【ポンこれ特別版】定年後雇用の60代に注意!その1

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人手不足が叫ばれて久しい昨今。少子化による若手の確保が難しい中で、定年を迎えたベテラン人材を活用する企業も増えてきました。社会保障費が削減されていくなかで70歳現役時代も間近ということで、ロスジェネ界隈も定年後のセカンドロールが気になるお年頃といったところでもあるでしょう。

企業が定年を迎えた初老の方々を雇うのは、約40年といった社会人経験と、それに裏打ちされた能力を期待されてのこと。中には22歳の若造を雇うよりも定年後の人材を迎えたほうがいいと嘯く会社もあるとのこと。

なるほど、確かに理にかなっています。なにしろ40年も社会人をやっていたのです。生まれて22年しかたっていない、まだくちばしの青い若造より使えるのは明らかでしょう。

常識的に考えれば!

しかし、そんな中に「当たり前」も悲劇は潜んでいたのです…。

 

営業歴20年。60歳の大ベテラン

うちの会社(Webページ制作会社)に雇われたOさん(60歳)は、営業歴20年以上を誇る、まさに営業のベテラン。その豊かな営業経験を見込まれて「新入社員」として雇われました。

当然社長はこの営業歴20年のOさんに大きな期待をかけていました。Oさんはその期待に応えるように、入社間もなく200万円のコーポレートサイト制作案件をとってきたり、1000万のプレゼンを取ってきたりしていました。
さすがは営業歴20年。その電光石火のような「成果」に社長は上機嫌になり、私にOさんを見習うようにと言ったものです。

しかし間もなく、それは幻想だったと分かることになりました。

 

本当に経験があるのか疑わしい仕事のやり方

Oさんが取ってきた200万の案件は、ただ「見積もりがほしかった」だけの案件であり(簡単に言えば当て馬にされていたということです)、1000万のプレゼンの方は、弊社がWebページ制作会社だというにも関わらずイベントのブース制作・イベント運用の仕事でした。

もちろん、そのような仕事を請けてくる以上、Oさんにブース制作やイベント運用の経験があるはずです。むしろ、Oさんに経験がなければ弊社で仕事を請けることはできません。

私はOさんに聞いてみました。

「ブースは制作会社が全部やってくれるし、運営も運営会社に頼めばいいだけだから」

え、それってうちがからむ必要ないじゃないですか?

「うちはあくまで代理店なの。だからやってくれる会社さえ手配すればいいだけなんだよ」

万事、こんなカンジです。恐ろしく不安になってきました。

 

そして事件は、プレゼン三日前に発生しました。

「企画書がまだこないんだよね!」

と憤るOさん。

え?企画書ってうちで作るんじゃないの!? 驚きが隠せない私にOさんが言いました。

「うちが作るわけないじゃない。施工会社が企画するんだから」

ドヤ顔でこう言ってのけました。

この頃になると社長もさすがにOさんに疑惑の目を向け始めていました。

社長「赤蟹さん、このプレの企画書見たことある?」
私「ないですよ。企画書も下請けが作るんだってOさん言ってましたから」
社長「プレゼンってうちがやるんでしょ?」
私「施工会社の人が一緒にいくから、その人がプレゼンするみたいなこと言ってました」

社長、ここにきてOさんがこのプレゼンで何をやっていないことを知ってしまいました。

 

パワーポイントが使えない60歳

社長はOさんをすぐさま呼びつけ、プレゼンがどうなっているのか問いただしました。そして「うちがプレゼンするんだから企画書はうちで作りましょう(=Oさんが作ってください)」ということになりました。

しかし、大問題がありました。60歳のOさんはパワーポイントが使えなかったのです!!!!

パワーポイントどころか、企画書の書き方すら分からない様子。

結果として、私がOさんの企画書作りを手伝うことになりました。

まず、先方から今回の企画競争に参加するに当たっての仕様を読みます。そして、下請けからやってきた企画書に目をとおします。

「Oさん、この仕様書読みました?」

はるかに目上の先輩にこう聞かねばならないのは僭越ながら、企画書の中にモレがたくさんあったので、聞かざるを得ませんでした。そしてやはり、Oさんは読んだものの理解はしていませんでした。

当然です。企画書を作るのは施工会社だと思っていたのですから、仕様書をマジメに読むわけがないのです。

企画書を作る前に、仕様を理解してもらう作業がはじまりました。私が読み上げて、Oさんの理解を確認するという作業です。

言うまでもありませんが、会社は学校ではありません。まして60歳の人材は若造よりも社会経験があることを見込まれて雇われているのです。本来なら仕様の読み聞かせのような幼児がされるような事をしている場合ではありません。

その上で、プレゼンに勝つための企画書を作ることになりました。私が。

今からOさんに企画書を書いてもらうことはできません。なにしろパワーポイント使えないんだから。

作業は深夜にまで及びました。その間にOさんは、やることがないという理由で帰ってしまいました。

 

そしてプレゼン当日

終電間際まで残って企画書を書きあげ、翌朝Oさんに企画書を見せました。

そしたらOさん、ノーチェックで社長の下へその企画書を持っていってしまいました。

すごいです。この人、本当に何もする気ないんだなと思いました。
普通なら中身を見て内容の確認をし、問題があったら書き直すなどするべきところです。

当然、社長は激怒。しかし企画書を書き直している時間がないということで、もろもろ不備はあることは承知でOさんはプレゼンに赴きました。

言うまでもありません。プレゼンは大敗北です。

Oさん、「あそこまでやったのに、くっそー!」「最初から勝つところが決まってたんだ!俺達は嚙ませ犬だったんだ」みたいな事を言ってましたが、あなたなにもしてないですからね!!

なにもしてない人に、悔しがる資格なんてありませんから。

 

大切なのは年齢ではなく、経験の質

今回の件でよく分かったことは、Oさんには経験がないということでした。

営業の経験はもちろんあるのでしょう。しかし「今の」営業マンに必要なプレゼン力、企画書の書き方、そしてパワーポイントの使い方など、何一つ知らない…すなわち『経験がない』のでした。

確かに営業経験20年はすごいと思います。しかしその20年の質はどうだったのか。そこまで吟味して雇わなければ、弊社のように痛い目に遭うかもしれません。

Oさんの「武勇伝」はこれに留まりません。まだまだ続きます。

(続く)


赤蟹

スベスベマンジュウガニ並みに猛毒を吐きまくる赤い蟹の人。「てらどらいぶ」の裏ボス。サイト管理とコーディング、デザインなどを担当。文章を短くできないのが悩み。

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