任天堂が新ハード「NINTENDO SWITCH」を発表


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「NX」という名前で呼ばれていた任天堂の新ハード「NINTENDO SWITCH」のトレイラームービーが10/20、任天堂の公式ホームページで公開となりました。

公開は日本時間の23時。アメリカでは20日の朝9時~10時頃になるでしょうか。ムービーの雰囲気を見ると、ずいぶんとアメリカ市場を意識しているようです。日本市場ももう少し大切にしてほしいものですが…。

WiiUの不振から早々に新ハードが投入されると噂になり、WiiUが年内に生産終了等、日経新聞が(いつものように)飛ばしたりといろいろありました。とはいえ、この飛ばし記事のうち「年内に新ハード発表」だけは当たっていたようですが(笑)。

今回の新ハード「NINTENDO SWITCH」については、NVIDIAも全面協力したようで、同社公式サイトで開発の経緯やNINTENDO SWITCHとの関わりについての記事が掲載されました。

NVIDIA の技術が任天堂の新ゲーム機「Nintendo Switch」に採用されました(NVIDIA JAPAN)

ディープラーニング用のワークステーションを販売したり、GPU自体もその演算能力が描画以外に使われたりと、カノープスのSPECTRAやVoodooといったボードが人気だった頃と比べるとNVIDIAの立ち位置にも隔世の感があります。

ともあれ、本ハードの設計にはNVIDIAが深く関わったということで、来年末発売予定のXbox Oneのハイスペックバージョン「PROJECT SCORPIO」のMicrosoft&AMD陣営と対立軸が鮮明となりました。

惜しむらくは、両ハードが独走するPS4に追いつけるかということです。最近二重国籍で話題となった某議員はかつて「2番ではダメなのですか」と言ってました(この人、「2」が好きですね)が、NINTENDO SWITCHもPROJECT SCORPIOもまずは2番争いを演じなければなりません。PS4も11月に4K出力ができるハイスペックバージョンが発売されますし、先日発売されたPSVRも好評です。
こうなると、果たしてハードウェアの性能や体験だけで戦えるのかな…という気がしてなりません。

トレイラームービーにあるように、NINTENDO SWITCHは全据置機ならびにスマートフォンを含めた携帯機との競走を視野にいれて開発されています。テレビで遊んでいたゲームをそのまま外に持ち出したり、切り離せるコントローラーですぐに2Pプレイができたり。あらゆるゲーム機の概念を覆すハードウェア構造に驚いた人も多いと思います。

しかし、そのためトレイラーに登場したゲームが既存のものとあまり変わりない事が気になって仕方ありませんでした。つまり、NINTENDO SWITCHの体験は「据置機のゲームがそのまま持ち出せる」というだけになってしまわないか、という懸念です。

NINTENDO SWITCHは確かにゲームの体験を大きく変えるでしょうが、Touch Generationほどのインパクトを与えられるのか、PSVRのような根本的に体験の基準を変えられるのか、それともスマホのようにユビキタス的存在になれるのか、そのあたりが大変不明瞭でまったく測れません。もし、NINTENDO SWITCHの画期的な機構にマッチングしたコンテンツがなければ、画期的なハード構造も宝の持ち腐れになりかねません。

スマホを遥かに凌駕するグラフィックを持ち歩けるのは素晴らしいですが、スマホで人気なのはポチポチボタンをおしたり指でなぞるだけのようなライトなゲームです。一方で据置機は依然としてリッチなゲームが人気なわけで、ここを両立することで喜ぶユーザーってすでに「狭く」なっているような気がしなくもありません。となると、スマホのようなライトウェイトなゲームの供給も必要になります。DeNAがビジネスパートナーとして発表されていますが、このあたりは現在ソーシャルゲームやスマホゲームを開発しているメーカーが担うことになるでしょう。

しかし、そのようなゲームをテレビにつないで遊ぶ必要ってあるのでしょうか?

何が言いたいかと言えば、現状既に大きく分かれてしまっているゲームの方向性を、NINTENDO SWITCHは収斂させることができるのかどうなのか、ということです。

様々なスタンスのゲームが遊べるというのは一見するとハードポイントのように見えますが、かえってハードの特性をぼやかしてしまう危険もあります。NINTENDO SWITCHの場合、少なくとも据置機でも携帯機でも遊ぶ意義のあるゲームを作らないと、そのハードウェア特性は無意味になりかねません。持ち歩いてスポットでボーナスをもらうとか、ポケモンGOのような遊び方もできるかもしれませんが、スマホ一台で済むゲームをNINTENDO SWITCHでやってはあまり意味がないと思うのです(そういうゲームがあってもいいとは思いますが)。

ただ、据置機と携帯機の境目がなくなることで、PS陣営のような据置機版(PS4版)と携帯機版(PS Vita版)を別々に販売する必要はなくなります。対応機種が減ることで購入機会は減るでしょうが、ハードウェアが一つであるため開発リソースを縮小することも可能です。なおよりユーザーにとっては、ほぼ同じゲームだというのにPS4版とPS Vita版を別々に買わないといけないとか、Saveデーターのシェア設定がどうこうというお財布に優しくない上にめんどくさい売り方がなくなるのは朗報だと言えるでしょう。もちろん、ハードウェアを別々に買う必要もなくなります。

特定のゲームの事をいうとアレですが、ダライアスバーストCSなんて、ほぼ同じどころかPS4版はR2、L2ボタンが使えないという「ただVita版から持ってきただけ」という仕様な上7000円近い金額で販売というなんとも残念な感じでした。あのような悲劇がなくなれば幸いなんですけどね…いや、結局買いましたけどね。PS4版も(笑)。

またゲームソフトの供給がメモリーカードになったため、後方互換はおそらくなくなっているでしょう。これまでの任天堂のハードは後方互換をしっかりと持ってくれましたが、ハードのアーキテクチャを一新したため切り捨てたようです。
これは悪いことだけではなくて、これまでのソフト資産を活かすためにWiiUを活用できるということでもあります。なのでNINTENDO SWITCHとWiiUの並立はありえるわけで、新ハードが出たからといって既存のWiiUユーザーがないがしろになるようなことは(おそらく)ないかと思います。

なんにせよ、ハードウェアが売れるかどうかはコンテンツにかかっています。来年の三月の発売日までにどのような展開を見せてくれるのか、大変楽しみですね。

※画像は任天堂公式HPよ

(文/赤蟹)

 


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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