先日、自宅内でスマホを落として画面を割ってしまい、auの故障紛失サポートを利用したというお話をしました。
この故障紛失サポートは、最後に壊れたスマホをauに返送して手続き終了となるのですが、その返送用封筒にこんな一文が書かれていました。

※データが消去されていない場合、一切の権利を放棄されたものとみなし当該データに起因する損害については当社は一切責任を負いません。
要するに端末のリセットしてなかったら、その端末に残ったデータで何が起きても責任取らないよ=返送する前に必ずデータ消去してください、という警告なのですが、それにしてもこの書き方はどうなんでしょうね。
故障紛失サポートは有料オプションであり、月々補償金を払って利用するサービスです。少なくともユーザーはサービスの対価を払っているわけで、au側にもサービスを提供する以上様々な責任が生じるはずです。
預かった端末については当社で責任をもって処分いたします、くらいの矜持は持ってほしいものですが、今のauにはそのくらいの心意気もないのでしょうか。
確かにスマホは個人情報や機密の塊となり、取り扱うのが非常に難しいアイテムとなっており、一つのミスが重大な責任問題に発展してしまうこともわかります。しかし、だからといって「権利は全て放棄したとみなし」と、最終的にはユーザーの自己責任にしてしますのは、ちょっと無責任ではないでしょうか。
いろいろな考えをもつお客様がいる中で、企業防衛の一環としてこう書かざるをえないのかもしれませんが、日本の商習慣もここまで落ちたのかとがっかりせざるを得ませんでした。
もっとも、忘れずに工場出荷状態にリセットすればいいだけなのですが、私の場合はそうもいきません。画面が割れてしまい、液晶が表示されないので、リセットができないのです。
このまま返送して権利が放棄されたとみなし、au社内であれこれ情報が漏れても困るので、とりあえず問い合わせすることにしました。
しかし、この問い合わせ手順が非常に面倒くさい。まず、PCでの問い合わせができません。問い合わせするには、スマホ+メッセージかMy au、LINEのいずれかで行う必要があります。
一応、PCサイトでも案内はあるのですが、いずれもそれぞれのアプリをダウンロードするためのQRコードが表示されておしまいです。
面倒だなと思い、スマホから+メッセージで問い合わせします。案内ページにはチャット感覚で問い合わせができると誇らしげに書いてありましたが、16:16に送ったメッセージの返事が来たのは17:16でした。あまりチャット感覚はなかったですね。これならPCからのメールでも良かったのでは…。
で、返ってきたメッセージですが、メッセージでの対応ができないので電話してくれとのことでした(笑)
コロナの状況下でオンライン問い合わせにご協力お願いしますとのことでしたが、結局電話対応にたらい回しにされてなんとも言えない気分になりましたが、ごねても仕方ないので、翌日電話問い合わせで聞いてみよう、ということにしました。
その三時間後、auより品質向上のため、今回の対応についてのアンケートにご協力くださいというメッセージがきたのですが、問題は何も解決していないのによくこんなアンケート送ってくるなと。機械的に送ってるものなのですが、au、大丈夫なのか? ユーザー感情逆なでしすぎなのでは。
今回のauの対応を見るに、ユーザーに寄り添う対応があまり感じられないと思いました。少なくとも故障や紛失関連で問い合わせるユーザーは困っている人なわけで、そういう方々に対して、なるべく自分たちが責任を負わないように負わないようにと逃げ道作りながら対応している印象を受けました。
最後のアンケートについても自社利益を優先した振る舞いにしか感じず、特に解決していないお客様に送ってしまう無神経さはありえないと思います。
最近は各企業とも経費削減の一環でユーザーサポート部門をアウトソーシングしたり、マニュアル化を行って効率化や少人数化を押し進めているようですが、携帯キャリアのような毎月課金してもらうタイプのビジネスで、ユーザーサポートを省力化してしまうのは悪手ではないかと感じるのですよね。
新規ユーザーの開拓に一生懸命なのもau Payも三太郎の日もいいのですが、基本的なところに立ち返ってほしいなと、25年間auを使い続けている私は思ったわけです。
画面が一切映らなくなるというトラブルがレアケースなのかもしれないですが、故障紛失サポートが本当に素晴らしいサービスであると感じただけに、落差にがっかりしたというお話でした。
翌日、auのカスタマーセンターに電話したところ、返送された端末は人の手ではなく機械によるデータ消去を行うので安心です、との案内をいただきました。
文章は送る前の念のための警告であったようで、実際にはしっかりデータ処理してくれるようです。これで一安心。私が気にしすぎだったのかな(笑)。