【蟹さんレビュー】パーマンアニメ第二作 パー子回レビュー その1



パーマンのアニメ版第二作のパー子回(?)を中心にレビューしていきます。
私はアニメ関連の仕事をしていましたが、作監がどうこうというとか、深い話はできません。あくまでエピソードを見た上での感想のみとなりますので、あらかじめご理解ください。


レビュー前に、パーマンのアニメ版第二作全体の(簡単な)感想を書いておきます。

以前、パー子について記事を書いたので、パーマンそのものについての感想はこちらをお読みください。

で、新アニメ版ですが…
のっけからけなしちゃいますが、脚本の品質にバラつきがあります。
すごくいいエピソードはすごくいいのですが、ダメなエピソードはとことんだめです。
設定が覆ることもしばしば。特に後半になるにつれひどくなるので、これは文芸担当がどうこうではなく、好況期の濫造の結果かもしれません。作画の品質もバラバラです。

時系列に沿って展開される話ではなく、各エピソードごとに独立した単話作品なので、設定が思いつきで付け足されたり、無かったことにしやすかったのかなとも。後半は特にネタが尽きてきたのもあるのか、雑さの勢いが増してきます。ついでに作画も雑になっていきます…。

みつおをはじめとしたキャラの設定もころころ変わります。まるで「細けぇことはいいんだよ」と言わんばかりですが、実際細かく見てしまうとパラドックスの罠にはまるので、これはあくまで子供向けアニメなんだと開き直って見るのが吉です。

10分程度のエピソードの中でまとめなければならないので仕方ないかと思いますが、もうちょっと丁寧に作ってほしかったなぁと思わざるを得ませんでした。

 

パー子と1号のラブコメ要素が語られがちなこともあり、本作が小学生高学年をターゲッティングしたちょっと大人な内容かと勘違いする方も多くいらっしゃると思いますが(例:私)、実際には「へこー!」に代表される低学年向けの分かりやすいナンセンスギャグアニメであり、原作やモノクロ版のようなテイストを期待すると肩すかしをくらいます。

もちろん、それが悪いわけではありません。
ギャグ要素は原作やモノクロ版よりも強くなっているので、お子様ウケは良さそうです。実際、そのマーケティングは成功したようですし、商業的な見方をすれば、子供向けにしたのは正解だといえます。
子供だましに見えるのは、私たちが大人になったからであって、パーマンのせいではありません。

そして期待のラブコメ要素ですが、ラブコメ路線にスイッチされたとされる後半でも10話のうち1話~2話くらいで、残りは子供向けの普通(?)のアニメです。
子供向けのエピソードの中にラブコメエピソードが混ざっている、というのが実情です。後半にいくにつれ、ラブコメ要素の「甘さ」は増していくので、思春期のボーイズ&ガールズは親の前で見るのが恥ずかしかったかもしれませんね。


…なんだか悪い点ばかり書いている気がしますが、今後の各話レビューでは持ち上げまくりますので、許してください(笑)。

そんなわけで、パー子回のレビューをはじめます。
パー子回の定義は「パー子のみつ夫がよくからむエピソード」ということにしていますが、初期のエピソードは原作のエピソードをアニメ化している関係上、後々のような深い人間関係が描かれることはありません。なので私の独断で「これはパー子回だ!」と思うものをピックアップしました。
レビューについては、かなり私心が混ざったものになっています。あくまで個人の感想なのでご容赦ください。
タイトル前の番号は話数です。

 

4:こんにちは、パー子です。
原作の前半分を本案した内容です。名言「パーレディ」が出てくる回でもあります。盗んだパーマンセットは謎の老人ではなくカバ夫がパーチャク。
この回の見所は、なんと言ってもパー子の「あんたなんか顔なんて見たくないわ!」でしょう。
いずれ見たくても見ることができない状況になることを考えると、とても切ない気持ちになりますセリフです。

 

8:パー子の正体
パー子がはじめてみつ夫の部屋にやってきます。
部屋に女の子を連れ込んだのだからママ(とガン子)も気になっているようですが、思春期の息子を持つ親としてというより、窓から出入りするのが行儀悪いと思っているだけのようですが。自分の息子がモテるわけがないとでも思ってるのでしょうか。でもおたくのご子息、そのうち最強のリア充になりますからね(?)。

アニメ版の追加要素として、1号と星野スミレとの出会いがあります。
スミレちゃんとパー子が同じ服を着ていると指摘するブービーに、「バカいうなよ!僕のスミレちゃんとあんなおてんばパー子一緒にするな!」と怒る1号。
こんなにスミレちゃん好きなのに近くにいると全く気づかない1号ですが、これは鈍感というより認知の問題です。パー子とスミレちゃんが同一人物だと認めたくないという気持ちが強いため、1号はこの後500余話に渡ってすさまじい鈍感さを示していくことになります。まあ、小学生にありがちな意固地さってことで。

なおリアルタイム放送時の私も、素直に「似ている服着てるだけなんだぁ~☆」と思っていました。純真でしたね、1983年当時の私…。

 

12:ゲラゲラ丸SOS
原作「死の船」の翻案。アニメ版第二作は子供向けにリメイクされているため、死とか子供が怖がる要素は全てトリミングされています。
原作同様にパータッチが発見される回ですが、アニメ版第二作ではこれからの1号とパー子の関係を象徴するかのように、二人だけでパータッチを発見します(原作だとブービーもいる)。顔をあわすたびに喧嘩していた二人が、ワンツーワンで互いをパートナーと認めあうようになります。美少女ゲーム的にいえば、最初のフラグを立てたというところでしょうか。

 

16:やさしいやさしい女の子
パー子の先進的な女性観、そして家事能力の低さが露見する回です。
それよりパー子が怒って帰った後にすかさず(誰もいない家に)みっちゃんを呼びつけるみつ夫。この女性に対するアグレッシブさが、モテないながらも非リアではないみつ夫のポテンシャルにつながって…いるのかなぁ…。

 

19:パーマンやめたい
みつ夫というキャラクターは一見だらしのない劣等生ですが、その内側に強い義侠心と気高さを持っています。その心の強さがパーマンセットというフィジカルの能力を補ってくれるアイテムを得て、初めてパーマンとして悪に立ち向かえるようになるのです。
しかし子供らしいジレンマも抱えていて、それが原因で何度かパーマンセットに背を向けさせてしまいます。
今回もそのような話で、パーやんへの劣等感から自信を失い、パーマンをやめると言いだします。

パーマンやめると言い出したみつ夫をなんとか思いとどまらせようと、パー子とブービーがてんてこまいになるのですが、浅はかさと計画性のなさゆえ失敗続きになるという話。結局空回りして終わるのですが、このエピソード以降、お節介焼きという第二作版パー子のキャラクターの根幹を成す要素が形作られていくことになります。

なお、この頃は「みつ夫さん」「みつ夫くん」が混在しており、口ではリーダーといいつつも、まだまだみつ夫を認めきれていないパー子の心情がわかります(台本のせいとか言わない!)

 

21:女の戦い
若干(尺の関係で)省かれている戦闘軸はありますが、ほぼ原作通りです。そしてパー子というキャラクターの外殻がはっきりしてくる回でもあります。

  1. みつ夫の部屋に気安くあがりこむ
  2. みっちゃんにライバル心を燃やす(後に嫉妬に転化)
  3. 星野スミレと同一人物とほのめかす描写

パー子というファクターを究極的に単純化して話す場合、この三つと「おてんば」が揃えばだいたい語れます。たぶん。
これも原作にあるエピソードですが、尺の関係でバトルの要素がいくつか省かれています。おかげで原作やモノクロ版ほどみつ夫がちやほやされません。

そういえば、パー子のフィギュアが今月発売されます。


※画像はAmazonより

新コミック版最終回の、みつ夫に正体を明かすシーンの立体化です。ステキですね。私はもちろんAmazonで予約してます!

つづきます。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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