【蟹さんレビュー】パーマンアニメ第二作 パー子回レビュー その3


パーマンのアニメ版第二作のパー子回(?)を中心にレビューしていきます。
私はアニメ関連の仕事をしていましたが、作監がどうこうというとか、深い話はできません。あくまでエピソードを見た上での感想のみとなりますので、あらかじめご理解ください。

パー子ならびに前回のレビューはこちら

前回は38話「真夜中のお風呂騒動」までレビューしました。その続きとなります。

これまではパーマンとブービーのみの話が多かったのですが、ここからはパー子が端役でちょいちょい出てくるようになります。全てをレビューするときりがないので、みつ夫とパー子の関係にフォーカスした話のみ抜粋していきます。


49. 南の島のサメ退治

コンガリ島に現れた巨大サメを退治するというお話です。

パーやんが賞金目当てで退治をしようと言い出すのですが、沖合で父の仇とサメと戦おうとしている少年に出会います。あまりに無茶だとパーやんが抑えている間、1号とパー子でサメを狩ることになりました。

「こいつは男の仕事さ」と3号をバックアップに残して1号一人でサメと戦います。サメに対して優勢に戦いを進める1号に「すてき!やるじゃない!」と見直す3号。途中海中に引きずり込まれますが、パーマンはパーマンバッチのおかげで水中でもパフォーマンスが下がりません。見事仕留めて一件落着。

1号の強さと積極性が表れた回でした。こういう1号のリーダーらしさが、パー子の恋心を育てていったのでしょう。たぶん。

 

54. パーマンを写そう

と、かっこいい1号の話の後は、しょっぱいみつ夫の話です。

ちびっこ写真コンクールに出場しようとするみつ夫。しかしみつ夫はカメラにフィルムをセットすることもできません。カメラにフィルムをセットというところに時代を感じますね。

そこにパー子がやってきて、フィルムのセットはもとより、コンクールに勝てる写真の撮り方を教えると豪語。その方法とは「美人でスタイル抜群のパー子をモデルに写真を撮る」ということ。中の人が天下の星野スミレと知らないみつ夫は、パー子の提案を一笑に付す。
怒ったパー子はみつ夫と張り合って写真コンクールに出場。パー子はパーマンが活躍した事故現場の写真を出品して見事優勝。
みつ夫は、パー子が事故現場にいけば自分が優勝写真が撮れたんだぞと抗議するも、パー子は「私がモデルになるといったら怒ってジュースを取り上げたくせに」とおかんむり。

これまでも任務中に仕事のスタンスの違いによっていがみあった叱ったりしていましたが、このあたりから、プライベートでも意地の張り合いをはじめるようになりました。

それだけ個人的な関係が深くなった、ということなのでしょう。

 

57. わが友有名人

原作では星野スミレのコピーを連れてきていましたが、本作では星野スミレ…というかパー子が「コピーロボットを遊びに使うな」と怒るのみです。モノクロ版でパー子=星野スミレという図式ができているので、あえて省いたのかもしれませんね。

 

82. アイドルからのラブサイン

第二作でパー子とスミレが同一人物であると明確化される回であり、同時にパー子がみつ夫を異性として意識しはじめるエピソードです。第二作のパー子を考察する上で重要な回であり、その後のラブコメ路線の起点となった回でもあります。

この回では、複数に渡って「パー子=星野スミレ」である証拠が暗喩的にあげられます。以下あらすじ。

星野スミレが出演している歌番組を見ていたみつ夫のところにパー子とブービーがやってくる。ガン子に「星野スミレを見てデレデレしている」と言われ、「あんなぶりっこ」と否定したところ、(なぜか)パー子が怒り出す。その後星野スミレのサインを貰ってきてあげるとみつ夫と約束するパー子。あっという間にサインをもらってきて、嬉しい反面「ずいぶんと早い」と疑問に思うみつ夫。

学校でカバ夫たちに自慢するも、実物を見ないと信用できないと言われる。学校が終わったあとに見せると約束するみつ夫。しかし、スミレのサインはママによって廃品回収に出されてしまう。「命の次に大切くらい」なサインをブービーと共に必死になってサインの探すみつ夫。

パー子はみつ夫のコピーから「命の次に大切なんて大げさ」と言われて、「みつ夫さんがそれだけ星野スミレが好きってことじゃない」と反論。みつ夫たちを追いかける。

その後いろいろあってサインを無事回収するも、うっかり路面に落として車にひかれてボロボロになってしまう。一生懸命サインを探すみつ夫たちに感動し、パー子は星野スミレのサインをどっさり持ってくる。

しかしサインは、実はカバ夫との賭け事に使われていた。約束どおりサインを持ってきたみつ夫は賭けに勝利し、ラーメンをおごってもらう。パー子は「女の子の気持ちも分からないでなんて人なの」と激怒。パー子に追いかけ回され「どうしてパー子が怒るんだよ」と戸惑うみつ夫であった。

「みつ夫は星野スミレの大ファン」「その気持ちを嬉しく思うパー子(スミレ)」という今後の二人の関係を明確化した話です。タイトルの「アイドルからのラブサイン」は「パー子からのラブサイン」と置換できるのです。
しかしみつ夫が好きなのはスミレであって、パー子ではありません。
この頃はパー子の恋愛感情も低いので、「スミレが好きなら私の事も好き」と、単純に受け入れています。

藤子・F・不二雄大全集のパーマン(8)の後書きで、第二作の監督を務めた笹川ひろし氏が、アニメシリーズが長期化し原作が尽きて(ナンセンス)ギャグやラブコメ路線へ舵を切ったと語っています。本エピソードは第二作オリジナルエピソードの二つの軸であるラブコメ路線のスタート地点といえます。

 

85. やさしい悪役

アイドルからのラブサインよりも直接的な描写で「パー子=スミレ」であることが明示される回です。

悪役のおじさんを「実はやさしい人」と知ってほしいパー子(スミレ)は、カバ夫たちとおじさんを交流させるために(少々強引に)野球のコーチをしてもらうことに。しかしコーチングに熱がはいってしまったおじさん、鬼コーチぶりを発揮してしまい逆効果に。

そこでパーマンはパー子にスミレを呼んでもらって、テレビ番組の取材をしてもらえばいいと提案。しかしこの提案は、単にパーマン(みつ夫)がスミレに会いたいからという邪な理由が含まれていた。

スミレに戻って取材に訪れるパー子。パー子は急用ができてこれなくなったと告げるスミレに「パー子なんてどうでもいいの。スミレちゃんさえ来てくれれば」という1号に「まあ!」と怒るスミレ。

しかしおじさんは取材の意図を勘違い。先ほど同様に熱血コーチぶりを見せようとするおじさんにカバ夫たちはどん引き。そんなことも知らず、テレビに写りたくてみつ夫に戻った1号に、「ちょうど良かった。あの人にやってもらいましょう」と先ほどの仕返しをするスミレ。地獄の千本ノックに怖じ気づくみつ夫だったが、スミレから応援されてデレデレしてしまう。

この回から、みつ夫のスミレへの好意を利用して、(スミレに戻って)籠絡するというエピソードが増えてきます。
つまり、パー子=スミレという設定がキーとなるエピソードが増えてくるということです。
みつ夫がスミレと比べてパー子をディスる(女の子扱いしない)ようになったのも、この回からです。

また、この回たびたび見られる「うっかり口を滑らせて正体がバレそうになるパー子」というテンプレが最初に出た回であり、その後のパー子のキャラクターを形作る要素が生まれた重要な回であります。

 

これまでは1号とブービーのみ出演、もしくはみつ夫(1号)のみのエピソードもありましたが、これらの回からパー子もレギュラー化。結果、みつ夫とパー子のかけあいも増え、急速にみつ夫(1号)とパー子の関係は急速に近しくなってきます。

待望のラブコメ路線も、もう間もなくです。

 

つづきます。


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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