初級SNSマネージャー試験に合格しました!

表題の通りですが、初級SNSマネージャー試験に合格しました。
SNSマネージャーは、ウェブ解析士協会が認定する、SNS運用に関する知識やスキルの習得を証明する民間資格となります。

すでにTwitter歴12年弱、Facebook歴も10年ほどの私。それなりにSNSのことは詳しいつもりではありますが、その知識やスキルを証明する手段がないので、今回初級SNSマネージャー講座(試験)を受けるに至りました。

きっかけは、某広告代理店よりSNS戦略に詳しい人を紹介してほしいとの相談を受けた際、自分の実績を話した上で営業した際、相手もSNSプロモーションを始めWeb展開についてあまり詳しい方ではなく、あれこれ説明したもののいまいち信用されなかったためです。

当然ですが、個人の権限で自由に投稿できるアカウント以外の運用をしている証明は難しいのです。勝手にその場からクライアントに許可を得ていない投稿はできないですし。
特にSNSの運用が今ひとつ分かっていない方、特にアナログに軸足を置いている広告代理店の方などには説明が難しいところがあります。専門用語なども分からないですし、その方自身がSNSに興味がないとなるとどうにもなりません。

今回の資格取得は、そのような方向けの説明を容易にし、営業の効率化を図る目的がありました。
もっとも、「初級」では大した自慢にもなりません。最終的には上級SNSマネージャーの資格を取得する予定なのですが、そのためにはまず初級SNSマネージャーの資格を得ないといけません。

一足飛びに上級SNSマネージャーになれないため、まずは初級…という段階です。年内の早い段階で、上級に上がる予定ですので、ただいまさらなる勉強中です。

初級SNSマネージャー講座に申し込むと、約400Pに及ぶテキスト(PDF)が送られてきます。
このテキストだけでも情報量が凄まじく、しかもSNSがよく分かっていない方向けに書かれているので、例えばInstagramだけしか詳しくない方でも、読めば他の主たるSNSの情報や運用方法等が学べます。

講座から試験までは10日ほどの猶予があるのですが、またテキストを読み切れていないので、これからさらに読み込んでいきます。

もちろん、SNSマネージャーの資格がなくてもSNSの運用は誰でもできるのですが、一つの指標として信用できるものですし、目標があると勉強も捗るので、いい機会になるのでは?と思っております。

上級SNSマネージャーの資格を取得した際は、またお知らせいたします。


最近のSNSプロモーションは、キャンペーンやインスタントウィンなど、フラッシュ的な誘客手法が主となっています。

しかし、プレゼント目的でフォローしたフォロワーが、その後もフォロー企業の投稿を関心持って見るでしょうか?

プレゼント企画でフォロワーを集める方法が無駄とは言いませんが、最近はフォロワー増加数だけをKPIに定めているのか、キャンペーン後は投稿を怠り、フォロワーを「楽しませない」大手企業アカウントも多く見られます。

なぜSNSを使ってプロモーションを行うのか、目的自体がブレているとこのような状況になりがちです。個人のインフルエンサーならさておき、企業アカウントはフォロワー数の増加はKGIにはなりません。

このあたりも含めて、てらどらいぶでは地金を鍛えてSNS力(ちから)を高め、認知と売上の向上につながるSNS運営をお手伝いします。

「SNSプロモーションに挑戦したいけど、キャンペーンをするお金もないし…」という方向けの低予算プランのご相談にも乗りますので、お問い合わせはお気軽に。

ご相談のお問い合わせはこちらからどうぞ。

SNSでイキるITベンチャーの若者に思うこと

先程Twitterを見ていて、最近CMでもおなじみのベンチャー企業の人事部の人が、採用面接に来た人をバカにするような発言をしていて、大変モヤッとした気持ちになりました。

面接に来たということは、自社に少なからず興味を持ってくれたこと。一般消費者よりも自社に親しい気持ちを持っている人間に対し、面接に来てくれたお礼を言うならともかく、バカにする発言をするとは。

その会社を受け、今後をお祈りされてしまった人は、そのツイートを見てどう思うでしょうね。

その程度のことも頭が回らず、まるで己の「人の審美眼」を誇るような発言をしてしまうことに、人間性の幼さを感じてしまいました。

IT系の若者がイキるというか、自身に大して果てしない有能感を持つのは理由があります。

一つは先進的な成長産業にいること、一つは社会人としての経験が少なく視野が狭いことです。

個人的には一口にITと言っても、Windows95発売やIT革命と騒がれてからもう20余年も経っているので、どれもこれも先進的とはいい難いと思っているのですが(しかも組み込みやシステム構築を含めたらその比ではない)、やはりITはどの分野の仕事よりも新しいという見方がされます。

それは事実でしょうし、同時にIT企業で働く人のアイデンティティになっているとも思われます。

しかし一方で陳腐化が進んでいることも事実であり、働く部署の人によっては他社企業と大きく変わらないものもあります。

例えば、人事部などがそうです。

もちろん、その会社の理念や業務をする上で必要なスキルがあり、求める人物像は各企業とも違うでしょうし、給料体系や昇進基準も各社違うので、一様に同じ仕事をしているとはいい難いでしょうが、ヒューマンリソースの業務に関わるという基本的な仕事はそれほど変わらないはずです。

でも、IT業界という先進的な業界にいることで万能感が炸裂してしまい、SNSで言わなくてもいいことをイキって言ってしまうのです。

少なくとも人事は会社のコアを司る業務であり、経理部について秘匿すべき情報を握っている部署でもあります。社員や応募者の個人情報を多く扱っています部署でもありますし。

その人事に携わる人間が、軽率に面接を受けに来た人を小馬鹿にしてみたり、面接に受けに来た変わった人をべらべらと面白おかしくしゃべる現状はどうでしょうか。

少なくとも私は、そんな会社に対する信用はもてません。人事の人間からしてこれなのだから、何をしゃべるか分からないという警戒感が先にきてしまいます。

しかし、自分の優秀さをアピールし、承認の共感を得たいがために、彼らは下手をすれば信用に関わる発言をペロっと言ってしまうのです。

でも、これを責めるのは酷だなとは個人的に思うところもあります。

それが2つ目の理由につながるのですが、このような軽率な行動に走らせる万能感の源泉というものは、単にその人の経験の無さからくるものです。

若者が怖いもの知らずなのは、自分よりも強い相手を知らないか、その強者が甘やかしてくれたかのいずれかです。

社会の恐ろしさと人材や才能の厚みを思い知り、自分の分をわきまえるのは、若いうちでは難しいことです。

特に新卒で大手企業に就職し、成功体験を重ね続けてきた人にはより難しいでしょう。

成功体験は本当に大切なものですが、同時に仕事における挫折というか、限界を知ることはより大切なことです。

限界を知ることで、それを乗り越えるために激しい努力をし、学び、あがき、スキルと実力を身に着けて限界の壁をよじ登る。この体験を繰り返していかなければ、本当の意味での成長はありません。

SNSなどでよく見かける「学び」や「気づき」という言葉が私は嫌いなのです。
これらの言葉を多用する人たちの共通点として、日常生活にある何かに気づいて、学んだ気になり、成長した気になっていることが挙げられます。

しかし、そんな気づきは学びにはならないのです。本当の学びは、死ぬほど本を読み、試行錯誤し、泥臭い努力の中で掴み取るものだと私は思います。

スマートに気づきを学びに変え、スキルや実績に転換できる人も中にはいますが、そんな天才は一握りです。一般人の我々は、気づいたとしたら、そこから派生する様々な要素に知的好奇心を働かせ、徹底的に分析し、本当の学びに変える必要があるのです。

…と、かっこいい事を言ってみたものの、この必要性に実感したのは、実はここ数年の話です。

元より読書は好きですし、好奇心が強い方だったので、学んだり調べたりは常日頃やってはいましたが、数年前の私も日常生活の気づき一つで学んだ気になってた「意識高い系」の一人でした。

当時の私は、自分では多くの経験を積み、いくつもの成功体験を重ね、展望もあるつもりでいましたが、あることがきっかけで様々な事を学び、その頃の自分がいかに無学で根拠のない自信にあふれていたのかということを思い知りました。

その時思ったのが、「自分には単純に経験や挫折が足りなかった」ということでした。

それから一層の勉強を重ね、様々なことに思いを巡らせ、自分の思考に落とし込むまで考え抜くことを自らに課すようになりました。

同時に、上記のようなIT系でイキる若者を見ると過去の自分を見ているようで、彼らがなぜあのような万能感あふれる軽率な発言をするのか、それこそ手にとるように分かってしまうんですよね。

仕方ないのです。

20代の若者と40代のおじさんでは、人生経験の長さも違うし体験の量も当然差があります。20代では経験しきれないものを、40代のおじさんは持っている。長く生きているのだから当たり前です。

なので40代のおじさんは、彼らを笑うのではなく、若者がよりよい人生を送れるように手を差し伸べたりしてあげるべきなのかもしれないと、最近は思うようになりました。

自分としては、この社会経験や知識を若者のために使える機会があればな、といつも思っています。

時折Youtubeで、この手の仕事の話もしているので、興味があったら聞きにきてください。

余談ですが、時折「あの時苦難を味わうことのなかった自分」の延長上にいるような同年代の人に会うことがあります。40代後半になってもイキり倒して周囲を小馬鹿にした発言をするおじさんなのですが、こういう人を見て思うのは「自分はこうならなくてよかった」というその一言です。

若いうちの失敗はいくらやっても取り返しがつきます。どんどん痛い目見てください。でないと、40過ぎてこういう「痛いおじさん」になりますからね(笑)

解約が難しいサブスクに思うこと

昨日の読売新聞オンラインで、サブスク解約についてのニュースが掲載されていました。

サブスク「契約は容易なのに解約は困難」…解約方法の分かりやすい表示、努力義務に(読売新聞)

最近のサブスクブームに伴い、解約や退会に関するトラブルが増えてきたことを受けて、ついに政府が動き出したという形です。

でも、かつて携帯キャリアの「公式サイト」に携わってた私からすれば、それこそ「10年遅い」と言わざるを得ない話でもあります。

すでに「今は昔」の話なので、公式サイトとは何か説明しますと、携帯電話でネットをする場合、キャリアが提供するポータルサイトがホームページとして表示される仕組みでした。

このポータルサイトに掲載されるには、各キャリアから公式サイトとして承認を得る必要がありました。また、キャリア決済で月額利用料やコンテンツ販売ができるのも公式サイトのみでしたので、携帯電話でインターネットビジネスをするには公式サイト承認がマストであり、そのために各事業者はキャリアからの苛烈な要望に応え、なんとか承認をいただくという大変な時代があったのです。

実は私は、楽天の前にはゲーム会社に勤めていまして、携帯電話向けのゲームサイトを運営に携わっていたこともありました。楽天時代もモバイル事業だったので、10年以上この「キャリア公式サイト」のビジネスに従事していたことになります。

さて、この公式サイトはほとんどが月額制という、今のサブスクと変わらない収益モデルを採用していました。ゲームサイトの場合、月300円で遊び放題とか、着メロサイト(なんだか懐かしいですね)なら月300円で取り放題などです。

月額制でユーザーを集めるには、当然毎月それだけのお金を払ってもいいと思えるようなコンテンツを確保しないといけないので、一見売り切りよりも収益性が低くなるように思えます。

しかしこの月額制は、「入会したままサイトも利用せず、そのまま解約を忘れるユーザー」、業界用語では眠り会員と呼ばれるユーザーが集まると、安定して収益を出せるという大きなメリットがありました。

そのため、各サービスはいかにこの眠り会員を集めるかに躍起になっていました。キャリアに下げたくもない頭をさげ、大きな広告費を投じて集めたユーザーに逃げられてはたまらないので、各サービスは「(退会することに気づいたユーザーを)いかに解約を困難にするか」という方法に血道をあげていました。

解約するためのリンクがなかなか見つからないのは当たり前、ようやく見つけた解約リンクを叩いてみれば、何度もループする複雑な遷移を乗り越え、いくつもの長文のアンケートを書かないと退会できない仕組みが待ち構えていました。

このような極悪な解約防止策は当然ユーザーからの不満を買いましたが、公式サイトを公認するキャリアにしても、公式サイトの売上からあがりを徴収できるビジネスモデルであったため、積極的な規制に動くことはありませんでした。

こうして「入るは簡単だけど出るのが難しい」と、アメリカの大学みたいな公式サイトが乱立したわけですが、太平洋を渡ってきた黒船たるiPhoneが発売されると、これまでこの世の春を謳歌していた携帯電話はガラケーなどと呼ばれるようになり、ガラケーを作っていた家電メーカーは携帯電話開発から次々と撤退し、公式サイトも消え去ることとなりました。

当たり前のことですが、誰もがこの阿漕な公式サイトのやり方に、少なからず不満を持っていたのでしょう。

こうして平和な時代が10年ほど続いたころ、再度黒船の来週により「サブスク」なる概念が持ち込まれ、かつての悪しき「退会できない」サービスの時代が再来することになってしまいました。

そこで今回の努力義務となったわけですが、長らくこの手のサブスクビジネスをやってきた身からすれば、今更退会をしづらいようにすることそのものがナンセンスだと思うのです。

ガラケー時代とは違い、今はSNSがあります。意地悪な退会手段を使うサイトは、その不快感を容易にネットで晒される時代です。一人の客を逃したくないために妨害に妨害に重ねた結果、数千人の人間に悪辣な手段を暴露されるというリスクがあるわけで、悪事千里を走るではありませんが、たかが退会の方法一つで多くの潜在ユーザーを失う結果になりかねません。

特に日本人は保守的で慎重なので、特に高額なサービスほど事前情報をできるだけ集め、慎重に入会を検討します。そこで「退会しづらい」というケチがつけば、それだけで客を逃す危険があるのです。

実際、私が所属していた会社では、ユーザーサポートの電話の多くが「退会できない」というクレームと退会方法を尋ねるものでした。

これは、当時勤めてた会社の社長が「退会方法が分からなければ、ユーザーは退会しない。退会リンクを隠せ。なんならなくしてもいい」と平然と言ってたくらいなので、このようなクレームが絶えなかったのです。

社員のほとんどが、その社長の方針に不快感を抱いてたわけですが、中の人間でもそうなら、ユーザーはなおさら不快に思うわけです。その頃はようやくTwitterが日本に上陸し、アーリーアダプターのおもちゃになっていた時代なので、その不快感がシェアされることはありませんでした。

しかし今は下手にバズればメディアに取り上げられたりして大きく拡散してしまうリスクすらあります。

そんな中で、退会リンクを隠す、リンク先でも様々な妨害を行うなどやるのは下策に過ぎないのです。

せいぜい、今後のサービス運用の参考として、退会理由などをラジオボタンで選択させるにとどめ、気持ちよく送り出したほうが、次の再利用を促せるかもしれません。

サブスクブームになって、公式サイト時代の夢よもう一度、と思っている事業者もいるかもしれません。しかし、今は有料サービスばかりではなく、基本無料で質の高いサービスを提供する事業者も多いです。

キャリアに守られ、護送船団で好き放題ユーザーの退会を妨害できた時代とは違うのです。価値観をアップデートできなければ、今後は生き残ることは難しいのではないでしょうか?


ネットビジネスを取り巻く状況として、今はいい意味でユーザーがわがままになっています。
質の低いビジネスは駆逐されますし、どれだけ良いサービスを提供しても、退会フォーム一つでケチがつき、そこからほころびが生じることもあります。

一つのサービスで不快感を持ったユーザーが、その会社のサービス全てにヘイトを持つということも少なくありません。

神は細部に宿るといいます。

そして退会フォームは細部と言うほど、小さな部分ではありません。辞めるユーザーにも最後に最高のもてなしを行い、会社全体の評判を高めるということも、大切なのでしょうか?

45歳定年制と種籾を喰う日本の経営者

先日、サントリーHDの新浪剛史社長が「45歳定年制」を提唱して話題となっています。

ネット上の反応を見ると様々な意見があるようですが、日本人の大半をしめる使用者側の人達からすると、とんでもない意見だとする見方が多いようです。

私は40代で独立し、現在ではしがない個人事業主をやっています。なので私個人としては、大企業に所属している45歳が独立できる程度の力も蓄えていないのはいかがなものか、と思うところはあります。

大きい企業に所属するメリットは、「人脈を広げやすい」「大企業ならではの大きなプロジェクトを体験できる」「大企業の人間として見てもらえるので丁寧に扱ってもらえる」「独立後に前歴を活かしやすい」等いろいろあります。中小で働く人よりは独立する素地を鍛えやすいというのが、大企業に所属するメリットの一つではないかと私は考えています。

例えば、私はよく「人脈は金脈」という言葉を使っていますが、まさに大企業に所属しているということは、その金脈を広げるチャンスにあふれているといえるでしょう(もちろん、所属部署にもよりますが)。

そういう観点から言えば、45歳定年制もいいのではないかと思うのです。

ただ問題なのは、新浪氏の発言が、45歳定年制にアジャストした給与体系や人事体系を整備せずに、単に「45歳になったら会社から出ていってください」程度にしか聞こえなかったことです。

これではいくらなんでも、会社側に都合が良すぎます。

発言が物議を醸し出したあと、後付のようにミドルのキャリアプランがどうこうとか、ベンチャー企業への流動化を図りたいなどと言い出しましたが、本音としては給料が高くなるミドル以上の社員を人件費圧縮のために解雇したいという一心だったのではないでしょうか。


日本はかつて終身雇用を良しとし、その制度に基づいた人事給与体系がとられてきました。

すなわち、新卒時には給料は安く、在籍期間に応じて給与が高くなっていくという、いわゆる年功序列のシステムです。

ゆえに、これから給料が高くなるという40代以上は、企業の財政を圧迫することになります。しかし労働者側からすれば、これまで安く働いた分、40代以上でこれまでの苦労に見合った高給をもらわないと割に合わないということになってしまいます。

なので仮に45歳定年制を導入するなら、少なくとも初任給からして現在の30代程度の水準の給料を払う必要があると思うのですが、日本の経営者は、新卒なり中途採用の人間に高い給料を払いたいという気持ちをあまり持ちません。

なので45歳定年制は、どこまでも「年功序列システムを温存した」企業にとって都合が良く、後からキャリアパスがどうこうとか、ベンチャーに行って新たな生き方を、などと言っても、全部綺麗事にしか過ぎないのです。

しかし45歳定年制を提唱した新浪社長にしても、人事システムの見直しから始める気は毛頭ないでしょう。やりたいことは単なるコストカットなので、会社のシステムを一新するまでやらないのではないか、と私は思うわけです。


しかしサントリー以前にも、NECやパナソニックなどが40代の早期退職者を募ったり、ソニーが評価の低い社員を集めて朝から強制的な転職活動をさせるなど、40代以上の社員に対する「放逐」は始まっていました。

かつて会社はクラン(氏族)のようなもので、様々な年代の様々な人達が集まる場所でした。年長者は若者にスキルを教える役にまわり、会社全体の組織力をあげていたわけです。

しかしバブル崩壊後、どこからともなく現れた「人件費は悪」という風潮に流され、会社というクランは壊滅。リストラの嵐が吹き荒れ、熟練社員を追い出し、また若い人たちは雇い止めに遭い、不本意ながら非正規雇用に回らざるをえない状況となりました。

そして日本企業は、底力の源であった組織力を失ってしまいました。

人という資産を失った日本企業が転落の坂を転がり落ちるのは、それはもう早かった。

ただただ数字を見ることしかできなかった大企業の経営者たちは、一時は世界経済を席巻した大企業をことごとく衰退させ、21世紀に入りある程度経済が立ち直ってきたにも関わらず、リストラと事業縮小や売却でしか生き残ることができなかった。ひたすら会社を小さくすることで、生き残りを図ったわけです。

しかし社員も主要事業も売却し、会社だけ残して何になるというのでしょうか。


このような大企業の、自分の足を食べる蛸の如きふるまいを見て、優秀な学生たちはどう思うでしょうか。

きっと瀕死の老象が、プライドを失い、ただ生きるためだけにもがいてるように見えていることでしょう。

そもそも45歳以上の社員を追い出すような会社に、自分の将来を預けたいと思う学生がいるでしょうか?

新浪社長は「45歳定年制にすれば、社員たちは20代、30代で勉強するようになる」と言ってましたが、そんな優秀で向上心のある人材は、まず45歳定年制なんて馬鹿げた制度の会社を選ばないでしょう。

そうなれば社員の質は下がり、会社の業績はますます下がることになる。

「人件費は悪」と考える風潮の最も悪しき部分は、会社は人によって動いているという本質を度外視しているところだと私は思っています。

効率的かつ合理的な経営が推奨されて久しいですが、ゆえに数字上でしか経営を把握できなくなり、その数字の中に人がいるという感覚を忘れてしまった経営者が多くなったのでしょう。

そして大企業である傲慢さだけが先走り、45歳以上はいらないという放言をしてしまう。自分の会社は大企業だから、人を粗末に扱っても希望者はたくさんいるという感覚なのかもしれません。

しかし選ぶ方も人であり、自分を粗末にする会社は選ばないですし、年功序列制の都合のいいところだけ使って、自分を安く使おうとする会社は選ばないでしょう。

特に、いくらでも声がかかる優秀な若い人ならなおさらです。


はっきり言えば、この45歳定年制というものは、「未来を棒に振って食べる種籾のリゾット」なわけです。

この言葉は、今人気のソーシャルゲーム「ウマ娘 プリティダービー」のイベントで、ゴールドシップというキャラクターが言い放つセリフです。

元ネタは北斗の拳に出てくるミスミのじいさんです。

ミスミのじいさんは食糧難にあえぐ村のために、一週間なにも口にせず種籾を届けようとする人物なのですが、ケンシロウに「(種籾を)食べたらなくなってしまうが、種籾があれば毎年毎年米ができる」と語り、今より明日、未来の豊かさこそ大切と説くのです。

残念ながらミスミのじいさんは種籾を食べようとするシンの配下であるスペードに襲撃され、地面に散らばった種籾を見て「あ…明日が…明日が…」と印象的なセリフを呻くようにつぶやきます。

北斗の拳の舞台である世紀末の過酷さと人心の荒廃を見せつけつつも、それでも明日を諦めない人達がいるという印象深いエピソードです。

北斗の拳のスペードはケンによって倒されますが、ウマ娘のゴールドシップは種籾をリゾットにしてご満悦というわけです(笑)。

つまり、目前の利益と費用の圧縮ばかり考えている新浪社長の発想は、このゴールドシップの未来を棒に振って食べた種籾のリゾットと一緒なわけです。しかも奪った種籾を食べたゴールドシップとは違い、自社の蓄えを食べたのだから、なおたちが悪いといえるでしょう。

45歳定年制も、導入したときには45歳以上の高い人材を追い出せるからいいでしょうが、上にも書いたように、いずれこの会社の人事制度は否定的に思われ、優秀な若い人たちがこなくなり、やがては会社の衰退を招くことになるでしょう。会社の信用と組織力という種籾を、新浪社長は食べてしまったというわけです。

大企業だから黙ってても人が来る時代なんて、それこそベンチャーが勢いづく今にあっては、もはや幻想でしかありません。

もっとも、ここ30年近く種籾のリゾットを食べ続けたのが日本の大企業なので、今更という気もしますが、ついにここまで堕ちたのかとため息をつかざるを得ませんでした。

もっとも、新浪社長はサントリーの生え抜きというわけではなく、三菱商事からローソンへと渡り歩いている人物なので、サントリーの種籾のことより、自分の実績の方を大切にしているかもしれませんけどね。

次はその手柄をもって、より良い会社の社長の座に収まろうという腹かもしれません。


新浪社長は45歳で定年したら「ベンチャーに行け」と軽々しく言いますが、若い人が多いベンチャーが熟年者を中途採用するのは心理的障壁も高いものです。それこそ人件費に割ける予算も大企業ほど潤沢ではないでしょうし、大企業出身のプライドが高い、めんどくさそうな熟年者を雇うなら、同じお金で若くてスキルのある人を雇うはずです。

また再就職する熟年者側も、今更若い人の会社に入り、若い人たちに使われるのを良しとするでしょうか?

この新浪社長の発言、結局使えない熟年人材を新興企業に押し付けようとしているようにしか見えないんですよね。それで自分たちはフレッシュな人材だけを使い倒して会社の業績をあげたいと。

考えていることが邪悪すぎて笑いさえ出てしまいますが、こんな発言を日本を代表する酒造メーカーの社長が言ってしまうようになったのですね。もはや諦観しかありません。


TOKIOの「宙船」という歌に「おまえが消えて喜ぶ者に おまえのオールを任せるな」という歌詞があります。45歳以上の人間はいらないという社長は、まさに「おまえが消えて喜ぶ者」です。

大抵のリストラなんて経営陣の失策が原因なのです。自分の失策を社員にかぶせるような社長にオールを任せてはダメなのです(できれば会社のオール自体も任せたくないところですが)。

日本企業はこれからも衰退し、世界経済の中でプレゼンスを失っていきます。そんな中で、どの会社を選ぶのか、そして会社から追い出された時に生きていく力をどう身につけるのかは、これまで以上に必要になってくるものと思われます。

結局、最後に頼れるのは己の力だけです。日本経済の衰退を悲嘆しても我々は生きていかなければならないのです。

自分のオールを自分で漕げる力を身につけ、種籾を食べてしまう会社は選ばないようにして、賢くビジネスライフをサバイバルしていきましょう。

電脳おでん村正

半年ぶりの投稿となってしまいました。

お正月の投稿で「予告」していました新規事業ですが、2月に緊急事態宣言が発令し、先日まで継続していたことで完全にお流れとなってしまいました。

何をやろうと考えていたかというと、実は「レトロゲームが遊べるおでん屋」をやろうと考えていました。

去年のコロナ不況はIT企業やWeb制作会社にも大きな影響を与えました。うちのWeb関連の仕事はほとんどが請負仕事です。そのため、自粛要請によってイベントが中止に追い込まれたり、商品の販売を延期や中止するという事態になると、お仕事が立ち消えてしまうことも多々あります。

また、そのような理由によって仕事が減ったため、官公庁の仕事の入札倍率が爆上げしたりと、不景気を実感させる出来事が続きました。

そんな流れから、やはり、自分で何かしらのビジネスを動かしていないと、不安だと思ったわけです。

独自のビジネスといえば、一昨年まではライブハウスでイベントなども運営していたのですが、こちらもコロナで開催自粛がされる中で立ち行かなくなってしまいました(お世話になっていたライブハウスからの悲痛なメールも頂きました。力になれなくて申し訳ない…)。

なので、本来なら得意分野のWebで新しいビジネスを立ち上げるのがベターなのでしょうが、逆にコロナの影響で融資等の条件が甘くなっている中で、逆にこれまで経験のない分野に飛び込むにはチャンスかと思ったわけです。

では、なぜおでん屋なのか。

おでんは北区の名物です。まだ世間に認知されているレベルではないのですが、区もおでんの日を設定するなど、積極的なプロモーション活動が行われています。
私もそのおでん広報活動の末席に座っていたりするのですが、Webで広めるのにも限界があると感じたことと、一度リアルの店舗を運営してみたいと思い、自分でおでん屋をやることに決めたのです。

しかし、ただおでん屋をやるとなると、素人の私では太刀打ちできないので、アミューズメント的な要素を取り入れられないかと思案した結果、私が好きなレトロゲームと組み合わせてなにかできないかと考えました。

企画ができてからは、機動力に自信のある私、動くのはとても早かったです。

東商や区に相談に行ったところ、これまでにない店舗とビジネスモデルとの事で、多岐にわたるサポートをしていただけました。

一方で私も、レトロゲームで定評のあるBEEPさんにゲームの仕入れの話をしたり、某大手ゲームメーカーとコラボの話を進めるなど、精力的に準備に取り掛かっていました。

また、お店に飾るポスター用イラストや、看板などもデザインしてもらい、準備は着々と進められていました。

お店の名前は「電脳おでん村正」にしました。
村正は、私が好きなゲームの最強武器からもらいました。電脳は「なんとなく80年代感ある」ということでつけました。あの頃はコンピューターっぽいものは、なんでも電脳と呼んでましたよね(笑)。

しかし年も明け、お店のオープンはコラボの関係もあり3月に決め、あとは物件を決めれば準備完了という段階になり、にわかにコロナ感染者が急増。緊急事態宣言が発令され、3月の開店は絶望的となりました。

結局、オリンピックを前に不自然な形で解除されるまで緊急事態宣言は6月まで続いてしまいました。そして解除後も、酒類提供は19時までなどの厳しい制約が課せられ、飲食店を開くには難しい状況が続いています。

実は計画していたコラボについては、3月にやってこそだったのですが、こちらも完全に旬を過ぎてしまい目新しさがなくなってしまいました。

私の見込みも甘かったのですが、おでん屋を計画した去年の11月ごろは、Go toトラベルやGo to Eatsなど、様々な観光復興策が打ち立てられる中で、回復ムードもありましたし、うまく行けば道も開けると思ったのですが、どうやらこの賭けには負けたようです。

正直、政府や都のコロナ対策というか、緊急事態宣言の曖昧な運用方法などには非常に不満があります。
出店について相談に乗ってくれたおでん屋の店長も、緊急事態宣言発令直前に開店しなくて良かったと、むしろ運が良かったと思ったほうがいいと言ってくれました。

その緊急事態宣言も、なんの目的や落とし所もないまま6月までダラダラと続くとは思いませんでした。

飲食店経営者は皆疲弊しまくっています。特にお酒の提供をメインにしているところは、食事やテイクアウトなので凌いでいますが、お酒という原価率の低い商品で利益が出せないので非常に苦労しているようです。

飲食店ばかりではありません。飲食店を主な取引先にしていた酒屋や食材店や流通、果てはそこに農水産物を供給する第一産業まで、需要不足により大きな影響が出ています。

その影響はまわりまわって、私がいるWeb系、IT系まで及んでいるわけですが、。今の政府や都はオリンピックの開催にばかり頭がいって、国民にお願いをするばかりで不況対策を打たない様子ですね。

「お酒が出せない」ことで市井の飲食店が苦しんでいる中、後に撤回されましたがオリンピック会場ではお酒販売OKと言い出した政府や都の言い草は、スポンサー契約があるとはいえ、さすがに正気を疑います。

緊急事態宣言を発令するならキビキビとやるべきでしたし、その影響で経済が沈むのは分かっていたのだから、もっと積極的に財政出動するなどすべきだったのではないでしょうか。

なんにせよ、おでん屋を開くのはしばらく先、次に寒くなることかもしれません。そうしたらぜひ、遊びにきていただけると嬉しいです。

また、ポスターや看板の素材だけ作ってしまい、このまま寝かせるのも勿体ないので、主に北区のなにかを伝える「電脳おでん村正」のYoutubeチャンネルも作りました。こちらもぜひ、登録していただけると嬉しいです。

https://bit.ly/2Sz1dDL

コロナのせいで省庁の仕事が大人気らしい…。

てらどらいぶは全省庁統一資格を取得しております。
この資格を持っていると、全部の省庁からの仕事を請け負えるようになります。

ですので実績にもあるとおり、当然省庁の仕事も請けているわけですが、そこで最近感じることは、ともかく省庁の公募に応募してくる企業が増えたということです。

例えばとあるサイト制作の公募では、去年は2~3社の応募だったのに、今年は10社以上が応募してきたとか、こんな話がざらとなっております。
中には、こんな少額の売上規模の仕事に、そんな大手が入ってくるの? みたいな事も。

うちのような個人事業主には、大変しんどい状況となっています。

コロナによって仕事が減り、長期化が見込まれるコロナ禍の経済不安から、手堅い省庁の仕事は魅力的に見えるのでしょう。そのため、普段ならスルーするような事業にも参入してくる会社が増えたということかと思います。

コロナが経済に与えている負の影響を如実に感じてしまいますね…。

省庁の仕事は、例えば年度をまたいで継続されていく仕事であったとしても、都度公募を行うというカタチになっているので、去年の業者が今年も受注するとは限らないという面があります。

省庁の担当者からしても(関係性がよほど悪くなければ)去年の業者に引き続き仕事をやってもらう方がラクなのですが、税金を使って事業を行っているため、特定の業者と随意契約をして継続的に仕事をしてもらうというのが難しいのでしょう。

逆を言えば、年度ごとに公募があるため、技術やアイデアがある会社にとっては仕事を得られるチャンスなわけです。

また、一般企業相手のように、営業をかけたり、人間関係を構築しなくても企画競争にさえ勝てば仕事がもらえるということもあり、特に営業力が弱い小さな会社には魅力的に映るかも知れません。

ただ、省庁の企画入札にはプレゼン費は支払われないので、不採用となったら完全に手弁当になるリスクもあります。サイト制作の企画入札となるとラフまで作って提出しなければならないため、企画書やその他書類の用意も含めて割に合わないことも多いです。

それでも競争相手が2~3社程度ならなんとかなるかな、と思えるところですが、10社以上応募とかがザラになってくると、リスクの方が大きくなってきそうです。

サイト制作でこれだと、ポスターやパンフレットの公募などはもっとすさまじい事になってそうですね。参入障壁が低いですし、今はコロナで老舗の印刷会社が解散するご時世ですし、苛烈な競争が起きていそうです。

なんにせよ、官需をあてにしていた個人事業主や小さな企業には行きづらい世の中になってしまいました。

果たして、デービッド・アトキンソン氏が言うように、中小企業が整理される日がくるのか、それとも国が投げ銭して我々を助けつづけてくれるのか、大変興味深いところです。菅内閣の動向に注目ですね…。

今年のもるこができました。

なんのひねりもないタイトルで恐縮なのですが、今年のもるこの新イラストができました。

今年のもるこは「ぶいっ」がテーマです。

いつものもるこチーム内で話し合い、各所で使いやすそうということでこのポーズに決まりました。今後、私のYoutube動画のサムネやバナーなどで使っていきます。


もるこは、2014年1月26日に誕生しました。
当事運営していたプロジェクトのマスコットキャラクターとして作ったのですが、そのプロジェクトが早い段階でぽしゃってしまい、もるこの存在だけ宙ぶらりんになってしまいました。

そのまま使わなくなるのはもったいないということで、私がもらって今に至っているわけです。

その後、いろんなところで私の活動のマスコットキャラクターとして使用され、さらに去年はVtuberデビューしたというのはご存じの通りです。

今はVtuberのプロジェクトも終了し、私の零細ゲーム実況のマスコットアバター(≠Vtuber)として使っています。

今後どんな展開をするかは、実は全然考えていないのですが、今後も私と「てらどらいぶ」のマスコットキャラとして活躍させられれば、と思っています。


もるこのイラストは全体のコンセプトをチーム内で話し合った後、下絵担当がラフを作り、それを絵師さんに依頼して描いてもらっています。

容姿に関しては下絵担当にほぼお任せなので、もるこの容姿には彼のいろんな願望が詰まっています(笑)。

もるこが生まれて6年たつわけですが、当時はまだペーペーだった下絵担当は今では部門の経営管理のトップに立ち、役員からの指示を受けてビジネスをハンドリングする立場となりました。

一方私は会社を離れ、自分の好きな事を優先できる立場となりました。

しかしコロナが発生して見込んでいた仕事がキャンセルされたり、もくろみどおりにはなかなか事が進まず苦労していますが、新しいもるこも来たことだし、心機一転頑張ろうかな、という気持ちになっております。

そんなわけで、新しいもること「てらどらいぶ」を、引き続きよろしくお願いいたします。

ニューノーマルに生き残れない、テレワークに向かない経営者

ニューノーマルという言葉が生まれ、コロナ影響下で私たちの生活が大きく変わろうとしています。

生活が変われば働き方も変わるわけで、特に三密や通勤中の罹患を防ぐため、国や都がテレワークを推進しているのは周知の通りです。

とはいえ、これまでにない働き方を押しつけられて、経営者も従業員も戸惑っている面もあるでしょう。特にテレワークが導入しづらい、現場系の仕事や営業が必要な会社はどうすればいいのか、経営者同士の会話の中でもよくあがります。

そんな中で、私の友人が勤めるある会社のテレワークのやり方が、テレワークの悪いところを全て煮詰めたようなカンジとなり、結果として社員が次々と辞めてしまったという話なのでご紹介します。


その会社はIT系なのですが、社長は技術者ではなく営業畑の出身で、昔ながらの根性論の持ち主。従業員の評価にしても、会社にいる時間=仕事をしている時間という価値観の持ち主であり、サービス残業も当たり前という感覚の人間だそうで、例えば早く社員が帰ると「20時くらいに帰るって、仕事やる気なんじゃないの」「給料分ちゃんと働いてるの?」と社内で言っちゃうような人だそうです。

悪い意味で、どこにでもいがちな中小企業の社長という感じでしょうか。

このような感覚なのでテレワークについても否定的で、家で仕事させたら社員がサボるという懐疑的な態度を見せ続けていたようですが、緊急事態宣言を受けて渋々というカタチで渋々スタート。

しかし、そのような下調べもせず、しぶしぶ始めたテレワークがうまくいくはずもありません。

毎朝のWebカメラを使った対面型朝礼は社長の独演会と化し、各プロジェクトの進捗状況が共有される場ではなくなってしまい、仕事が始まってみれば、チャットの友好的な使い方が分からない社長からの長文チャットメッセージが飛んでくるという始末。

そして定期的にチームチャットに送られてくる、社長からの「みんな、本当に仕事しているの?」というメッセージ。

このような、仕事への姿勢を毎度疑われる社員のモチベーションは当然ながら駄々下がりとなり、コミュニケーションの齟齬もあって、非常にストレスの高い状態になっていたそうです。

確かにテレワークは、各人の顔が見えません。作業している様子も内容も把握しづらいでしょう。だからこそ、いつもとは違ったコミュニケーションが必要です。

しかし社長や上司が、「部下が俺に合わせるべき」という感覚が抜けきれず、懐疑的で高圧的な態度をとり続けていれば、部下の士気が下がるのは明白です。

まして、テキストでのコミュニケーションはソリッドになりすぎて誤解を生む事も多々あります。そのような中で長文のチャットメッセージによる指示などはナンセンスといえるでしょう。

テレワークでは、経営者や上司が、いかにテレワーク環境下で有効なチーム運営ができるか、的確な指示を出して、ネットワーク上でのコミュニケーションを迅速に行うかがキモになってきます。

例えば指示は、パワポなどで図説する簡単な指示書を作るなどしてもいいでしょう。そうすればメンバーの理解は容易となりますし、指示の齟齬も減らせます。
実際SlackにせよTeamsやZoomにせよ、画面や資料の共有は簡単にできますし、むしろこのような機能を使って、対面でのミーティング以上に効率よく情報共有ができることを目指してこの手のアプリは開発されています。

それらの機能を使わずして、メール文化丸出しのメッセージでの指示を送るのは、感覚が10年遅れてるといえるでしょう。

しかも長文メッセージに「了解しました」と返すと「本当に分かってるの?」「毎回同じ返事だね」とイヤミを言うそうで、自分では一切コミュニケーションに気を遣わないのに、部下には必要以上に対応を求める態度はさすがに大人としてどうかと思いますね。

「上司の俺がなぜそんなことを」と思っている人は、これからのニューノーマルな新しい働き方にはついていけないですね。事実この会社、テレワークが理由なのかは明確ではありませんが、社員も数人辞めたそうです。

テレワークでは顔が見えない分、人間性が露出します。テキストの書き方一つで印象が大きく変わってしまうのですから、上役とはいえ部下の印象は考慮して言葉を選ばないと、このような結果に終わってしまうということですね。

ちなみにこの社長、こんな昭和なスタイルなのでお年を召しているように思われますが、実はまだ40代とのことで、驚いてしまいました。
意識の革新性や適応力というものは年齢とは関係ないんですね。

自分も気をつけたいところです。

名刺管理ツールのクラウド化

昨晩、東商の「きた経営塾」のクローズ勉強会に参加してきました。といっても、このコロナなご時世なので、ZoomによるWebミーティングでしたが。

今回のテーマはビジネスツールのクラウド化、オンラインツール化ということで、それぞれオフラインで行っていた業務を、クラウドサービスを活用して効率化していこうというお話でした。

私は個人事業主なので、クライド化によって全社のツールやデータを共通化するという恩恵は受けづらいのですが、その代わりスマホを含め複数のデバイスによって作業を行っているため、そのPC内にのみ存在する固有のデータというのは、なるべくなくしていきたいと考えていました。

そのため、DropboxやGoogleドライブなどのクラウドストレージや、Evernoteやクラウド確定申告等のクラウドシステムは以前から活用していましたが、意外と知らないツール、今以上に省力化(ここ重要)やデータ管理や参照がラクになるツールがあることが知れて、大変勉強になりました。

実は名刺管理システムを使っていなくて、これまで昔ながらの名刺ファイル使っていたんですよね(笑)。ちょうど4冊目の名刺ファイルがパンパンとなったので、買い足そうと思っていたのですが、これを機会にクラウド名刺管理システム「Eight」を利用することにしました。

https://8card.net/

実際の使い勝手についてはさらに使い込んでからになりますが、名刺の取り込みはスマホ撮影によるOCRと手入力サービスの併用で精度の高い名刺データ化を実現しているそうです。

また、既存に取り込まれている名刺を参照に知り合い等を探す機能もあって、大変便利です。

かくいう私も、自分の名刺を登録したところ、すでに私の名刺を登録してくれていたEight利用者の人たちの名前が出てきて驚きました。

なるほど、これは便利です。

取り込んだ名刺はスマホでもPCでも参照できるので、デバイスやアカウント個別にアドレス帳を作る必要はないですし、仮にデバイスの故障が発生してもクラウド上にデータが残るので復元が可能なのは心強いですね。

なにより、名刺の写真撮ればOKというのは便利でいいです。
(私のクラウド化のモチベーションは、「いかにラクをするか」なので)

もう少し使ってみて便利そうでしたら、年額4800円の「プレミアム」使ってみようかなと思います。


そうそう、先日メインPCを入れ替えた際も、PC内のデータをクラウドストレージとNASに入れたので引っ越しが簡単でした。

以前でしたらUSBの外付けHDDを使ってPCのデータを移動させていましたが、今は普段からクラウドストレージとNASにデータを入れているので、そもそもデータ移動の手間がほぼありませんでした。随時バックアップしていないフォルダ内のデータを動かしただけでしたね。

PCの買い換え時も便利ですが、普段のバックアップとしても有効なので、クラウドストレージはTB単位で契約するのが吉だと思いますね。

私は仕事では2TBの容量が使えるDropboxのPlusを使っています。

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