【ポンこれ】怒鳴り声が常態化している物流業界

またしてもパワハラの話題です。

「クズ」罵声の日々、社員自殺 法規制なきパワハラ(朝日新聞デジタル)

「俺マジいらないコイツ、殺してえなホントに」「小学生以下だお前は。クソ。クソだ」「どこでも空いてるセンターへ行け」「引きずり殺してやろうかと思った」。10日の録音には、センター長のこんな言葉が残っていたという。会話の内容から判断すると、センター長は男性の営業手法が強引だったとして叱っていたようだ。罵声は約2時間も続いたという。

記事には自制できない、子供じみた上司の罵詈雑言が並んでいました。
こんな罵声を2時間も言い続ける時間があったら、ほかの仕事をやっていた方がよほど生産的です。

しかし、おそらくこの職場では、この上司が誰かを罵倒することが「容認」されていたのではないかと思います。

そこには、原始的な物流業界の現実があるような気がします。

 

■取引先を威嚇するヤマト運輸のパート

私は以前、物流関連の部署にいたことがあります。具体的には倉庫管理業務なのですが、その際に契約していた運輸会社がヤマト運輸でした。

その倉庫に常駐していたヤマトの人間はとても横柄で、何かにつけては荷主(すなわちうちの会社)の派遣社員を怒鳴りつけていました。

ロールゲージの積み方が悪いなどと直接怒鳴ることもあれば、直接は言わなくて大声で聞き苦しい文句を叫んでいたりしました。

確かに荷積みしているのは派遣社員です。地位的には低いかもしれませんが、ヤマト側からすれば荷主側の人間なわけです。言うなればお客様です。契約上では対等であるから、荷主であってもへりくだる必要はないでしょうが、それにしても怒鳴りつけるとはどういうことでしょうか。

ついでに言えば、その人もパートタイマーです。
非正規同士で諍いを起こしているわけで、そこには社会の底辺を垣間見る悲しい現象が巻き起こっていたのですが、そんなパートタイマーの横柄な態度に対し、ヤマトの社員が釘を刺すようなことはありませんでした。

同時に荷主側の正社員も(私を含めて)何も言わなかったので、物流業界はいまだに気荒なところが残っているのだろうと思ったものです。

異業種から転属してきた私は、こんな野蛮な世界がまだあることに驚きましたが。

ですので、今回のような罵倒2時間の話を聞く、さもありなんと納得してしまうのです。

 

■結局、上が注意しなければパワハラは止まらない

人間は社会性が強いため、身内の暴力や暴力的な人に対して弱い傾向があります。

不機嫌な人間、声が大きな人間に無意識に従ってしまうのは、人間が群れる動物だからです。

さら日本人は「和」を尊ぶため、その傾向がより強くなるわけです。

一方で、その和を重視せずに暴力的な人間が組織内でイニシアチブを握ってしまう傾向もまた多々あることです。

パワハラ上司は、そのような暴力的な行動や発言もさることながら、会社の組織的にも優位に立っているため、下の人間から「パワハラはやめてください」と言うことは難しいです。

それが、パワハラ環境が温存される原因になるのです。

となれば、パワハラ上司を止められるのは、その上の上司だけです。

今回パワハラを行っていたのはセンター長らしいですが、上の人間がこのパワハラ上司の実態を全く知らなかったということはないと思います。センターに常駐していなくても、センターの空気や異変に気づかないわけがないからです。知っていてスルーしていたのは、上記のように物流業界のデフォルトがこのような「罵倒」に基づくものだからかもしれませんし、センター長の上もまとめてバカだったためかもしれません。

事実、私がいた物流会社も、人材コンサルタントが40過ぎたミドルたちを怒鳴りつけていました。

正直、聞いていて楽しいものではありません。
罵声や罵倒は自分に向けられたものでなくてもストレスを受けます。誰も口にはしませんが、人材コンサルタントの怒鳴り声を聞いて、皆うんざりしていたと思います。

当然、そんな職場で高能率な仕事が期待できるわけがありません。しかし、「そのような怒鳴り方はやめてください」と、下の人間も上の人間も言いませんでした。むしろ怒鳴る(怒鳴られる)のが当たり前のような空気がありました。

そんな環境なので、離職率も非常に高く、一年以内に退社する人員も少なくありませんでした。

なんにせよ、そのようなストレスがマッハな職場に対して、役職もない「部下」側が改善に寄与できることはありません。組織図にのっとり、上司が監督責任のもとで、パワハラ人間を注意ないし制裁しない限り、このようなパワハラ自殺はなくならないでしょう。

結果、ヤマト運輸という社名に泥を塗る事態となったのだから、これら上司もポンコツ中のポンコツであるとしか言いようがないでしょう。

有形無実のコンプライアンスだけで、人の心は縛れないということです。

 

皆さんがAmazonなどで購入した品物は、このような罵声と罵倒の末に届けられているということは、知っておいてください(私はAmazonの人間ではありませんが…)。

というか、ヤマトが人手不足になるのは当たり前じゃないかとしか言いようがないですね。運賃値上げする前に、なにかやることがあるのではないでしょうか?

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。