SNSのシンパシーと全肯定は、精神の毒となって暴言を生み出す。

朝から晩まで過激な言葉や、男性への誹謗中傷を繰り返していた女性作家、山崎マキコのTwitterアカウントが凍結されていた。

以前てらどらいぶでは、私が山崎マキコ女史に暴言を吐かれたことをきっかけに、彼女の足取りを追った記事を書いたことがある。

萌えの街とか、鼻が白くなりますわ。秋葉原風俗街で十分ですわ。まあ、「萌え」っていうのは「ポルノ」っていう意味なので秋葉原ポルノ街でもいいんですがねー。

この発言に対し、秋葉原の価値を毀損する発言ではないかと言ったところ「ポルノが好きな気持ち悪い男」と言われてブロックされたのである。なんと失礼な発言だろうか。反対の意見を持つ人間には人権がないとでも言いたげである(引用は下記リンク)。

その記事は現在公開を中止している。記事に対し、法的措置をほのめかした抗議文が送られてきたためである。やたらと詳細な抗議であるため、ひょっとしてご本人かと思ったが、まあ深くは考えまい。

ともあれ面倒事はごめんなので、記事はひっこめることにした。

やれやれ、NewsPicksといい、彼女といい、よくもこんなマイナーサイトの記事を見つけてくるものである(SEOが強いからなのであるが)。

■SNSの怒りが止まらなくなる現象

凍結されてしまった山崎マキコ女史の発言は、現在下記のまとめで読むことができる。

進撃の山崎マキコ

以下に彼女自身の発言を引用する。

男豚には労基なんていらないと思うんだわ。男豚限定で「時給560円」で稼ぐ権利を与えてやろうぜー。派遣ユニオン?男豚にはいらんいらん。時給300円ぐらいでもいいんでね?男は他人(女)の人権侵害はOKなんだろ?ならば男豚がブラック企業で稼がせてもらう権利は奪っちゃならないw 権利ィ!

「男豚」という言葉にワードセンスが光る。この発言は、並みいる山崎マキコ語録の中でも、まだマイルドな方だ。
このまとめを読んで行くと、正視に耐えない言葉がどんどんと溢れてくる。正直、ヘイトスピーチ対策法を適用したほうがいいのではないか、とさえ思う。これだけの発言をしていれば、今回の凍結もむしろ止むなしとしか思えない。

しかし彼女は、何に対して腹を立てているのか。そんなに腹に据えかねることばかりなのかと思ってしまうが、だいたいそういう人は自分の怒りを怒りでブーストさせ怒りの円環に陥っている場合がほとんどだ。もしくは怒りの核分裂ともいえる。

SNS論壇の恐ろしいところに、同一の意見を持つ人間とのシンパシーが暴走し、思考が先鋭化していく現象がある。仲間内でお互いを全肯定している間に、自らの考えは完全に正しく、一切の瑕疵はないと思い始め、同時に反対の意見を持つ者はどのような言葉を使って貶めても良いと考えるようになってしまうところだ。

そして怒りをも肯定させ、暴言を生み出していくのだ。

これは様々な場所で見られる現象である。ネトウヨ界隈やパヨク界隈、カウンターヘイト界隈。どこにでも先鋭化したアカウントは存在する。そして「死ね」「殺せ」が口癖になっていく。

危険な発言を繰り返すアカウントは、Twitterの規約にそって凍結される。彼女もそう判断されて、アカウントを凍結されたのであろう。

しかし、こうも考えられる。アカウント凍結は、彼女にとっていい「休養」になるのではないか、と。

このような思考に陥ってしまった場合、コミュニティから離脱する以外に正気にもどる方法がないからだ。

ウワサでは別アカウントを作って活動を継続しているとも聞く。老婆心ながら、もうTwitterをおやめになったほうが良いのではないだろうか?

 

■SNSという精神の毒と、どうつきあうか

彼女に限らず、似たような現象に陥りがちな人もいる。これはいわゆる「意識が高い系」でも見られる現象だ。
FBやNewsPicksなどで意識の高い人々の世界に入り込み、意識の高さ競争を繰り広げた結果「残業100時間超で死んでしまうとは情けない」と発言してしまった元教授の件もある。

SNSは精神の毒をもたらす。シンパシーと全肯定。この二つが徐々に心と脳をむしばみ、正常な判断力を奪っていくのである。作家や元企業役員、元教授ですら、その罠から逃れられなかったのだ。自らの言葉で自らが縛られ、周囲にたきつけられるままに危険な言葉を吐き出してしまう。

果たしてそこに、自我はあるのだろうか?

もし「男豚」という言葉も、「残業100時間超~」という言葉も、実は自分の意思ではなく、SNSの雰囲気に言わされていたとしたら?

実はSNSの毒に冒され、うだるように危険な言葉を吐いていたとしたら。

それはもう自家中毒としか言いようがない。

自らの言葉で自らを傷つけ、場合によっては社会的信用まで失ってしまう。こんな恐いことがあるだろうか。

SNSのコミュニティは、ある意味で蟲毒皿のようなものだ。自己顕示欲が強く攻撃的な性格を持っていると、周囲の誰よりも強い言葉を吐きたいと願い、敵意をコントロールできなくなっていくのである。こうして発した毒は、さらに周囲の人に伝播する。こうして、コミュニティはより攻撃的で先鋭化したものへと変わっていく。そしてまた、誰よりも強い言葉を吐こうとしてしまうのだ。

そのような状態になったなら、そのコミュニティとは別れ、SNSを引退したほうがいいだろう。でなければやがて自我を失い、コミュニティ以外の社会から隔絶していくことになろう。そうなれば、死ぬまで危険な思想と共に生きていくしかなくなるだろう。

日本には、そうして50年という時間を無駄にした人達もいるのだ。

私もこのアカウント凍結を他山の石とし、自らを厳しく律していきたいものだ。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。