コンビニがなぜエロ本の代わりにおむつを売らないといけないの??

Twitterで「#コンビニはエロ本を売らずにおむつを売れ」というタグが流行っているそうです。

そもそもコンビニでオムツは販売されています。数枚で500円前後というかなり割高な価格でですが。

コンビニや多くの店舗には売り場面積という物理的な限界があります。面積ごとの売上の高さでどの商品を置くのか、ということをフランチャイズはPOSを通じて細かく見ているわけです。

となると、かさばるオムツよりもぺらぺらなエロ雑誌一つ置いたほうが面積ごとの売上は高いと判断されるのは当然のことですし、在庫リスクも考えれば数枚で500円という高単価なオムツの価格も納得できます。
コンビニで買われるオムツはコンスタントに買われるわけではなく、非常用として購入されるケースがほとんどと考えられます。特別な需要が発生しなければ購入される商品ではないのです。

売り場のスペースも限られているわけで、お店側もその専有面積に見合った利益が出なければ置く理由がありません。コンビニのオムツが高額なのは「いつまでも売れなかった場合のリスクヘッジ」です。
エロ本の代わりにオムツを売れと主張する人たちも普段は安いドラッグストアやスーパーで購入するのでしょうし、コンビニも慈善事業でない限り、売れない商品を消費者のために並べている余裕なんてないのです。

売れるものを優先して置くなんて儲け主義で消費者の事を考えていない、などと言っている人も見かけますが、残念ながら商売の世界はそんなに甘いものではありません。店舗を経営する人間が儲け主義になるのは当然です。オーナーの方だってエロ本を置くことに不快感を持っている人もいるでしょうが、売れるのだから置かざるをえません。フランチャイズ本部もそう指示してくるでしょうし。

なお、利益率の話で言えば、エロ本よりオムツの方が高いです。仲卸を挟むとだいたい売価の40%程度の利益(粗利)となるそうです。一方でエロ本ですが利益率は20%程度。だったら同じスペースでオムツ売ったほうがいいじゃない、ということになりそうですが、書籍の場合は再販制度があるので、まず在庫リスクがありません(※)。売れなかったら出版社に突き返すことができるので、バックヤードも書棚も圧迫しないで済むのです。また本は商品の回転も早く、なおかつ月ごとにある程度の需要が見込める新商品が販売されるので、いつ売れるか分からないオムツよりも売上が見込めることになります。
そんなエロ本以上の利益とリスクヘッジができるならコンビニオーナーも喜んでオムツを置くと思いますよ。
※一部買取の書籍もあります。

 

セクシー女優に詳しい方なら「全パブ」という言葉を聞いたことがあると思います。これは、その女優の情報、特に画像に関して「どの媒体までOKか」というものです。パブNGなら雑誌やネット上の掲載は不許可(もちろん配信サイトや通販サイトでの掲載はOK)。続いて男性誌、一般紙、コンビニ雑誌などのパブ制限がつき、無制限で使用してOKな女優は「全パブ」となるのです。

パブの制限で男性誌、一般紙、コンビニ雑誌と分かれているのは、販売される店舗の特性と数によります。あんな有名な女優なのにコンビニNGなんだ、という人も多くいます。
パブを制限するのは親バレ、彼氏バレのリスクを回避することや将来のためです。特に単品出演の一般女性の場合(一応プロダクションには所属するので厳密には素人とは言いづらいのですが)は、当然のようにパブNGの人がほとんどです。

さて、このパブ制限の話で、不特定多数の人の目に触れる可能性があるコンビニ雑誌には表現規制がかかっているということはご理解いただけると思います。
コンビニで販売できる「エロ(要素のある)本」はある基準に基づいて適合不適合が決められており、過激な内容の雑誌や書籍はコンビニでは取り扱えません。

コンビニに置かれている「エロ(要素のある)本」は比較的マイルドなものがほとんどです。表紙にしても使える画像の基準が定められ、使える文言にも規制がかかっています。コンビニで販売されているエロ漫画雑誌が詩的で婉曲的な表現を使っているのもそういう理由です。
さんざん取りざたされているゾーニングの問題ですが、上記のようなルーリングに基づき、販売の時点ですでに選別されています。

 

もちろんどれだけ規制をかけたとしても子供に見せたくないと考えたり、ポルノそのものを不快に思う人間にエロ本を見せて良いかどうかは、各人の倫理観や価値観によって判断は変わってくるでしょう。
私ももともとアダルト商材を取り扱っていたので、ゾーニングは慎重にすべきであり、コンビニなど比較的パブな場所にエロ本を置くのはどうかと考えています(これは感情論ではなく、ビジネス的な理由によるのですが、ここに書くべきではないのでまた別の機会にお話します)。
しかし、ただ一部の人間が不快に感じるという理由だけで規制のやり玉にあげたり、ポルノ雑誌制作者やユーザーをさげすむ発言をするのはいかがなものでしょうか?

エロ本を児童虐待や女性差別と同義に唱えるポルノ撤廃主義者がいますが、当然コンビニで発売されているエロ本に児童なんて出ていませんし(そもそも年齢確認が取れないと出演できない)、登場する女性も自由意志、もしくは仕事として脱いでいるわけです。
その仕事を否定することは、女性が自由に仕事を選択する権利そのものを否定するものです。それこそ女性差別と言えるのではないのでしょうか。
それともう一つ。エロ本の編集・制作には多くの女性が携わっています。編集者、ライター、写真家等々、様々なところで女性が「活躍」しています。エロ本を消費しているのは男性かもしれなませんが、作っているのは男性だけではありませんし、彼女たちもまた自由意志でエロの世界に飛び込んでいる職業人なのです。
エロ本を女性差別と簡単に言ってしまう人は、このあたりの想像力が欠けているのでしょうね。いつもの「空中戦」の話ではありませんが、本質をみずに理想だけ並べ立てても、世の中なにも良くなりませんよ。

 

そもそも、オムツを置くこととエロ本を撤去することは別義であって、同時に条件を満たす必要はないと思いますが。なんでオムツとエロ本がバーターになるのでしょうか? 必要なものを置いてほしいと、不快なものは置かないでほしいは別にイコールでつながるものではないでしょう。
少なくとも「オムツやサニタリー用品をコンビニにおいてほしい」という一義の提案であれば、賛同する人も多かったはずです。ミサンドリーに基づく男性の性欲の否定なんてしなければ良かったのです。

なお、この手の話が出ると毎回思うのですが、なぜ「性的に過激な表現が多用される」レディースコミックを撤去せよって話にならないのでしょうか? 正直、レディコミって私が読んでもドン引きするんですけど…。
あとケータイのキャリア公式コミックサイトでも、TLやBLと言った女性向けのエッチなコミックが売上の大半を占めるくらいだったのですけどね。そんなコミックが普通にコンビニで売られている現実についてはどうお考えなのか、ぜひお聞きしたく。

(文/団長)


団長

「てらどらいぶ」管理人。
ゲーム開発のディレクター、動画配信サイト管理人のプロデューサーなどを歴任。
心のゲームは「ウィザードリィ」と「ザナドゥ」。ドラクエとFFならドラクエ派。

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