童貞棒のいじり方

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人気ブロガー・作家のはあちゅう氏が過去のセクハラ被害を告発して大きな話題になっています。

事態は加害者とされた岸勇希氏の代表取締役辞任・退職にまで発展。はあちゅう氏の勇気ある行動に賞賛が集まりました。

しかし同時に、事態は思わぬ方向へ転舵。
この勇気ある告発を受けて、「お前が言うな」の大合唱が繰り広げられる事になってしまいました。

原因は、はあちゅう氏の過去の「童貞」いじりです。
はあちゅう氏は、非モテの象徴である「童貞」を蔑むような発言を繰り返していました。結果、男性の下半身事情にまつわるその一連の発言も、セクハラの一種ではないかと言われ、かえってバッシングを受けるハメになりました。

この炎上に対し、はあちゅう氏は「童貞をポジティブにとらえていた」と豪快に言い訳しつつ謝罪しました。

 

これ、まんまセクハラする人間の発想なんですよね。相手がどう思うかという視点が欠けているのです。

「童貞と言われてイヤだと思う人がいるとは思わなかった」という発言は、「巨乳と言われてイヤだと思う人がいるとは思わなかった」と主語を入れかえれば、どれだけ配慮が欠けた発言か分かります。なによりセクハラ被害を告発した人間が言うべき言葉ではないのですが、もとより反省する気なんてないのだからこの程度の謝罪になってしまうわけです。

もちろん、こんな謝罪ではチェリーボーイズの怒りはおさまりません。ネットの話題はセクハラ告発よりもはあちゅう氏自身のこれまでの発言の棚卸しがはじまってしまったような塩梅になっています。

 

■童貞の話が強すぎて、もはやセクハラどころの話ではなくなっている。

言うまでもありませんが、彼女が受けたセクハラは許しがたいものですし(というか、岸氏マジきもい)、彼女が過去にどんな発言をしようと、受けたセクハラの内容を減じるような事はあってはなりません。まして童貞をいじる発言があったから告発をするなという、言論の表現を封殺するような事は許されてはなりません。

しかし、人間は感情の動物です。事実は事実として、同情するかどうかは、これまでの印象や感情的判断によります。先にも言いましたが、嫌いなものを嫌いという権利は誰にでもあるのですから。まして本人が万人に好かれるつもりがないのですから、ここは遠慮なく嫌っていいわけです。

今回の炎上はセクハラ告発というトリガーによって現出した「童貞いじり」が争点になっていますが、これにからむバッシングはもはや単なるはあちゅう氏が嫌いかどうかという、非常に単純化されたものへと変容しつつあります。叩く方としては、もはや、はあちゅう氏がセクハラされた話なんてどうでもよくなっているのですよ。

そういう意味では議論は健全化していると言えます。セクハラ告発と童貞いじりの話が良い具合に切り離されたおかげで、過去に童貞いじりした発言があったからセクハラの告発は無効や減点という話にはならなくなったわけですから。

 

■インパクトのある言葉に振るわれる童貞棒

はあちゅうヘイトの中身は、低所得者をバカにしたことやこれまでの鼻持ちならない態度など、実際には多種様々であろうと思われます。もちろん、童貞いじりに怒っている人は必ずしも童貞とは限りませんし、怒っているのが男性ばかりとも限りません。

つまり、これまでのセルフブランディングで強い言葉を使いすぎた反動が、ここにきてお釣りとなって飛んできているということです。きっかけがセクハラ告発だったから、対極として「童貞いじり」という棒、すなわち童貞棒が出てきたという話です。

今一番ナウい#metooムーブメントに乗って、センセーショナルな告発を行い、誰もが同情と賛同で迎えてくれるはずだったのに、まさかまさかの童貞棒ですよ。これまで童貞非モテと小馬鹿にしていた人間にけたぐりくらわされてニーダウンさせられたのですから、悔しさで寝る前に歯がみしているかもしれません。

ところではあちゅう氏はこんな事を言っています。

 誰も傷つけない当たり障りのない言葉を見つけるのは簡単ですが、そんな発言をしたところで誰の記憶にも残りません。であれば炎上しようとも、誰かの記憶に3年先まで刻まれるくらい、インパクトある言葉を使いたいんです。

ということなので、過去の童貞発言でバッシングされるのは、はあちゅう氏にしてみれば本望だったのではないでしょうか。

 

ところで、童貞をめぐる戦いは新たな局面を迎えていて、ついに童貞=社会的弱者と言わんばかりの発言を繰り広げる人も出てきました。

 


ついに優生思想にまで持ち出してしまいましたか。その先にあるのは童貞強制収容所ですかね。

くわばらくわばら。

(文/赤蟹)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。