを発表しました。

「楽天アプリ市場」サービス終了のお知らせ(楽天アプリ市場ホームページ)

オープン時には当時の島田副社長が会見に臨むなど、鳴り物入りでスタートした楽天アプリ市場。しかし、アプリ審査を提携するトレンドマイクロに丸投げした上、ユーザーのセキュリティ保障も月2回だけ行える「不正アプリ対策」だけということもあり、スタート当初から利用上の問題点があげられることも多いサービスでした。

結果として予想をはるかに上回る速さでサービス終了となってしまいました。

 

■ターゲット層への見込みの甘さが露呈

楽天アプリ市場には二つの武器がありました。

一つは楽天スーパーポイント、もう一つはR18カテゴリーのアプリが扱われていたことです。しかしこの二つとも、結果的には楽天アプリ市場の強みにはなりませんでした。

前者については楽天が掲げる「楽天経済圏」、すなわち楽天を利用するユーザーを巡回させるという戦略に基づくものです。
これは楽天アプリ市場に限らず、楽天グループに属する全ての事業がベースとしているものです。
楽天グループ内でビジネスをやる最大の強みが、楽天市場を利用するユーザーに訴求しやすい、囲い込みが期待できるというところです。逆に言えば、この層にリーチできなければ楽天グループに属する意味がありません。

しかし、楽天アプリ市場はこれらのユーザーにリーチがうまくできていたかというと、かなり疑問が残ります。

ポイント稼ぎに熱心で、会員ステージを気にするような楽天(ヘビー)ユーザーは、基本的にネットやパソコンに対するリテラシーが低いと言われています。中心層は20~30代の女性で、男性側のユーザー年齢も低く、いわゆるマイルドヤンキー層が中心になっているのではないかという見解もあります。

余談ですが、楽天は意図的にそのような層を狙っているところがあります。やたらと「おトク」をうたう手法、パチンコのチラシを思わせる派手でケバケバしいバナーの数々。楽天の主力ビジネスと言われる楽天カードも、審査基準が低く本来ならクレジットカードを発行してもらえない人達でも作れるため「8秒に1人」という速度でユーザーが増えて居るわけです。他のカード会社なら信用リスクを考えて発行できない…つまり、本来なら消費者金融が「借金」というカタチで与信を担っていた層へ乗り込んでいったため、濡れ手に粟で増えていったということです。

そのような楽天ユーザーに、Google Playに比べて煩雑な手続きを必要とする非公式アプリストアはまず敷居が高いと言えるでしょう。ポイントが使えるのが強みと言っても、「提供元不明のアプリ」を許可する不安とバーターにはなりません。

このようなユーザーの不安に対し、楽天アプリ市場は「他の非公式アプリストアでも一緒」と説明されていました。確かに大手非公式アプリストアであるAmazonアプリストアやDMMゲームストアのアプリを動かすときも「提供元不明のアプリ」を許可しなければなりません。

しかし楽天アプリ市場は、これらアプリストアの中でほぼ一人負けしてしまいました。

それはなぜか。

単純にこの二つのサービスのユーザーはGoogle Play以外の選択肢を選べる顧客がついたこと、そして「提供元不明のアプリ」を許可してでも使いたいアプリや魅力があったからに他なりません。

コンテンツの誘客力については当然楽天アプリ一番も認識していました。そのため、プロ野球球団を持つ会社のサービスでありながら、R18アプリを扱うという大胆な策に打ってでてきました。

しかしこれも空振りに終わってしまいました。

いや、楽天アプリ市場の中では思惑通りR18アプリは人気を博したようですが、R18アプリ…いや、日本のエロコンテンツの総本山であるDMMを崩すには至りませんでした。

■ドーパミン漬けのバブル脳で今のインターネット市場は勝ち抜けない

アダルト商材扱えばスケベな男子がたくさん釣れるとでも思ったのでしょうが、そうは問屋が…いえ、DMMが卸さなかったのです。

今の日本でR18コンテンツでビジネスをするなら、DMMからユーザーを奪う事を念頭に置いて戦略を立てなければなりません。

実写ビデオもアプリも質の高いオリジナル作品を擁するDMMと戦うのは容易なことではありません。「他社にあってDMMにないもの」を扱っているのは同人誌を扱っているDL Siteぐらいではないでしょうか。

にも関わらず、エロいアプリがあれば売れるとか、ソシャゲアプリ入れておけばユーザーがつくとか、ITバブルの頃の感覚丸出しの見込みの甘さでビジネスが立ち上がってしまうのが日本のインターネットビジネス業界の恐ろしいところです。

インターネットビジネス業界には、「ITバブルで若くして成功して脳みそドーパミン漬けになってる」、ポンコツジャンキーがたくさんいます。
普通の人なら40を過ぎてようやく手に入れる収入や地位を20代でイージーにゲットしてしまったために、成功体験が忘れられない身体になっちゃってるんですね。

彼らに共通するものは、今は苦しくても時代がなんとかしてくれるという甘い考えと、当時の感覚が抜けなくて苦しい市況を正確に判断できない認識力の低さです。
もとより時代のおかげで不相応な出世しているため、もとよりビジネスプランニングもアイディアもゆるく、ユーザー行動に対する観察や分析も適当です。結果、2015年にもなってエロいゲーム入れておけば食いつくユーザーがいるなどと10年以上前の感覚丸出しでサービスを爆誕させてしまうような人が生き残ってしまうのです。

さらに恐ろしいのは、80年代末期のバブルもITバブルもダブルで経験して完全に廃人となってる人も少なからずいること。そして彼らを更迭できない会社が楽天のような大手インターネットビジネス会社に少なくないこと。
なぜ若いインターネットビジネス界に80年代の遺産のような人達がいるかといえば、会社が若いゆえにビジネスのノウハウがないせいです。特に多角化の際には進出する業界の情報や仕事を伝授してもらうために「先生」としてお越しいただいたケースが多く、そのまま居残り独自の地位を築いている人も少なくありません。

このような「バブル脳」なポンコツ上司が高い地位のままでいると、席が空かないせいで下が詰まってきます。

 

楽天には誰も知らないような矮小なサービスがいくつもあります。インターネットベンチャーということもあり、楽天は比較的新規ビジネスが立ち上げやすい環境にあったようです。またそれらは、そのようなポンコツが居座ったせいてポストがない人達が新天地を目指して立ち上げたようなものも少なくないはずです。

楽天をやめていった私の友人たちの中には、このようなガラスの天井を感じて他社に「キャリアアップ」していった人達もたくさんいます。

言い換えればそれだけ社内体制の不備で人材が流出していると言えるわけで、一口に「会社に合わなかったから辞めていった」などと言える話でもないように思います。

そんな中でリストラがはじまり、不採算事業が整理されていっているのですが、少なくとも新天地を目指していった人達にすれば、今のポストを奪われ、また窮屈で天井がふさがった旧来の枠組みに取り込まれることを意味するわけです。「自分たちの席をなくすまえに、会社を失速させたポンコツ管理職をまず一掃してくれ」と言いたくなること請け合いですね。

今年に入って楽天は猛烈な速度でリストラを進めています。楽天アプリ市場が終了したのも、このリストラの一環でしょう。一時期は一世を風靡したコミュニケーションサービス「前略プロフィール」や「楽天オークション」も終了が発表されました。

しかし、「選択と集中」の結果が必ずしもいい方向に向くとも限りません。なにより一年余りで終了となった楽天アプリ市場の顛末を見ると、大鉈振るうのが遅すぎたのではないかとしか思えないのですよね。

WatchするTargetがNothingになるのでRakutenにはこれからもwork hardしてほしいところです。Restructure、cheerしてます。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

コメントをどうぞ

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。