めがみめぐり。ヒロインと一緒に成長してほしいゲーム。

3DSにもスマホライクに基本無料(ゲーム内課金)のゲームが増えてきました。今回紹介する「めがみめぐり」もそんなゲームです。


めがみめぐり公式HPより

プレーヤーは交通系ICカードに憑いたツクモガミ「ツクモ(デフォルト名)」と、全国の駅を回って彼女が一人前の女神になるお手伝いをすることに。
キャラクターデザインはラブプラスで一世を風靡した箕星太郎先生。Live2Dでイラストそのものがぐりぐり動くので、ラブプラスの頃とは隔世の感があります。たった8年しか経ってないのですが、グラフィック技術の進化はホントすごいですね。

全国の駅をめぐると聞くと、「駅メモ」のようにリアルの駅と連動した位置ゲームのように思ってしまいますが、「めがみめぐり」は駅をマスにした「すごろく」です。
路線図をそのままボードゲームにしたイメージです。子供の頃にそんな遊びを思いついた人は少なくないでしょうし、実際に過去には、鉄道路線をテーマにしたボードゲームも販売されていました(エポック社のいい旅チャレンジ20,000kmなど)。12月に新作が発売された桃太郎電鉄も、モチーフ的には近いでしょう。

しかしめがみめぐりがクレージー(褒め言葉)なところはJR各線や都市近郊私鉄はおろか、マイナーなローカル線や第三セクター、果ては路面電車まで網羅している点です。言うまでもありませんが、それらの路線の全駅が収録されています。

また、位置観測はしないまでも、交通系ICカードに記録された乗車実績を読み込ませることもできます。公式ページの説明によると、こんなカンジです。

「めがみめぐり」では、ニンテンドー3DSシリーズ史上初めてとなる、日本の交通系ICカードと連動した遊びも楽しむことができます。

交通系ICカードを読み取らせると、乗車履歴やお買い物の情報によってツクモとの会話が発生したり、アイテムを入手できたりします。

なんと、全国で利用可能な交通系ICカード10種に対応!

また、実在する全国9,000駅以上の駅がゲーム内に登場!
地方のプレイヤーも、普段使用している最寄り駅でICカードを使って、ツクモとのコミュニケーションを楽しみましょう!

交通系ICカードの買い物記録などを利用したキャンペーンも行われており、リアルとの連動もこれまでにない展開を見せています。このシステムのおかげで、今まで乗ったことのない路線や降りたことのない駅、利用したことがないお店に「行ってみよう」という気持ちになります。しかも専用のカードやお店からもらえるチケットなど必要とせず、ただ交通系ICカードで決済すればOKという手軽さも見逃せません。

このような新機軸を打ち出した本作ですが、一方でゲーム本編は大変地味であり、本当に路線図の上を行ったり来たりしているだけです。
駅に到着するとイベントが発生するのですが、お供えものや食材、もののけなどの特定イベントが設定されている駅以外では、ツクモとの会話イベントが発生します。

かわいいツクモとコミュニケーションできる、「めがみめぐり」のメインコンテンツですが、残念なことに現状で実装されている質問のバリエーションが少ないため、しばらく遊んでいると同じ質問が何度も飛んでくることになります。
同じ質問ばかりなので、こちらの答えもだんだん底をついていきます。たとえば「仲の良い家族」の質問を何度もされるのですが、当然家族の人数以上に答えられません。
よく利用する駅だって、何個も答えられません。特に自動車社会の郊外、地方の人は答えようがないのではないでしょうか。
家族の質問については同じ答えを何度入力しても大丈夫なので、わざわざエア嫁、エアおじいちゃん、エア妹を作る必要はありません。しかし、一部の質問では同じ答えが許されてないものもあり、「主人公の事を知りたい」というツクモの欲求に対してウソの答えを返さざるをえないつらさに直面します。

楽しいはずのコミュニケーションイベントがだんだん鬱陶しくなり、駅には止まらず途中のマスや会話イベントが発生しないイベントマスに停まろうとしている自分に気づくはずです。

同じイベントが何度も発生するわずらわしさ、テンポの悪さにみるみるモチベーションが下がっていきます。めがみめぐりのために電車に乗ろうと決めた2時間前の決意も徐々に薄らいできます。

ツクモのイラストや仕草にこだわりが感じられるだけに、肝心のゲームが煮詰まっておらず、皮肉にも単調なゲーム展開が際立っています。
また、路線図画面も拡縮ができずに全体が見づらい上、そもそものインターフェイスも微妙なため、全体として遊びづらい印象がぬぐえません。

ツクモが魅力的なだけに大変もったいないのですが、現状のままで2月のアップデートまでどれだけのプレーヤーが残存するか気がかりです。早め早めにコンテンツを追加していかないと、ビジュアル面だけで「シコリティ」重視のソーシャルゲームと向こうを張るのは難しいと思われます。
そのソーシャルゲームすら残存者利益にすがっている中で、熾烈な可処分時間争いに勝ち抜くには、ゲーム性を高める以外にありません。でなければ、そもそも3DSというゲーム機で出した理由もなくなってしまいます。

無料で箕星太郎先生の美少女がぬるぬる動くアプリがゲットできる…と考えると悪くはないように思いますが、現状それだけのゲームになってしまっているように思えてなりません。

リリース後もアップデートされていくことが前提のゲームなので、サービス開始時点で結論を出すの早いと思います。「ツクモ」と一緒でゲームもまだまだ成長途中なんです。きっと。

なんにせよ、2月のアップデート次第ですね。それまではツクモに乗車履歴を食べさせるアプリになりそうです。
なお、全区画一律運賃かつ車内で運賃を払う路線は、ICカードに乗車履歴は残りません。具体的には都営荒川線のことなのですが、いくら乗り降りしてもツクモに乗車履歴を渡せないんでご注意を(経験者談)。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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