朝の買い物で駅前のスーパーに寄ったついでに、昨晩から何も食べてないことを思い出して近くのすき家に寄りました。
最近ネットで話題になりがちな、チー牛こと三種のチーズ牛丼を頼んで食べました。「チーズ乗るだけで150円アップって、美味しいけどコスパ悪いなー、でも最近チーズ値上がりしてるし、すき家も価格維持のために頑張ってるんだろうなー」とかいろいろ考えている最中、一つ向こうの席の老夫婦が、突然無言で手振りを始めました。
なにをやっているのだろうと見ていたのですが、すぐに手話だと分かりました。
どうも、おばあさんが聾唖のようです。
おばあさんがどのような経緯で音と声を失ったのかは分かりませんが、おじいさんはおばあさんとコミュニケーションをとるため、頑張って手話を覚えたんだろうな、などと思いながら、胸を温かくしてチーズ牛丼を食べました。
人は意思を表示する方法として、音声や文字、ゼスチャーなどを持っています。
言葉を使うのは簡単です。しかし、使いこなすのは本当に難しい。
まさに「Easy to play hard to master.」で、何十年と日本語を使い続けている大人の我々でさえ、自分の意思を表示するのに正確に言葉が使えるかどうか。
ボキャブラリーにもよるでしょうが、自分が考えていることを表現するのに、「言葉が見つからない」という体験は誰でもあると思います。
言いたくても言えないこと、あえて言わないことなど、言語化できないこともあります。自分がそのような状態におかれていることもあれば、相手が言いたくても言えない事があるかもしれない。
自分に都合が悪くなるから、とか利己的な理由ではなく、例えば誰かの名誉を守っているとか。
そういう言外の意思疎通も含めて、相手が何を考えて、どう感じて、結果としてどうやってコミュニケーションをとるのか。
ソリッドに言葉を使うだけでは、きっとダメなんでしょう。
そう考えると、手話で会話をするあの老夫婦は、ジェスチャー以外でも言外のコミュニケーションがしっかりできるいんだろうな、などと思った次第です。見習わないといけませんね。
チーズ牛丼食べにきたら、感動したり気づきがあったり反省したりと、そんな朝でした。朝すき家、たまにはいいかもしれませんね。でも、やっぱり普通の牛丼の方が安くて美味しいかな。