うるさい!うるさすぎる!さいたま名物「珍走団」


bousouzoku_chinsoudan

はじめて「いらすとや」さんの画像使わせてもらいました。

さて、父の急逝より一週間、悲しんでいるヒマもなく葬儀のあれこれや手続きで我が家は大わらわ。母と兄弟で手分けしていろいろと葬儀ミッションをクリアしているわけですが、そんな状況もあって東京に帰れない日々が続いております。

そんなわけで埼玉に一週間ほど滞在しているのですが、毎晩のように暴走族が爆音を掻き鳴らしており、いやがおうでも埼玉気分が高揚させられます。さすが「マイルドヤンキー」の本場だけあって、このあたりの演出もぬかりありませんね。

「翔んで埼玉」で魔夜峰央に激しくディスられまくり、「口が埼玉になる」がインターネットミームとなったりと、35年前から待遇が変わらないダサイタマですが、東京近傍の県として明らかにダサい人種が存在しているので仕方ないところではあります。千葉や神奈川西部も変わらないとは聞きますが、マイルドヤンキーなる種族は北関東に多くっ分布しており、我が故郷鷲宮(現久喜市)も北関東からの影響を免れないのでどうしても両県よりもヤンキー率は高くなっていることと思います。

マイルドヤンキーについては当「てらどらいぶ」でも私が埼玉県出身であることを生かしてたびたびとりあげています。

とはいえ、私が住んでいた頃にはまだマイルドヤンキーなる概念もなく、ショッピングモールもなかったのでロードサイドの飲食チェーンや量販店に群がるなどの生態を見せていた彼らですが、押し寄せる郊外型ライフスタイルの変化によって彼らの生活も大きく変わっていったかと思われていました。

しかし蓋をあけてみれば、いまだ夜ごとエグゾーストノートが響き渡るトラディショナルなダサイタマがそこにありました。

これまでは帰省してもせいぜい三日程度しか実家にいなかったため、珍しく走ってる(つまり珍走!)ものだと思っていましたが、まさか一週間途切れることなく毎晩走っているだなんて思いも寄りませんでした。
さらには雨の中でも暴走を決行、彼らのその(不必要な)行動力と覚悟には驚かされるばかりです。

ただ、気になった点が一つあります。

排気音を聞く限り、最近の暴走族は一台で走っていることが多いようなのです。

 

地元に密着して生活している彼らは、学校時代の上下関係や地域のしがらみもあって脱退すら許さない鉄の絆(?)で結ばれているわけですが、そのわりに統率についてはだいぶ適当なようで、彼らが集団走行している時の排気音は小学生の鼓笛隊にすら勝てない不規則さです。
間違っても軍靴の音のような規則正しいリズムを刻むことはなく、それぞれが思い思いのタイミングで空ぶかししているのでただただうるさいだけです。

しかしこの一週間に聞いた中で、そのような不協和音はほぼなく、ソロで珍走しているヤツがほとんどのようでした。うるさいことには変わりないのですが、伴走車のいない珍走はまるでMMORPGでひたすら素材集めをしているアカウントのような寂しさがあり、そんな淋しい思いするくらいなら走らなければいいじゃんとアドバイスしたくなるような哀れさすら漂います。

さすがに埼玉とはいえ、珍走行為はすでにレアになっているのかもしれませんね。

彼らはなんで一人で走ってるんだろう…ということをしばらく考えていたのですが、彼らの珍走って東京でいうなら駅前でギターを掻き鳴らしているのと実は大差ないのではないかと思ってしまいました。

幼さゆえの社会への不満であったり、やり場のないパッションであったり、また自己顕示欲であったり。若者特有のエナジーが都会では駅前でのギターソロ、田舎では夜中のバイク珍走になるのではないでしょうか。モチベーションの根っこはそこまで変わりはないように感じます。

問題は、ギターソロの場合ミュージシャンへのサクセスロードへのワンチャンがありそうですが、バイク珍走は将来にほぼなにも繋がらないだろうというところですね。どっちもうるさいという意味ではあまり変わりがないのに。こんなところでも地方格差を見てしまうようで、なんともやりきれない気分になりますね(嘘)。

もう一つの可能性として、生涯現役なミドルが暴走行為をしているというものがあります。こちらについては最近になってたびたび話題になっているマイルドヤンキー論の範疇に入ってくるかと思われます。

珍走を繰り返す彼らは、いずれ地方経済の底辺に組み込まれていく運命にあります。労働集約やブルーカラーの仕事だらけの地方にあって、休日には一攫千金を夢見て朝からパチンコ屋に通い、実際はそこまで安くないショッピングモールにいりびたり、信号待ちがイヤで角のコンビニの駐車場をショートカットするような「チョイ悪」な日常を繰り返して生きていくしかないのです。

埼玉にはいまだに半ケツスタイルのおにーさんたちがいます。今の人は分からないので説明しておくと、20年前くらいにズボンをずりさげて履くスタイルがナウなヤングにバカウケだった時期がありました。
若い人が分からないファッションということは、彼らは当時から今まで半ケツを貫いた真の半ケツニストだと言えます。言い換えるなら齡30を越えた男性がいまだに半ケツでコンビニに立ち寄っているのがリアルな埼玉の今です。

暴走族がソロ活動になったり、いろいろな変化はあるようですが、埼玉はやっぱり埼玉なんだなぁと感じずにはいられない一週間でした。

とりあえず葬儀や手続き関連で本当に疲れているので、暴走族のみなさまにおかれましてはうちの弟が黒塗りのクルマにぶつかる前に夜の安寧を返していただきたいと願うばかりです。

(文/赤蟹)

 

 


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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